概要
バブル景気の絶頂期を折り返した年、北野憲太は京都の大学を卒業した。しかし就職の内定を全て断り、とある思いから旅に出る。
最終目的地は、直線距離でおよそ8千キロ離れた中東の国・イラク。
このお話は、異世界……もとい、異国に行った事がなかった青年の旅物語です。
大阪の南港から一人船に乗り、孤独な旅に出るはずだったが……。
様々な文化・自然・人との出会いで苦難を乗り越え最終目的地を目指して彷徨います。たまに美少女との出会いもあって、足取りは定まりませんが――
兎に角、いろんなハプニングがあって「すっちゃかめっちゃか~」な旅のお話です。1エピソードにつき、何かしらのイベント(出来事)を仕組んでいますので、話の数は多いですが何処からでも楽しめると思います。
あ
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!西方見聞録
異世界が大人気のWEB小説ですが、「異国(ことくに)」の旅はいかがですか?
大学を卒業した北野くんが就職を取消して出かけた「アジアの旅」
西へ。西へ。GO WEST.
基本的に北野くんと多賀先輩とのふたり旅ですが、その土地その土地で出会う人々との交流が素晴らしいです。これが「旅の醍醐味」「本来の旅」だと思います。現地の人と話し、現地のものを食べ、現地の風を感じる。叶うならこんな旅してみたい。
バブル時代の旅とのことなので恐らく昭和の終わりから平成の始まりあたりの時代でしょう。スマホどころか携帯電話だって一般的でなく、旅先でネットで情報検索もできなければ「SNS」なんてもの…続きを読む - ★★★ Excellent!!!まだバブルだった頃、男はアジアで何を見たか。
時代設定はバブル絶頂期を折り返した年とのことですから、九十年代が始まって間もないころでしょうか。インターネットも携帯電話もない時代です。まだ私が生まれていなかったころのことでしょう。ゆえに、これは長い旅の記録であると同時に、私が知らない時代のうち最も近い時代の物語という感じもします。
そんななか、海外へ出たことがなかった男がアジアを横断します。
このころの中国はまだ先進国であるとは完全には言えない状態であり(それはひょっとしたら今もそうかもしれませんけど)、人民服を着た人々がおり、文字を読めない人々がおり、治安も今よりもまだ悪かったと言えるのかもしれません。
主人公はそんな中国の様子に…続きを読む - ★★★ Excellent!!!行ってみよう、亜州三万二千粁。
就職前に日本を発ち、「陸路で」イラクまで行こうと思いたった、ある関西出身の青年のお話です。
――簡単に書くと上記の一行なのですが。何しろ「陸路」。中国、パキスタン、アフガニスタン、イラン……とバスや列車を使って移動していく道中では、騙されたり道に迷ったり、ぼったくられたり奢られたり。宿や食堂のオーナや通りすがりの人々に親切にされたり、警察に捕まってスパイ容疑をかけられたり……と、さまざまな出来事が起こります。それらを一つ一つ、幸運と努力で切り抜けていく過程に、旅の醍醐味を感じます。
中国を出るまではモテモテだった北野君。「日本で待っている彼女はどうするの?」「そんな約束しちゃっていいの?…続きを読む - ★★★ Excellent!!!雄大な風景、異国での出会い。近江弁で書かれたアジア旅行記
更新を楽しみにしている作品の1つです。
中国、パキスタン、アフガニスタン、イランなどを経てイラクを目指す、アジア8カ国、3万2千キロの旅。実体験がベースになっていると感じますが、旅行記風の小説です。
シルクロード(とは書かれていませんが、通過する国はシルクロードを連想させます)の雄大な風景、各国の独特な食べ物(サソリを食べたりします)、ちょっとしたトラブル、現地で出会う人々との交流、ほのかな恋……。
この作品は全編、近江弁で書かれているんですが、それが何とも上品で優しいです。
たとえば、新疆ウイグル自治区で出会ったパリーサという少女に「愛しています」を日本語で何と言うか、教える場面が…続きを読む