雨蕗空何（あまぶき・くうか）

レビュー執筆時点で、track4-6まで読了。 青春バンド物、そのようなくくりで語ってよいのかは、私がそのジャンルに詳しくないので分かりません。 ただ詳しくないなりに、この物語に…続きを読む

当人の感じるものを、どれほど正確に受け取り、共感できているのかは分かりません。 ただ今の私は一読者であり、読者として読んで、読んだと伝えることが、きっと力になるものだと願うばかりで…続きを読む

読まれるweb小説、というものには、いくつかのセオリーがあると思います。 序盤で作品のおもしろみが分かること。スカッとした楽しさがあり、物語の途中でも評価点を入れたくなる作品である…続きを読む

生贄の少年と神様のお話
ゆるい感じもあり微妙にせつない感じもあり、いい意味でぼんやりとした読み味でした。

子育て中の父親として、この作品で書かれていることがどこかの自分たちと重なり合うような気がします。
心の本棚にしまっておきたい作品です。

大きなひねりがあるわけでなく、ただかわいらしいだけ。それが大事。
何も考えずただかわいいのを摂取できる作品はいいものです。

ごくごく個人的な心の動きで、この作品を祈ります。
どこかで何かが、つながるといいなと思います。

作品を詳細に分析し方向性を方角で表す「フィンディルの感想」というサービスを行なっているフィンディルさんの作品。 実験的要素に目を引き、幻想的な世界観にも酔いしれ、不思議な読み味をふ…続きを読む

文章表現が興味深かったです。
読み手としても書き手としてもなじみのない書き方であるのに引き込まれたのは、ひとえに作品の完成度の高さだろうなと思います。

本当に楽しんで書いたんだろうなあというのが伝わります。
こんな感じのノート、間違いなく「ある」感じがします。
こういう楽しい気持ち、忘れずにいきたいですね。

作中、それを結局どうしたのか書かれていない部分が強く印象に残りました。 読者に疑問を残すことでごろんと重石のように胸の中に残る感触があり、それが登場人物の感じているであろうもやもや…続きを読む

銃をぶっ放すセクシーなシスターっていいですよね。
エクソシズムな雰囲気とSF・サイバーパンク的な設定が融合しててかっこいいです。

大それたことをするわけじゃないけれど、支えてほしいときに支えてくれる人がいるっていうのは、幸せなことだなと思います。
染み渡りました。好きな作品です。

空気感のよい作品でした。作中の空気は煙草の煙が満ちて潮風であんまりよくなさそうですけど、そういう空気の悪そうな感じがいい空気です。

読むまで忘れてたんですけど読んですぐに思い出しましたよ。そうだ去年これめっちゃ楽しんだんだった。
サクッと笑って楽しめます！

誰にも傷が付かないようにと脳内漫才《ひとり》でなんてなんて踊らないで。
いや好きで一人相撲取ってるわけではないねん。

この作者様の「確率」シリーズを、私が初めて読んだのは「四割・八分・九厘」。 そのときから、淡々とした文章に対し、その中に「生きている」感覚を胸に迫るほど感じさせるものでした。 そし…続きを読む

異種婚姻譚っていいですよね。
寿命差っていいですよね。
そしてポジティブなヒロインって、いいですよね。

すごい刺さる短編でした。
よかったです。

秘密の味が分かる、というセンスひとつで、こんなにも豊かな味わいの物語を作り上げるとは。
好きです、このお話。

その新婚生活は、きっと幸せだったんだろうなと思います。
祈りを捧げたくなります。

物語は二人の人物の視点でつづられます。 子を成せない異なる種族の夫婦の子として「生まれた」、奇跡の子カモミール。 彼女を創り出した研究者、魔術師ペルクス。 生命の創造という禁忌を犯…続きを読む

この作品ひとつで、何かが完全に分かるものではないのかもしれません。
ただ知るきっかけのひとつになって、どこかの誰かがほんの少しだけ救われる、そんな一助になったら、いいなと思います。

空行が全然ないんですよ。 web小説ならたいていみんなやっている、セリフの前後とか段落区切りとかで空けている空行、あれがないんです。 ないのにしばらく読んでから気づいたんですよ。 …続きを読む

私がこの作者様を知った最初の作品は、この作品の派生元「幸福の国の獣たち」でした。 そちらを読んで、作品の骨子として走る世界設定、地理や宗教や民族といったまさに「世界」がしっかりと作…続きを読む

一気読みしました。 読んでから確認したら5万文字あった。5万文字を一気読みしちゃったの自分！？ タイトルのシュガーコート。 日本語で言えば糖衣のことです。お薬の錠剤で、苦い成分を…続きを読む

私がたびたび小説をほめるときに、その世界の実在感、質量感というものを取り上げるのですが。 この作品もまた、そういう部類のものです。 この作品の世界が、肌感覚として伝わる。リアルに…続きを読む

かわいらしいのです。 お嫁さんのマルーシャは、父一人子一人で育ってきてしっかりものだけれど、色恋沙汰からは縁遠く。 旦那さんのダニールは、優しいけれど学者肌でやっぱり色恋沙汰からは…続きを読む

キャラクターは力である。 強烈な個性を持ったキャラクターは、それ自体がすでに巨大な物語を作り出す推進力であり、見る者をクラクラと魅了する暴力装置である。 この作品に登場するヒロイン…続きを読む

マっジっで。 ヒロインもお相手もめんどくさすぎてもう、にっこりしてしまいますよ。 末長く爆発していただきたいですが、そう言ったらまかり間違って本当に爆発しそうな方たちで取り扱い注意…続きを読む

私もそこそこにアホの子を書いている自負がありますが、この子のアホの子っぷりはなんかもう、すがすがしいです。
読むごとにニヤニヤしてしまいました。

フリースクールというものの実態は、私は知りません。 ここで書かれている内容がどれほど実際のそれに沿っているか、知りはしません。 ただここに登場する子供たちは、何かが少し噛み合わなか…続きを読む

いいもの読ませていただきました。 探偵モノは探偵役のキャラが濃ければ濃いほどいい、というのが持論なのですが。 この作品の探偵役はいいですよ。伊奈波さんすごい好きです。 小柄猫系ボク…続きを読む

この作品の人物の境遇は、別段私と似通った部分があるわけではない。 けれど何か、私の心の中のどこかに、似たような感情があったのだと思う。 私の心がひどく揺れて、解きほぐされたような、…続きを読む

ひとつの事実として、私はこの作品を読んで、心がひとつ救われました。 繊細なテーマを取り扱っています。 作品を読んだ人の感じ方は、人によって異なるのかもしれません。 ただ私は、この…続きを読む

それは海水に体温を奪われるからこそ感じる、自分自身の体温のような。
芯のある静かな熱、のようなものを感じました。

環境調査員をされている著者の昆虫観察エッセイ。 見たことのある虫もない虫も、見たような気がするけど名前とか知らないし本当にこいつなのかよく分からん虫も、いろいろあります。 興味深く…続きを読む

しっかりとした文章の運びで、じっくりと圧迫感を感じさせる物語が見事でした。
おもしろかったです。

大筋は合ってるんです。 けど原作は、こんな業とフェチと下ネタを煮詰めたようなお話じゃ……あれでもアレとかコレとか原作通りだし、いやでも……あれ、もしかして南総里見八犬伝って、もとも…続きを読む

幸せな物語だと思いました。 ヒロインは不幸体質で、とても大きな業を背負っていて、たくさん傷ついてしまうのに。 それはきっと、彼女が周囲から愛されていて、彼女自身が愛されるべき魅力と…続きを読む

ただこの結び、ただこの真実にたどりつくための、まさしく罠のように深く潜っていくような4万文字。
本当に苦しい、つらい、胸が締め付けられる。
読んでよかった。

とにかくセンスがいいんですよ。「祈祷機」とか。 ビジュアルの強いケレン味たっぷりのアクションは、映像が頭に思い浮かぶし実際に絵を見てみたいと思わせます。 クール。とかくクール。キャ…続きを読む

その風は、読んだ心を少しゆらめかせる程度には、はっきりと吹いた。 大人からいい子と思われている少年の心情に、引きつけられるものがあります。 深く書かれているわけではない妹の存在は…続きを読む

孤独の中にあっては、覆しようのないものがある。 けれど個と個がつながり流れとなれば、うねりとなれば、きっと変えられるものがある。 そのうねりを生み出す推進剤として、ときに時間と場所…続きを読む

共感の作品です。
筋肉が見つからずに眠れない夜を過ごすことがないよう、ちゃんと見つけられるとことを祈ります。

これは、猫の一生の物語である。 タイトルであり、作中にもたびたび出てくる、「俺はうるさいのも変化するのも嫌いなんだ」という文言。 繰り返しながら、けれどその言葉が意味することは、…続きを読む

いや、もしかしたら王道SFってこういうのだったかもしれない。 出迎えるべき人間が全滅して、地球との交信も途絶えてしまった月面基地のロボットたち。 ロボットはみずから考え、動くので…続きを読む

全体の流れがぞわぞわとさせてくれて、おもしろいです。 お話を追いながら、だんだんと分かってくるギミック、そしてオチ……と、短編ながらしっかり味わわせてくれるホラーでした。 はたして…続きを読む

基本的に、ちゃんとしたダークファンタジーなのですよ。 文章めっちゃ雰囲気あるしかっこいいんですよ。 だからこそ、出てくるぬいぐるみ要素の落差が映えるんですよ。 この二人にはずっとイ…続きを読む

物語から感じるほっこり感と、状況を想像したときの絵面とが妙な不協和音をかもし出して、それがいい感じにクセになります。

こういうお話も大好きです。
おもしろかったです！