ねえねえ、ヒロおじさん。この前、日本語には漢字とひらかなとカタカナがあるって教えてくれたよね。
今日は漢字の歴史について教えてほしいな。
おや、かなちゃん。漢字の歴史に興味を持ったんだね。
とても面白いテーマだよ。
うん!漢字ってすごく昔からあるんでしょ?
その通り!漢字の歴史は実はとても古くて、約6000年前まで遡るんだよ。
えー!そんなに昔からあるの?すごい!
そうなんだ。でも、最初から今の漢字のような形だったわけじゃないんだよ。
じゃあ、どんな形だったの?
最初の漢字は、「甲骨文字」と呼ばれるものなんだ。
これは、亀の甲羅や動物の骨に刻まれた文字なんだよ。
へえ〜、骨に文字を書いてたんだ!
そうなんだ。これは今から約3500年前の中国の殷(いん)という時代のものなんだ。
すごく昔だね。でも、なんで骨に書いてたの?
実はね、占いをするために使われていたんだよ。
王様が何か重要なことを決めるときに、神様に聞いてみるんだ。
へえ〜、占いに使ってたんだ!面白いね。
そうだね。その後、青銅器に文字を刻むようになったんだ。
これを「金文(きんぶん)」と呼ぶんだよ。
金文?お金に関係あるの?
いい質問だね。実は「金」は青銅のことを指していて、お金とは関係ないんだ。
青銅で作られた器に文字を刻んでいたからこう呼ばれるんだよ。
なるほど!でも、どうして青銅器に文字を刻んだの?
主に、重要な出来事を記録したり、神様をまつったりするために使われたんだ。
当時の人々にとって、とても大切なものだったんだよ。
へえ〜、昔の人は文字を大切にしてたんだね。
その通り!そして、時代が進むにつれて文字の形も変わっていったんだ。
どんな風に変わったの?
次に登場したのが「篆書(てんしょ)」という文字なんだ。
これは、今の漢字に少し近づいた形になっているよ。
てんしょ?難しい名前だね。
そうだね。篆書には「大篆(だいてん)」と「小篆(しょうてん)」があるんだ。
小篆は、中国を統一した秦の始皇帝の時代に作られたんだよ。
始皇帝って、万里の長城を作った人だよね?
その通り!よく知ってるね。始皇帝は文字も統一したんだ。
それが小篆なんだよ。
へえ〜、文字も統一したんだ。すごいね!
そうなんだ。でも、小篆は書くのに時間がかかったんだ。
そこで登場したのが「隷書(れいしょ)」という文字なんだよ。
れいしょ?また新しい名前だ!
そうだね。隷書は小篆を簡略化した文字で、書きやすくなったんだ。
これによって、文字を使う人が増えたんだよ。
へえ〜、便利になったんだね。
その通り!そして最後に、今私たちが使っている漢字の原型である「楷書(かいしょ)」が生まれたんだ。
楷書?それが今の漢字なの?
そうなんだ。楷書は約1800年前の後漢の時代に生まれて、その後少しずつ変化して今の漢字になったんだよ。
すごい!漢字の歴史って長いんだね。
そうだね。漢字は長い歴史の中で、少しずつ形を変えながら今に至っているんだ。
ねえ、ヒロおじさん。日本の漢字は中国から来たの?
いい質問だね。そうなんだ。日本に漢字が伝わったのは、今から約1500年前くらいだと言われているんだよ。
へえ〜、そんなに昔なんだ!
そうなんだ。最初は中国から来た文字をそのまま使っていたんだけど、だんだん日本語に合わせて使い方を変えていったんだよ。
どんな風に変えたの?
例えば、漢字に日本語の読み方をつけたり、漢字を使って日本語の言葉を表したりしたんだ。
これが「国字」と呼ばれるものなんだよ。
へえ〜、日本独自の漢字もあるんだね!
そうなんだ。「峠」や「畑」なんかは日本で作られた漢字なんだよ。
すごい!日本人も漢字を作ったんだね。
その通り!漢字は中国で生まれて、日本に伝わり、そして日本で独自の発展を遂げたんだ。
今では日本と中国で少し違う漢字を使っているんだよ。
へえ〜、漢字って奥が深いんだね。
そうだね。漢字の歴史を知ることで、日本と中国の文化のつながりも感じられるんだ。
これからも漢字に興味を持ち続けてくれるといいな。
うん!漢字、もっと頑張って覚えようと思うよ。
ヒロおじさん、今日は漢字の歴史を教えてくれてありがとう!
参考文献:
- 阿辻哲次. (2010). "漢字の世界史". 筑摩書房.
- 国立国語研究所. (2021). "日本語の文字と表記の歴史". 国語研究所報告.
- Taylor, I., & Taylor, M. M. (2014). Writing and literacy in Chinese, Korean and Japanese: Revised edition. John Benjamins Publishing Company.
- 陳 葉. (2011). "中国と日本の文字を語る". Science Portal China.
- 今野真二. (2009). "日本語の歴史". 中央公論新社.