概要 ▶ ビジネスマンといえば電話は切っても切れない関係にあるもの。お客様とのアポイント取りを始め、クレームの電話から何から電話を使わない日はないだろう。電話の料金というのは意外に高くてNTT東日本の料金表(ntt-east.co.jp)を見てみると、20km~60kmの距離の場合、3分間で30円(昼間)(税込31.5円)、60kmを超えると40円(税込42円)だ。(佐渡と新潟って離れているが隣接地域扱いな
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電話の料金というのは意外に高くてNTT東日本の料金表(ntt-east.co.jp)を見てみると、20km~60kmの距離の場合、3分間で30円(昼間)(税込31.5円)、60kmを超えると40円(税込42円)だ。(佐渡と新潟って離れているが隣接地域扱いなのだな)
IP電話というのも最近流行っている。有名どころはYahoo!BB Phone(yahoo.co.jp)ではないか。こちらは全国3分7.5円(税込7.875円)とかなり安い。NTT東日本の20~25%という価格設定だ。何でもIP電話にしたら良いのではないかなどと思ってしまう。しかし、現実的には会社の中でIP電話を導入しようとしたら内線をどうするか、など難しい問題が出てくる(この問題に対してはIP電話提供会社から様々なソリューションが出されている)。私が勤める会社でも交換機の関係でIP電話化は頓挫したままのようだ。
さて本題だが、Skype(skype.com)というソフトウェアがある。これはP2Pの技術を利用したIP電話だ。
SkypeはYahoo!メッセンジャーやMSNメッセンジャーやICQのようにユーザー間で通話を楽しむこともできるが、SkypeOutという機能を使用すると、国内の固定電話やケータイに電話を掛けることができる。PCからケータイに電話するなんて変な感じだが、これが本当に可能だ。
Skype StoreからSkypeOutを利用する権利(電話料金)を10ユーロ・25ユーロ・50ユーロ単位で購入する。8月8日現在1ユーロは約135円だから、一番安い10ユーロは1350円だ。これなら気軽に購入できる。ただし購入にはクレジットカードが必要だから注意が必要だ。
SkypeOutのクレジットを購入すると、Skypeのスタート画面に残りのクレジット数が表示される。こうなれば国内国外に電話することが可能になる。以下は何カ所かに掛けてみた結果。
(1)自宅:固定電話[NTT東日本]
音声は良好。
1分あたりの通話料金は3.645円(0.027ユーロ)だ。1分以内でも3.645円。
(2)自分のケータイ:PHS[DDIポケット]
音声は良好。
話してみてわかったが1秒程度遅延がある。使用上では特に問題はない。
1分あたりの通話料金は21.195円(0.157ユーロ)だ。1分以内でも21.195円。
(3)人のケータイ:FOMA[NTTドコモ]
ケータイ端末側(受信側)では音声がもごもご聞こえると言われた。PC側はそれなりといったところ。
1分あたりの通話料金は21.195円(0.157ユーロ)だ。1分以内でも21.195円。
FOMAなのに音が悪いのか? 電波状況によるかもしれないが…。
(4)人の家:固定電話[NTT東日本]
留守だった。
留守番電話になったが、「3秒以内に切ったので無料」だった。(Skypeの画面にそう表示される)なんとなく逆ザヤっぽくなる気がするのは気のせいか。
(5)人のケータイ:CDMA1x[au]
ケータイ端末側(受信側)では音声がもごもご聞こえる。昔のケータイのようだ。PC側はそれなりといったところ。
CDMA1x側の端末で通話を切ってもSkype側できちんと切断しないと繋がった状態のママと認識され課金されるようだ。
Skypeの自分専用のページにログインすると「Call List」の中に通話先の電話番号・通話時間・料金(単位料金も)が表示される。なかなか便利だ。使用後すぐに反映されるので、すぐに今使ったばかりの電話料金を知ることができる。先ほどの「3秒以内に切ったので無料」「きちんと切断しないと繋がった状態のママ」もこの画面で確認をした。
Skypeを使用する上で大きな問題がある。それはかけた側の電話番号が表示されないことだ(番号を持っていないのだから当然といえば当然)。非通知ではなく「通知不可能」という様に表示される。このため、相手先の電話によっては着信拒否になり通話ができない場合があるので要注意だ。実験の際には着信拒否を何度も受けたことを記しておく。
また、アドレス帳といったものは存在しない。フレンドリストはあるが、あくまでSkypeのユーザーを登録するリストだ。Skypeのユーザーではない単なる電話友達はリストに登録できない。
電話料金についてはてなダイアリー - 中妻穣太の日記 Skype話その5・SIPの概要と将来性(hatena.ne.jp)では以下のように述べられている。
必ずしもSkypeが一番安いとは限らないのですが、従来のIP電話の場合は、同一のISPまたは提携しているISPのサービスでないと無料で通話できなかったりするわけで、「みんなSkypeに入ればいいじゃん」というほうがはるかにわかりやすいですからね。厳密な価格比較よりはこのわかりやすさに惹かれて、Skypeに流れる人は多いかもしれません。
確かに現在はNTT vs KDDI vs Yahoo!BBみたいな構図になっていて無料で電話できるのは誰?みたいな感じになっている。
SkypeにはPCが必要という条件が付いているが、電話する人たちが全員Skypeが入っていれば電話が必要なくなる。ただ、メンバー間の通話だけだったらMSNメッセンジャーやICQでもできる。
Skypeはそういった音声チャットができるソフトウェアとIP電話を融合したソフトウェアとして存在しているのだが、ソフトウェアの操作上、まだ融合はしていないように感じる。現在のIP電話のようにIPで電話できるときはIPで、ダメなら普通の回線で電話するといった動きのように、アドレス帳に登録しているユーザーにSkypeで通信できない場合は登録してある電話番号に掛けるなどの動作を流れるように行ってくれれば(警告は出た方が良いのかも知れないが)、Skypeを使うだけでボイスチャットと電話の切り替えを意識することなく使えることができるのではないか。(知らないうちに課金されている恐怖はあるかもしれないが)
また「Skype話その5・SIPの概要と将来性」の中の紹介にあったIT Proの「人気沸騰のインターネット電話「Skype」,日本で使うメリットはあるか?」(nikkeibp.co.jp)(閲覧には無料のメンバー登録が必要)に国内でSkypeを使用する場合のわかりやすい料金比較がでている。これを見る限り国内の電話(ケータイを含む)ではあまりメリットが感じられない。ただ、海外への通話料金は一律1分0.017ユーロだからこれは他のIP電話の料金よりも大幅に安い。
国内の電話はIP電話を導入しているところと比較しているからメリットが薄く感じられるわけで、私の家のようにNTTが回線を検査しに来たときにADSLで96kbpsしかでないようなエリアはフレッツ純正のIP電話に対応していない/動作保証されていない(今は平均300kbps/最高600kbps)。ちなみにOK Web Communityの「F-ADSL(8M)で実測800~500kbでIP電話導入は?」(okweb.jp)(F-ADSL=フレッツADSL)を見る限り、IP電話を使う場合上下共に300kbpsは最低限確保しなくてはならないようだ。
私のような平均300kbpsのようなエリアでもSkypeならIP電話として使うことができる。電話を実際掛けてみて調べた結果、Skypeは26kbps程度で通話できるようだ(音声がない場合はほとんどパケットは流れない)。これならメールやWebを閲覧していてもほとんど影響がない。Skypeはこうした低帯域なユーザーへのIP電話の提供も可能にしている点で非常に評価できるのではないか。
最後になるが、Skypeでの通信の設定はほとんど不要だ。最悪ポート80番が空いていればよいようだが、普通はルーターの設定やファイアウォールの設定を気にすることなく使用できる導入の簡単さも評価できる。
導入が簡単で低帯域でもIP電話ができるSkypeには今後も注目をしていきたい。
#ちなみにSkypeで固定電話やケータイに電話する場合は「+81」+「掛けたい相手の電話番号の最初の「0」を取った番号」で掛かります。
#ケータイが090-12345678だったら「+819012345678」だし、固定電話が「0250-12-3456」だったら「+81250123456」だ。
(EZLIB-Log 携帯アプリ&海外携帯電話情報: SkypeOutを早速試すを参考にさせてもらいました)
【2004/09/11追記】
なんでSkypeoutの通話は「通知不可能」なのかなぁと思っていたらケータイWatchの記事に書いてあった。国際電話は全部「通知不可能」なのね。納得。
auの国際データローミング TELECOM ASIAでデータローミングの実力を探る(impress.co.jp)
国際電話経由となるため相手先には「通知不可能」と表示されてしまう