[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/コンテンツにスキップ

鹿島灘

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
鹿島灘
利根川河口と鹿島灘
鹿島灘の位置(日本内)
鹿島灘
鹿島灘
鹿島灘の位置(関東地方内)
鹿島灘
鹿島灘
鹿島灘(およその位置)
座標 北緯36度5分 東経140度50分 / 北緯36.083度 東経140.833度 / 36.083; 140.833座標: 北緯36度5分 東経140度50分 / 北緯36.083度 東経140.833度 / 36.083; 140.833
海洋 太平洋
日本の旗 日本
主な沿岸自治体 鹿嶋市神栖市銚子市など
テンプレートを表示

鹿島灘(かしまなだ)は、茨城県東部の大洗岬から千葉県東部の犬吠埼に広がる北太平洋の海域である。

地理

[編集]

」と地名が付く日本周辺の14海域の中では、最も東にある。

海上保安庁が発行する日本の水路図誌海図)にも掲載されている[1]

大洗町から神栖市までの沿岸は砂浜が続くが、ダム建設の影響で、那珂川利根川からの砂の供給が減少し砂浜の浸食が著しい。このため、ヘッドランドの整備が進められている。

鹿島の地は、古くから鹿島神宮の聖域として知られ、境内に自然の砂浜が残る。

大規模な掘込式港湾で、鹿島臨海工業地帯の根幹を成す鹿島コンビナートは、鹿島の南方に位置している。

自然環境

[編集]

鹿島灘の海底は水深140メートルまで沈み込む大陸棚が続き、また太平洋から流れ込む日本海流(黒潮)と三陸沖から流れ込む千島海流(親潮)がぶつかり合う潮目となり、一帯は水産資源が豊富である。サンマイワシイカハマグリなどが獲れ、大洗町鹿嶋市波崎町銚子市にはそれぞれ漁港が存在し、中でも銚子漁港は日本有数の漁港となっている。

また、大洗町の近辺ではアンコウが冬の味覚として知られており、アンコウ料理の店が多い。ハマグリについては、2010年代までに鹿島灘沿岸の漁獲高が激減しており、茨城県海面漁業調整規則によって採取道具の制限[注 1]や3cm以下の稚貝の採取の禁止がされている[2]

一帯は多様な生物種に利用されており、絶滅危惧種などの貴重な種類が見られる可能性がある[3][4]

鳥類ではアホウドリクロアシアホウドリの生息地として鹿島灘が特筆すべきであるとされ、他にもコアジサシカンムリウミスズメケイマフリコオリガモなどの様々な貴重な種類も見られる[3][5]

ウミガメではアカウミガメが沿岸部を産卵に使うなど最も良く見られる可能性があるが、オサガメなど他の貴重な種類の出現も考えられる[3]

鯨類ではスナメリが沿岸部で最もよく見られ、より沖合ではその他のイルカ類やコビレゴンドウなども生息している[6]。また、絶滅危惧種の大型鯨類[注 2]回遊経路になっている可能性もあり[3][4]セミクジラ[注 3]に関しては過去に一帯が越冬や繁殖海域として機能していた可能性も指摘されている[注 4][7][8]

鰭脚類ではキタオットセイが時折見られる[6]他にも、トドが稀に現れたり、過去には絶滅種に指定されているニホンアシカが一帯に分布していた可能性がある[3][4]

2000年代初頭までは、ホエールウォッチングバードウォッチングを目的とした遊覧船の航行が鹿島港と那珂湊港で行われていたこともある[6]

周辺自治体

[編集]

海岸

[編集]
  • 大洗海岸大洗町
  • 野田海岸(鉾田市
  • 勝下海岸(鉾田市)
  • 大竹海岸(鉾田市)
  • 武与釜海岸(鉾田市)
  • 京知釜海岸(鉾田市)
  • 三浜海岸(鹿嶋市
  • 清水海岸(鹿嶋市)

海水浴場・公園

[編集]

港湾

[編集]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 柄の長さ50cm未満、爪の長さ5cm未満など。
  2. ^ セミクジラコククジラシロナガスクジラナガスクジラなど。
  3. ^ 最も希少な大型鯨類の一種とされている。2003年に日立市の川尻港に、2009年には神栖市波崎海岸に漂着しており、前者の骨格標本がアクアワールド・大洗に展示されている。
  4. ^ 本種の本種の繁殖海域は過去から現在に至るまで一切が不明であるとされる。2020年には銚子市日本列島の沿岸では36年ぶりで3件目の確認例となる親子が目撃されており、ホエールウォッチングのツアーが親子に遭遇した世界初の事例であった。

出典

[編集]
  1. ^ 海の相談室 FAQ 灘ってなに?」、海上保安庁 海洋情報部、2017年9月10日閲覧
  2. ^ 鹿島灘特産ハマグリ 規則違反の採取相次ぐ 茨城海保、パトロール強化”. 毎日新聞 (2020年5月1日). 2020年4月29日閲覧。
  3. ^ a b c d e 環境影響評価情報支援ネットワーク, 2.1.6 動植物の生息又は生育、植生の状況, 52-68頁, 環境省
  4. ^ a b c 竹内正彦, 藤本竜輔, 森島和也, 安井さち子, 山﨑晃司, 2015年09月29日, 『茨城県産野生哺乳類目録』, 茨城県自然博物館研究報告, 18号, 71-82頁, 茨城県自然博物館
  5. ^ 茨城の海産動物研究会, 『茨城県北沿岸域周辺の鳥類』, 茨城県自然博物館第3次総合調査報告書, 421-428頁, 茨城県自然博物館
  6. ^ a b c ブルーソニックでのウォッチング
  7. ^ 先日遭遇したセミクジラについて”. 銚子海洋研究所. 2023年6月26日閲覧。
  8. ^ Good P.C., Johnston W.D. (2009). “Spatial modeling of optimal North Pacific right whale (Eubalaena japonica) calving habitats” (PDF). NORTH PACIFIC RESEARCH BOARD PROJECT 718 FINAL REPORT. オリジナルの2015年1月5日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150105071756/http://doc.nprb.org/web/07_prjs/718_final%20report.pdf 2023年8月16日閲覧。. 

関連項目

[編集]