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都市気候

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

都市気候(としきこう、英語: urban climate)とは、都市化に伴う人間活動での人工熱や大気汚染物質の放出、建造物の増加と高層化、アスファルト化の進行などにより気候因子が変化することで見られる、都市部特有の気候のことである[1]。代表例としてヒートアイランドが挙げられる[2][3]

都市内部では概して郊外よりも気温が高い[4]。その他、都市内部での高層建築物によるビル風も都市気候の一つである[1]

学問として

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都市の内部と郊外で気候にどの様な差違が生じているのかは、中世以前から注目されていた。19世紀末から20世紀にかけて、定量的な気候観測が行われるようになり都市気候が学問として扱われ近代都市気候学が成立した[5]

例えば、

  1. 土地利用と気温の関係[6][7]
    • 大都市に流入する河川が都市の気温変化に影響を与える範囲を調べる[8]
  2. 都市化によって変化した観測データから自然環境下だった場合の値を求める[9]

結果は都市計画に反映される事もある[10]

脚注

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  1. ^ a b 山添 2008, p. 42.
  2. ^ 日下 2013, p. 98.
  3. ^ 平野勇二郎, 茅陽一「関東平野南部における都市気温分布の時空間構造解析」『GIS-理論と応用』第6巻第2号、地理情報システム学会、1998年、1-10頁、doi:10.5638/thagis.6.2_1 
  4. ^ 山添 2008, p. 44.
  5. ^ 吉野正敏「都市気候学小史(1)」(PDF)『天気』第4巻第1号、日本気象学会、1957年1月、ISSN 05460921NAID 40018075733 
  6. ^ 片山忠久. 海外都市における河川の暑熱緩和効果に関する調査報告. 日本建築学会計画系論文報告集. (1990) no.418, p.1-9
  7. ^ * 福岡義隆, 高橋日出男, 開発一郎「都市気候環境の創造における水と緑の役割」『日本生気象学会雑誌』第29巻第2号、日本生気象学会、1992年、101-106頁、doi:10.11227/seikisho1966.29.101 
  8. ^ 成田健一, 植村明子, 三坂育正「都市気候に及ぼす河川水の熱的影響に関する実測研究 : 隅田川における熱収支と周辺影響の検討」『日本建築学会計画系論文集』第66巻第545号、日本建築学会、2001年、71-78頁、doi:10.3130/aija.66.71_5 
  9. ^ 小元敬男, 鱧谷憲「気象官署のデータからの都市気候効果の消去の試み」『農業気象』第35巻第2号、日本農業気象学会、1979年、93-96頁、doi:10.2480/agrmet.35.93 
  10. ^ * 山本桂香「都市におけるヒートアイランド現象の緩和対策」『科学技術動向2005年9月号』、科学技術政策研究所 科学技術動向研究センター、2005年、ISSN 1349-3663 

参考文献

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  • 山添謙 著「都市気候」、高橋日出男・小泉武栄 編『自然地理学概論』朝倉書店〈地理学基礎シリーズ〉、2008年、42-46頁。ISBN 978-4-254-16817-4 
  • 日下博幸『学んでみると気候学はおもしろい』ベレ出版、2013年。ISBN 978-4-86064-362-1 

外部リンク

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  • 都市気候 - 地学雑誌 第120巻2号(2011年)の特集