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利用者:Crion/Sandbox

※2010年時点の分類(一部の分類群は2011年)

真正細菌の一種、ヘリコバクター・ピロリ(プロテオバクテリア門イプシロンプロテオバクテリア綱カンピロバクター目ヘリコバクター科ヘリコバクター属)

真正細菌の分類しんせいさいきんのぶんるい)では、これまでに発表された真正細菌の一覧とその分類を記述する。2010年終了時点で正式に発表されている狭義の細菌(ドメイン:バクテリア)の属をほぼ全て網羅している。古細菌の10倍以上、約1600属を内包する。

真正細菌の分類は、属、が基本で、それ以外にドメイン、や亜界、亜綱、亜目、亜種などが使われている。分類自体は16S rRNA系統解析の結果に他の遺伝子の系統解析、生化学的性質を加味して行われているが、一部旧来の分類を引きずっている上、分岐パターンも意見が一致しておらず、今後とも大小の変更がありうる。本項目は基本的に『International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology』、次いで『Bergey's Manual of Systematic Bacteriology (2nd Edition)』に従い記述する。

分類と系統樹の概観

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バクテリアドメイン Bacteria

アクウィフェクス門

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Venenivibrio stagnispumantis

グラム陰性。広い熱水環境より分離される好気または嫌気性の好熱細菌群。一般に水素を酸化して化学合成独立栄養的に増殖する。最高95°C程度で増殖可能な種を含む(真正細菌の中では最も高い)。真正細菌ではあるが例外的にエーテル結合を含む脂質を持つことでも知られる。16S rRNA系統解析では真正細菌の中で最も深い分岐を示し、コル古細菌と共に生命の起源に最も近い生物とされることもある。一方で、より派生的な系統解析例もあり、プロテオバクテリア門に含まれるか近縁とされる場合がある。

アクウィフェクス綱

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テルモトガ門

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グラム陰性。熱水環境や油田より分離される嫌気性の好熱菌(最高90℃程度)で、有機物を還元して化学合成従属栄養的に増殖する。桿菌の端に外側に出っ張った鞘のような構造(トガ)を作る特徴がある。アクウィフェクス門と同じくこの門も16S rRNA系統解析では真正細菌の中で深い分岐を示すが、グラム陽性菌の系統に近縁とされる系統解析例も増えてきている。細胞膜はエーテル結合を持つ脂質を含む。

テルモトガ綱

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サーモデスルフォバクテリア門

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グラム陰性。独立又は混合栄養性の硫酸還元菌。好熱性で、温泉や熱水噴出孔、汚水処理設備などから分離される[2][3]

サーモデスルフォバクテリア綱

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デイノコックス-テルムス門

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Thermus aquaticus

放射線耐性菌デイノコックスと好熱菌であるテルムスの近縁群を中心とした門。従属栄養的で、好気性生物が多い。細胞壁の構造そのものはグラム陰性菌に近く外膜を持つが、非常に厚いペプチドグリカン層を持ちグラム陽性に染まる菌も含まれる。そのため、かつてグラム陽性菌門(フィルミクテス門:当時は現在のフィルミクテス門に加えて放線菌も含んでいた)に分類されたこともある。

系統的には、Guptaらによればグラム陽性菌とグラム陰性菌の中間的な系統になるという。クロロフレクサス門に近縁とも言われる。トーマス・キャバリエ=スミスらによれば、全生物の中でも最も初期に分岐したという。

デイノコックス綱

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クリシオゲネス門

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1996年ヒ素で汚染されたヨシ原から単離されたChrysiogenes arsenatis、2007年にオランダの脱硫バイオリアクターより発見されたDesulfurispirillum alkaliphilum2属2種よりなる門。嫌気性で、酸素を利用する代わりに前者はヒ素(ヒ酸塩)、後者は硫黄・硝酸を還元する。グラム陰性短桿菌。

クリシオゲネス綱

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クロロフレクサス門

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酸素非発生型光合成細菌である緑色非硫黄細菌を中心とした門。糸状の群体を形成する好熱性の通性嫌気性菌が多く、温泉などでバクテリアマットを形成している姿が見られることがある。一般に好気条件下では有機物を代謝して活動し、光存在下酸素分圧の低下が起こると光合成系が誘導される。滑走による移動能力を持つ。ただしそれ以外の形質、たとえば光合成系を一切持たず、嫌気条件で有機物を分解して増殖するような種も多い。

グラム陰性菌ではあるが、他のグラム陰性菌とは細胞壁の構造がやや異なっている。好気性の好熱菌、サーモミクロビア綱(#サーモミクロビア門)を含める場合もある。また、シアノバクテリアやデイノコックス・テルムス門に近縁と言われ、これらを含めたテラバクテリア (Terrabacteria)と呼ばれるクレードが提唱されている。

アナエロリネア綱

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カルディリネア綱

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クロロフレクサス綱

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デハロコッコイデス綱

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  • デハロコッコイデス綱 "Dehalococcoidetes"
    • 目所属未定
      • 科所属未定
        • Dehalogenimonas

クテドノバクター綱

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グラム陽性、菌糸や胞子形成など、放線菌に類似する特徴を持つが、系統上はクロロフレクサス門に含まれる。微好気環境で増殖する従属栄養の好熱細菌を幾らか含む[5][6]

テルモミクロビウム綱

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1970年代にイエローストーン国立公園から分離されたThermomicrobium roseumと、かつて放線菌に近縁と考えられていたSphaerobacter thermophilus[8]の2属2種のみを含む。独立門とすることもあるが、近年はクロロフレクサス門に含める見解が多い[8]。従属異栄養性の好気性好熱菌で、形状はいびつな桿菌。ピンク色の色素を産生する。

ニトロスピラ門

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グラム陰性のビブリオ様桿菌、またはらせん菌硝酸菌(Nitrospira)や鉄酸化菌(Leptospirillum)、硫酸還元菌(Thermodesulfovibrio)など独立栄養細菌が多い。

ニトロスピラ綱

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デフェリバクター門

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グラム陰性の直線状またはビブリオ様桿菌。嫌気性の従属栄養細菌が多い。

デフェリバクター綱

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シアノバクテリア門

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Oscillatoria sp.(ユレモの一種)

光合成によって酸素を放出する細菌。水中に広く分布し、海中、湖沼などに広く見られる。外膜を持ち、グラム染色による分類ではグラム陰性菌に分類される。葉緑体との共通点が多く、一次植物の葉緑体の起源と考えられる。

原核生物としては比較的細胞が大きく、一部は肉眼でも観察可能な糸状・樹状の群体を形成する。真核藻類と大きさや形が比較的類似し、植物と同じく酸素発生型光合成を行うことから、歴史的に植物として扱われてきた経緯を持つ。この時代、藍藻は最も単純で祖先的な植物であると説明された。

しかしその後の研究進展に伴い、藍藻は葉緑体の起源として考えられるようになり、植物との直接的な繋がりは認められなくなった。1970年代から細菌として分類されるべきだと主張され始め、現在では、国際細菌命名規約に従っての記載も行われ、移行期にあるといえる[9]。Bergey’s Manualは、第8版(1974年)からシアノバクテリアを取り上げている。ただし分類は現在でも混乱している。

光合成色素としてフィコシアニンを持つため藍色をしているものが多く、このためギリシャ語の藍色(Κυανος, L:Kyanos)から藍色細菌Cyanobacteria(植物としては藍色植物門; Cyanophyta)と呼ばれる。

バージェイ式分類における暫定分類

Bergey's Manual of Systematic Bacteriology(2nd Edition, 2001)は、一時的な措置として5つの亜群(Subsection)に分類している。これらは形態に基づく分類であり、自然分類でない可能性が高い。

  • シアノバクテリア綱 Cyanobacteria
    • 第1亜群/Subsection I(クロオコッカス目 "Chroococcales")
      • Family
        • Chamaesiphon - Chroococcus - Cyanobacterium - Cyanobium - Cyanothece - Dactylococcopsis - Gloeobacter - Gloeocapsa - Gloeothece - Microcystis - Prochlorococcus - Prochloron - Synechoccus - Synechocystis
    • 第2亜群/Subsection II(プレウロカプサ目/"Pleurocapsales")
      • Family
        • Cyanocystis - Dermocarpella - Stanieria - Xenococcus
      • Family
        • Chroococcidiopsis - Myxosarcina - Pleurocapsa-group
    • 第3亜群/Subsection III(ユレモ目/"Oscillatoriales")
      • Family
        • Arthrospira - Borzia - Crinalium - Geitlerinemia - Leptolyngbya - Limnothrix - Lyngbya - Microcoleus - Oscillatoria - Planktothrix - Prochlorothrix - Pseudanabaena - Spirulina - Starria - Symploca - Trichodesmium - Tychonema
    • 第4亜群/Subsection IV(ネンジュモ目/"Nostocales")
      • Family
        • Anabaena - Anabaenopsis - Aphanizomenon - Cyanospira - Cylindrospermopsis - Cylindrospermum - Nodularia - Nostoc - Scytonema
      • Family
        • Calothrix - Rivularia - Tolypothrix
    • 第5亜群/Subsection V(スティゴネマ目/"Stigonematales")
      • Family
        • Chlorogloeopsis - Fischerella - Geitleria - Iyengariella - Nostochopsis - Stigonema

クロロビウム門

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Winogradskyカラム

偏性嫌気性で緑褐色を呈し、酸素非発生型光合成を行う光合成独立栄養細菌の一群。硫化水素などの硫黄を電子供与体として利用し、光合成により硫黄や硫酸にまで酸化する。酸素の届かない深い水系、泉系に生息する種が多い。

クロロビウム綱

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イグナウィバクテリウム綱

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プロテオバクテリア門

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紅色細菌を中心に16S rRNA配列によって定義された巨大な門。形態や生化学的に多様な種を含み、そのため姿を自在に変えるギリシア神話の神「プロテウス」に因んで命名された。rRNA配列の近縁性に従ってアルファからイプシロンまでの5綱に分けられている。属の数にして真正細菌の4割超、700属以上が含まれる原核生物最大の門、綱の数としてもユリアーキオータ門(古細菌の門の一つ。8綱)に次ぐ多様性がある。グラム染色では陰性。

アルファプロテオバクテリア綱

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Rickettsia richettsiiロッキー山紅斑熱リケッチア
"Agrobacterium tumefaciens"(Rhizobium radiobacter)

光合成細菌の1種である紅色非硫黄細菌の大部分、例えばロドバクターやロドスピリルムが分類されている。この他に植物や動物の共生体・病原体であるリゾビウムやリケッチア、酢酸発酵菌であるアセトバクターなどが含まれる。ミトコンドリアもこのグループに由来すると考えられている。

ベータプロテオバクテリア綱

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Bordetella bronchiseptica気管支敗血症菌

好気性または通性好気性生物が多く、広範囲の有機物を酸化分解する化学合成従属栄養生物、あるいは無機物を酸化する化学合成独立栄養生物(亜硝酸菌や水素酸化菌、鉄酸化菌など)が含まれている。アルファプロテオバクテリアに含まれなかった、一部の紅色非硫黄細菌(光合成細菌)もこちらに分類されている。

ガンマプロテオバクテリア綱

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Pseudomonas aeruginosa緑膿菌
Vibrio choleraeコレラ菌
Escherichia coli大腸菌
Methylococcus capsulatus

シュードモナス科、ビブリオ科、腸内細菌科など医学的に重要で著名な細菌群が多数含まれている。その他紅色硫黄細菌もこちらに分類されている。

デルタプロテオバクテリア綱

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硫酸還元菌と硫黄還元菌がこの綱の主要な構成グループである。この他様々な好気、嫌気性菌が含まれている。この綱に属す粘液細菌 (Myxococcales) は風変りな細菌で、飢餓状態に陥るとあたかも粘菌のように集合し、子実体を形成する。ゲノムサイズが大きく、Sorangium cellulosumは1300万塩基対という出芽酵母を上回るゲノムを持つ。

硫酸還元細菌の一種Desulfovibrio vulgaris
粘液細菌の一種Myxococcus xanthusの子実体。およそ10万の細胞が組織化している

イプシロンプロテオバクテリア綱

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Campylobacter jejuni

らせん菌または歪曲形をした微生物で、殆どがヒトを含む動物の共生体ないし病原体である。ただし、熱水噴出口から見つかったものも存在する。培養が比較的難しく、プロテオバクテリア門の中では最もよく分かっていない。

ゼータプロテオバクテリア綱

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フィルミクテス門

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グラム陽性でDNA中のGC含量が55%未満(#アクチノバクテリア門は55%以上)の細菌群(ただしグラム陰性に染まる種も散在する)。グラム陽性菌門、低GCグラム陽性菌門などとも呼ばれる。広い範囲に芽胞形成能力を持つ種を含み、この状態になることで熱、乾燥、消毒剤、放射線などに強い耐性を示す。今のところ大まかにいって偏性嫌気性菌がクロストリジウム綱、通性/偏性好気性菌がバシラス綱に分類されているが、それぞれ単系統でないと指摘されており、今後大きな再編がありうる。クロストリジウム綱には光合成細菌も1科(ヘリオバクテリア)含まれている。

細胞壁を欠きグラム陽性に染まらないマイコプラズマ類(モリキューテス綱、モリクテス綱)は塩基配列の相同性によりフィルミクテス門に含まれることがあるが、独立の門とする場合が多い。ネガティウィクテス綱はクロストリジウム綱から分かれる形で2010年新たに設定されたもの、嫌気性でグラム染色ではグラム陰性に染色されるが、外膜を持たないためグラム陽性菌の系統と分かる。この門は16S rRNA系統解析により設置されており、ヘリオバクテリアなど一部のグラム陰性菌はクロストリジウム綱に残留した。

その他、エリシペロトリクス綱(哺乳類や鳥類に分布する通性嫌気性菌)、テルモリトバクテル綱(鉄を還元する偏性嫌気性菌)についても、それぞれ16S rRNA配列の相違により他の綱と区別された。

バシラス綱

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フィルミクテス門のうち、好気性・通性好気性の属が主に分類されている。芽胞を形成するものもしないものもいる。バシラス綱と名づけられているが、球菌も少なくない。

Bacillus cereusセレウス菌
Listeria monocytogenesリステリア・モノサイトゲネス
Lactobacillus(乳酸桿菌)
Streptococcus pyogenes化膿レンサ球菌

クロストリジウム綱

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フィルミクテス門のうち、偏性嫌気性の属の大部分がクロストリジウム綱に分類される。大半の属が芽胞形成能力を持つ。ヘリオバクテリアなどグラム陰性の科も一部含む。

Clostridium botulinumボツリヌス菌
Clostridium tetani破傷風菌

ネガティウィクテス綱

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グラム陰性菌の一群。他のグラム陽性菌と同様、外膜を欠損する。偏性嫌気性。

モリクテス綱

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エリシペロトリクス綱

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血液寒天培地上のErysipelothrix rhusiopathiae

通性好気性または偏性嫌気性。芽胞や鞭毛を形成しない。

テルモリトバクテル綱

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鉄を還元する偏性嫌気性菌Thermolithobacter1属のみ含む。

アクチノバクテリア門

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グラム陽性でDNA中のGC含量が55%以上(おおむね70%付近)の細菌群。いわゆる放線菌(菌糸と胞子を形成し、偏性好気性)を中心に近縁群をまとめたもので、抗生物質を始めとした生理活性物質を合成する種が多数含まれる。アクチノバクテリア門、放線菌門、高GCグラム陽性菌門などと呼ばれる。

トーマス・キャバリエ=スミスを始めとした一部の研究者は、アクチノバクテリアとネオムラ古細菌+真核生物)が姉妹群であると主張している。実際にアクチノバクテリアは他の真正細菌と異なるいくつかの特徴を持っており、この群から抗生物質耐性と高熱への適応を経たのがネオムラだとしている。しかしながらそれ以外の違いが大きいためこの説は広く受け入れられていない。

アクチノバクテリア綱

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アクチノバクテリア亜綱

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プランクトミケス門

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複雑な形態を持つ好気性細菌。広い水系に生息する。ペプチドグリカンを欠くこと、発芽により増殖すること、細胞内に核膜様構造を持つなど特異な形質を持つ。未記載ではあるが、嫌気的にアンモニアを酸化する種が含まれる。

プランクトミケス綱

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フィシスファエラ綱

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クラミジア門

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Chlamydia trachomatis(茶色部分)

動物や原生生物の細胞内に共生する特異な細菌群。細胞が非常に小さいうえ、独自のエネルギー生産系を持たず、真核生物の細胞内で増殖する。人に対して病原性を示す

クラミジア綱

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スピロヘータ門

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Treponema pallidum梅毒トレポネーマ)

らせん形をした細長い形態が特徴の細菌群。エンベロープ(被膜)内に鞭毛を持ち、菌体そのものをくねらせて移動する。広い水系に分布するほか、一部は昆虫の共生生物、人の病原体としても存在する。

スピロヘータ綱

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フィブロバクター門

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主に反芻動物の反芻胃(他の哺乳類にも存在する)でセルロース分解を担っているFibrobacter1属2種のみを含む。偏性嫌気性で、セルロースを分解してコハク酸酪酸酢酸ギ酸などを生成する[11]

フィブロバクター綱

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アキドバクテリア門

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Acidbacterium

難培養性で、好酸菌や水生の動物内を中心に7属8種が分離されているのみ。しかしながら広い環境、特に土壌から相当数の16S rRNA遺伝子クローンが検出されており、かなり大型の門になる可能性がある[12][13][14][15]

アキドバクテリア綱

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ホロファガ綱

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綱所属未定

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  • 綱所属未定 (Subdivision3)
    • Bryobacter

バクテロイデス門

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グラム陰性菌。細胞膜スフィンゴ脂質を含む。ほぼすべての種が従属栄養性。桿菌またはらせん菌で、多くは鞭毛を持たず、滑走により運動するか不動性の種が多い(ただし鞭毛を持つ種もいないわけではない)。人に対して病原性を示す種は少ないが、日和見感染症の原因となることがある。16S rRNA系統解析により以下の3綱に分けられている。

バクテロイデス綱は偏性嫌気性で、腸内細菌として重要。人腸内ではフィルミクテス門と並び最優位のグループである。フラボバクテリア綱、スフィンゴバクテリア綱は偏性または通性好気性で、海洋、土壌、廃水処理系に広く分布する。クロロビウムフィブロバクター門に近縁で、スフィンゴバクテリア (Sphingobacteria)と呼ばれるクレードに含まれる。

バクテロイデス綱

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Bacteroides fragilis

フラボバクテリア綱

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スフィンゴバクテリア綱

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不明な系統

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  • 綱所属未定
    • 目所属未定
      • 科所属未定
        • Fulvivirga - Marinifilum - Prolixibacter - Toxothrix

フソバクテリア門

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Fusobacterium novum

嫌気性の桿菌で、動物の消化器官などに存在。人に対して病原性を持つ種も存在する。

フソバクテリア綱

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ウェルコミクロビウム門

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土壌および多様な水系、動物や原生生物の共生体として発見される。存在量は多いと考えられるが、培養不可能な種が多くまだよく分かっていない[16]。系統的にはレンチスファエラ門やクラミジア門に近接すると考えられている。

ウェルコミクロビウム綱

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オピタタス綱

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ディクチオグロムス門

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2008年現在、熱水泉と板紙工場で発見された嫌気性好熱菌であるDictyoglomusの1属2種のみが知られている。植物の細胞壁構成成分であるキシランの資化能を持つ。

ディクチオグロムス綱

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ゲマティモナス門

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リン除去用活性汚泥システムから発見されたGemmatimonas aurantiacaの1属1種のみ。ポリリン酸を蓄積する。

ゲマティモナス綱

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レンティスファエラ門

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海岸、糞便などから分離。培養不可能な種が多く、まだよく分かっていない。海洋などに広がると考えられる。

レンティスファエラ綱

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シネルギステス門

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グラム陰性桿菌、嫌気性。動物の消化器官や嫌気性の廃水処理設備などから見つかるグループ。一部の種は動物の感染症に関連するとみられる。何れも偏性嫌気性菌で、アミノ酸、ペプチドまたは、脂肪酸の発酵を行う(一部の種は硫黄を還元する)。

シネルギステス綱

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テネリクテス門

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Spiroplasma

マイコプラズマ及び近縁な細菌より成る分類群である。真核生物動物植物)の寄生生物として存在し、多くの場合寄生生活のためステロールなどの複雑な栄養要求性を示す。ゲノムサイズが小さく0.58-1.4Mbp、GC含率も低いことが特徴で、18-40%程度。何れもかなり極端な値を示している。ペプチドグリカン細胞壁を欠くためグラム染色できないが、外膜を所持しておらず、系統的にもグラム陽性菌、特にフィルミクテス門に近縁という。#フィルミクテス門に含める場合もある。

モリクテス綱

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カルディセリクム門

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2007年に小谷温泉より発見。未培養だったOP5と呼ばれる系統に相当するとみられる。嫌気好熱グラム陰性の従属栄養細菌[23]

カルディセリクム綱

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エルシミクロビウム門

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グラム陰性、嫌気従属栄養性。2008年にPachnoda ephippiataと呼ばれるハナムグリの幼虫から報告されたElusimicrobium minutum1属1種のみを含む。この系統を含むグループは、最初シロアリ後腸から発見されたため、Termite group 1、あるいはTG1門と呼ばれることもある。既にゲノム解析も2例行われた[25][26]

エルシミクロビウム綱

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アルマティモナス門

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グラム陰性、好気従属栄養性。2011年に提唱されたもので、かつて難未培養細菌と呼ばれたOP10系統とみられる。ヨシの根圏、火山性土壌などから分離されている。[27][28]

アルマティモナス綱

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クトノモナス綱

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関連項目

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参考文献

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  • 井上勲『藻類30億年の自然史(第2版) - 藻類から見る生物進化・地球・環境』東海大学出版会、2007年。ISBN 978-4-486-01777-6 
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[[Category:真正細菌]] [[en:List of Bacteria genera]] [[zh:細菌分類表]]

Sulfolobus sp.(古細菌ドメインクレンアーキオータ界クレンアーキオータ門テルモプロテウス綱スルフォロブス目スルフォロブス科スルフォロブス属)

本記事は、古細菌の全分類群の一覧である。

古細菌は、他生物とは進化系統や細胞膜が大きく異なることから、3ドメイン説において生物の最上位のタクソンに位置付けられる。分離の困難さや進化速度の遅さなどの要因により、真正細菌(約10000)や真核生物(数100万)と比較して種の数は限られるものの、これまで高熱や強酸、高塩、嫌気的環境などの極限環境を中心に、約100属320種の古細菌が発見されてきた。

古細菌の学名国際細菌命名規約に従い命名される。従って、厳密には細菌学名承認リストまたはIJSEMに記載された学名のみが有効である。分類は形状や生化学的性質よりも、DNARNAによる系統解析が重要視される傾向がある。

なお、一部の未記載種についても引用符をつけて掲載する。

概要(ドメインから綱まで)

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古細菌の系統樹の一例[1](破線はリボソームRNA配列など他のデータによる)

メタン菌。水素やギ酸を利用。動物の消化器官から水田、沼地、熱水噴出孔まで幅広く分布。細胞壁はシュードムレイン(グルム陽性)。

  • メタノバクテリウム目/Methanobacteriales
    • メタノバクテリウム科/Methanobacteriaceae
      • MethanobacteriumAL
        • Methanobacterium formicicum - M. aarhusense - M. alcaliphilum - M. beijingense - M. bryantii - M. congolense - M. espanolae - M. ivanovii - M. oryzae - M. palustre - M. subterraneum - M. thermaggregans - M. uliginosum - M. veterum
      • Methanobrevibacter
        • Methanobrevibacter ruminantium - M. acididurans - M. arboriphilus - M. curvatus - M. cuticularis - M. filiformis - M. gottschalkii - M. millerae - M. olleyae - M. oralis - M. smithii - M. thaueri - M. woesei - M. wolinii
      • Methanosphaera
        • Methanosphaera cuniculi - M. stadtmanae
      • Methanothermobacter
        • Methanothermobacter thermautotrophicus - M. defluvii - M. marburgensis - M. thermoflexus - M. thermophilus - M. wolfeii
    • メタノテルムス科/Methanothermaceae

メタン菌。水素やアミン類を利用。海洋や熱水鉱床、醗酵物など。細胞壁はS層(たんぱく質)。

Methanosarcina barkeri

メタン菌。水田や動物の消化器官などに生息。比較的低温に適応。酢酸を利用できる種が多い。

Halobacterium salinarum NRC-1

いわゆる高度好塩菌。塩湖・塩田などに分布。好気・光/化学合成従属栄養。

  • ハロバクテリウム目/Halobacteriales
    • ハロバクテリウム科/Halobacteriaceae
      • HalobacteriumAL
        • Halobacterium salinarum - H. jilantaiense - H. noricense - H. piscisalsi
      • Haladaptatus
        • Haloaptatus paucihalophilus - H. cibarius - H. litoreus
      • Halalkalicoccus
        • Halalkalicoccus tibetensis - H. jeotgali
      • Halarchaeum
        • H. acidiphilum
      • Haloarcula
        • Haloarcula vallismortis - H. amylolytica - H. argentinensis - H. hispanica - H. japonica - H. marismortui - H. quadrata
      • Halobaculum
        • Halobaculum gomorrense
      • Halobiforma
        • Halobiforma haloterrestris - H. lacisalsi - H. nitratireducens
      • HalococcusAL
        • Halococcus morrhuae - H. dombrowskii - H. hamelinensis - H. qingdaonensis - H. saccharolyticus - H. salifodinae - H. thailandensis
      • Haloferax
        • Haloferax volcanii - H. alexandrinus - H. denitrificans - H. elongans - H. gibbonsii - H. larsenii - H. lucentense - H. mediterranei - H. mucosum - H. prahovense - H. sulfurifontis
      • Halogeometricum
        • Halogeometricum borinquense - H. rufum
      • Halogranum
        • H. rubrum
      • Halomicrobium
        • Halomicrobium mukohataei - H. katesii
      • Halonotius
        • H. pteroides
      • Halopelagius
        • H. inordinatus
      • Halopiger
        • Halopiger xanaduensis - H aswanensis
      • Haloplanus
        • Haloplanus natans - H. vescus
      • Haloquadratum
      • Halorhabdus
        • Halorhabdus utahensis - H. tiamatea
      • Halorubrum
        • Halorubrum saccharovorum - H. aidingense - H. alkaliphilum - H. arcis - H. californiense - H. chaoviator - H. cibi - H. coriense - H. distributum - H. ejinorense - H. ezzemoulense - H. kocurii - H. lacusprofundi - H. lipolyticum - H. litoreum - H. luteum - H. orientale - H. sodomense - H. tebenquichense - H. terrestre - H. tibetense - H. trapanicum - H. vacuolatum - H. xinjiangense
      • Halosarcina
        • Halosarcina pallida - H. limi
      • Halosimplex
        • Halosimplex carlsbadense
      • Halostagnicola
        • Halostagnicola larsenii - H. kamekurae
      • Haloterrigena
        • Haloterrigena turkmenica - H. daqingensis - H. hispanica - H. jeotgali - H. limicola - H. longa - H. saccharevitans - H. salina - H. thermotolerans
      • Halovivax
        • Halovivax asiaticus - H. ruber
      • Natrialba
        • Natrialba asiatica - H. aegyptia- H. chahannaoensis - H. hulunbeirensis - H. magadii - H. taiwanensis
      • Natrinema
        • Natrinema pellirubrum - H. altunense - H. ejinorense - H. gari - H. pallidum - H. versiforme
      • Natronoarchaeum
        • N. mannanilyticum
      • Natronobacterium
        • Natronobacterium gregoryi
      • Natronococcus
        • Natronococcus occultus - H. amylolyticus - H. jeotgali
      • Natronolimnobius
        • Natronolimnobius baerhuensis - H. innermongolicus
      • Natronomonas
        • Natronomonas pharaonis - N. moolapensis
      • Natronorubrum
        • Natronorubrum bangense - H. aibiense - N. sediminis - H. sulfidifaciens - H. tibetense
      • "Haloalcalophilium"
        • "H. atacamensis"
酸性の坑内排水

好気性の好酸菌。細胞壁が無く、細胞融合性を持つことが特徴。硫黄孔、陸上の温泉などに分布。

超好熱菌。何れも硫黄依存又は発酵性の嫌気従属栄養菌。海洋熱水噴出孔などに分布。

  • テルモコックス目/Thermococcales
    • テルモコックス科/Thermococcaceae
      • Thermococcus
        • Thermococcus celer - T. acidaminovorans - T. aegaeus - T. aggregans - T. alcaliphilus - T. atlanticus - T. barophilus - T. barossii - T. celericrescens - T. chitonophagus - T. coalescens - T. fumicolans - T. gammatolerans - T. gorgonarius - T. guaymasensis - T. hydrothermalis - T. kodakarensis - T. litoralis - T. pacificus - T. peptonophilus - T. profundus - T. sibiricus - T. siculi - T. stetteri - T. thioreducens - T. waiotapuensis - T. zilligii
      • Palaeococcus
        • Palaeococcus ferrophilus - P. helgesonii
      • Pyrococcus
        • Pyrococcus furiosus - P. glycovorans - P. horikoshii - P. woesei
油田

超好熱菌。硫酸還元菌。微弱なメタン生成能有り。油田鉱床などに分布。

メタノピュルス綱

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ファイル:Arkea.jpg
Methanopyrus kandleri

超好熱性のメタン菌。水素を利用。海底熱水噴出孔。生育限界は120℃を超える。

  • メタノピュルス目/Methanopyrales


エオサイト界とも呼ばれる。殆どが超好熱菌または好熱好酸菌(スルフォロブス目)で、陸上温泉や海洋熱水系から分離される。原核生物の細胞分裂に関与するFtsZ分裂リング関連遺伝子の多くを持たず、一部を除き真核生物型のヒストンを持たない。なお伸長因子1αや大量データによる系統解析、rRNAのオペロン構造などから、真核生物がこの系統から派生した可能性が議論されている。後述のタウムアーキオータを含む可能性もある。

テルモプロテウス綱

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"Sulfolobus tengchongensis"
Ignicoccus hospitalis

"Cenarchaeum symbiosum"などのゲノム情報に基づいて2008年に提唱された門[2]。クレンアーキオータに含まれていた海洋性の古細菌(marine group 1 Crenarchaeaota)及び亜硝酸古細菌 (AOA:Ammonia-Oxidizing Archaea)がタウムアーキオータに分類された。系統的にはクレンアーキオータの深い部分から分岐したと見られ、低温への適応など他のクレンアーキオータとは異なった性質を持つ。培養が困難で純粋培養は"Nitrosopumilus maritimus"のみであり、2009年時点では記載種を含んでいない。

"Korarchaeum cryptofilum"

超好熱菌。イエローストーン国立公園の熱水底泥から検出された16S rRNA配列から前述の2界に属さない古細菌の存在が推測され提唱されたもの[6]。純粋培養はされていないが、2008年にゲノム自体は解読されている[7]。クレンアーキオータにやや近縁ともされる。

  • "Korarchaeum cryptofilum"


メタゲノム解析により地下320mの金鉱から発見された好熱菌。ユビキチン-プロテアソームシステムに必要な遺伝子を持つ[8]

写真右下が"Nanoarchaeum equitans"

超好熱菌。Ignicoccusの表面に共生[9]しており、こちらも純粋培養はされていない。ユリアーキオータに含まれる可能性がある。2003年にゲノム解析自体は終了。ゲノムサイズは全古細菌中最小である(49万885塩基対[10]

関連項目

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参考文献

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