今は亡き友に薦められて聴くようになったニューオリンズ・ジャズ。その彼がよく聴いていたものの一つが、1920年台後半のサッチモの演奏集です。その演奏集は、LPレコードで5枚ほどだったでしょうか。それを彼の部屋でよく聴かされました。
今から100年程前の古い録音ですが、サッチモの歴史的名演奏の数々を聴くことができます。これらの演奏は、実に力強く、スピリチュアルで聴く者は生きる意欲をいただくことができるような気がしてきます。その中から、
Louis Armstrong :”Tight Like This”(録音:Chicago, 12.12. 1928。)
「Tight Like This」: アール・ハインズのピアノ・ソロの後のルイの演奏。動画の(1:25)頃から。ルイのトランペットの次第に高まりゆく演奏の素晴らしさ。その力強く、はち切れんばかりの躍動感。短い時間の演奏ですが、時間の制約を超えて鳴り響いているような音楽です。しかし、録音時間の制限が惜しく、もっと演奏をたっぷりと聴きたい! とつい思ってしまうのが人情です。音楽する喜びの溢れたスピリチュアルな演奏。制限ある時間内に、ひたすらに精一杯鳴き続けるセミのようです。
サッチモ:タイト・ライク・ジス(Louis Armstrong - Tight Like This - Chicago, 12.12. 1928)
★「いろはの音楽の部屋」は、わたし自身が好きな音楽を聴くために作った部屋です。
1920年台後半のサッチモの演奏集については、下のリンク記事をご参照ください。