「南信州民俗芸能フェスティバル」が1月26日、鼎文化センター(飯田市鼎上山)で開かれた。今年で3回目。主催は南信州民俗芸能推進協議会。
同フェスは2022年、「和合の念仏踊」「新野の盆踊」(以上、阿南町)を含む「風流踊(ふりゅうおどり)」がユネスコ無形文化遺産に登録されたのを記念し阿南町で初開催。今回は、長野県内で継承されている歌舞伎、能楽、人形操りの「三番叟(さんばそう)」のうち、国や県の文化財に指定・選択されている「三番叟」をテーマに開いた。
メインイベントの芸能上演では、大鹿歌舞伎保存会(大鹿村)、早稲田人形保存会(阿南町)、今田人形座(龍江)、黒田人形保存会(上郷)、古田人形芝居保存会(箕輪町)、湯原神社式三番保存会(佐久市)、親沢人形三番叟(さんばそう)保存会(小海町)の6団体が出演。歴史や特徴を解説し、実演や映像を交え披露した。
基調講演では、国学院大学の小川直之名誉教授が「三番叟と式三番(しきさんば)」について、同協議会アドバイザーの櫻井弘人さんが「信州の三番叟」をテーマに、それぞれスライドを交え解説した。
当日は、同協議会が昨年募集した「南信州民俗芸能キャラクター」も発表。採用されたのは、同芸能ファンクラブ会員で、新潟の大学でデザインを学ぶ並木愛佳(まなか)さんの作品「イノリ」。並木さんには賞状と盾が贈られた。
受賞後、並木さんは「祭りは、私たちの生活が続くように願いを込める大切な行事。南信州民俗芸能の『祈り』と『舞』をイメージし、祭りの温かさや優しさが伝わるよう心を込めて制作した」と、デザインしたキャラクターに込めた思いを紹介した。
駒ケ根から足を運んだ福澤友美さんは「団体によって力を入れている部分が違ったり、個性があったりして楽しめた。人形の三番叟は見たことがあるが、人が演じる三番叟は初めてで感動した」と話す。
同協議会の平松三武会長は「風流踊や歌舞伎、人形浄瑠璃などさまざまな伝統芸能が南信州地域に残っている。イベントを通じて興味や関心を持つ人が増えるとうれしい」と期待を込める。