プロジェクト709-即興でサーバーを自作してみた
ようやくこのプロジェクト709、自作サーバーフェーズまでやってきました。
私の一番好きなフェーズなのです。
ちょっと過去をおさらいさせてもらいますと、
以前、このような自作のラックマウント可能な1Uハーフサーバーをつくりました。
これはシャーシをゼロから自社で設計して金属加工会社にお願いしてつくったものです。
はてなさんのサーバーを強く意識したモデルで、幾度ものプロトタイプを経て完成した堅牢性の高いシャーシです。
この自作1Uハーフサーバーはいろいろこだわり部分がありました。
・すべてのパーツを1U におさめるための厚さ検証。
・シャーシのたわみを最小限に抑える薄くて丈夫な板金加工。
・高熱にさらされても歪まない素材。
などなど...
これらを実現していく上で、犠牲にしたのは多大な時間です。
時間を費やしたということは人件費を費やしたということです。
つまり、おおくのお金がかかりました。
しかし最終的な結論は”継続開発をあきらめる”でした。
そして自作ラックマウントサーバーをあきらめる - 怒涛のSyntax Error ←参照
※でもこれに至るまでに得た経験・ノウハウはプライスレスですよ。
次なるサーバーを設計するにあたり、
自作1Uハーフサーバーのようにもう多大な時間をかけることはできません。
プロジェクト709本稼働が目前にせまった今、
いかに安く・早くできるかに重点を置いて
設計してみたいと思います。
そこで参考にさせて頂いたのは、やはりpixvpixivさん。
http://dev.pixiv.net/archives/2010-07.html?p=2
不要(コストも)なもの一切排除したサーバー設計。このアプローチは
個人的に大好きです。さっそくこれを強く意識した形を取ることにし、
サーバー設計の方向性をざっくり定めてみました。
”時は金なり”をモットーに素早く作成可能なパーツ構成にする。
→ どこでも・いつでも手に入るパーツを使う。(汎用品=欠品しづらい・価格競争で安い・加工がいらない)
すべてのパーツは入れ替え可能であること。
→ このCPUはあっちのサーバーには合わないとか、
このメモリはあっちのサーバーに合わないとかをやめる。
なるべく、長い命を与えてあげる。
→ これちょっと深い。
マザーの規格はなるべく新しいものを選ぶ。
失敗して、IDCに移さなくちゃならなくなった場合に
ラックマウント不可能な構成にしない。
→ 以前つくった1Uシャーシに移植可能な構成にする。
パーツの値段にはこだわる。
→ 1世代前とかの値段がこなれたパーツを選ぶ。
でもNICだけは最高級品にする。
保守契約は無くて当然。パーツのストックを。
→ DISK壊れれば捨てる。メモリ壊れれば捨てる。
→ パーツは潤沢に保持。一度の注文でロット買いする。
IntelAMT対応製品のみにする。
→ 未検証。どうなんだろう。
これらの方向性を意識して、パーツは後からじっくり選ぶとし、
まずやるべきことはパーツを置く台(シャーシ)です。
そこで気になっていた製品があったので、ためしに一つ注文してみました。
画像を拝借します。
ソース:DIGITALCOWBOY様
http://www.digitalcowboy.jp/products/acpcd2c/index.html
この商品、キャッチフレーズが「魅せる、バラック」
マニアであればイチコロなフレーズですね。
んんー。
なんかちょっと電源がそびえ立ってますねぇ。
これだと無駄にスペースを食ってしまいそうなので、プロジェクト709での使用は見送りましょう。
でも会社の経費がもったいないのでこのケースは自宅に持ち帰ることにします。
さて次なる候補探しですが、
pixvpixivさんのサーバーはベニア板の上にパーツをレイアウトしているようです。
それならばということで東急ハンズで見つけたものがMDF合板というシロモノ。
サイズもちょうどよさそうです。
早速パーツをレイアウトしてみました。
適当に買ったのにジャストフィッティング!(加工もなし)
この板1枚で250円也
でもただ板に置いただけだとマザーボードが自重でたわんでしまうんですよね。
ほらこんなに。
しかもちょっと傾けたらスルスルっと板からマザーが落ちてしまいます。
これだとパーツをレイアウトして使用するのは不可能。やはりシャーシ(板)に固定しないとダメですね。
そこで調達してきたパーツはコレ↓
マザーボードの足にする小物
これらを合体させると・・・・
すると・・・・
あ、
この板をサーバーケースと呼ぶならば、
今回作成したサーバーケースの原価は約800円です。
実用に耐えうるかはやってみなくてはわかりません。
でも多分、pixvpixivさんのベニアとそんなに変わらないからだいじょうぶだと思います。
今回の自作サーバーは前回の1Uハーフサーバーに比べて、構想にもコスト的にも
比べ物にならないくらい手が込んでいませんが、サーバーとしての役割は果たしてくれそうです。
今回決定したサーバーの設計方針にしたがったパーツの詳細は次回にレポートするとして、
これ片づけないと・・・・