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漫画『賭ケグルイ』の見所を全巻ネタバレ紹介!狂気の美少女に引き込まれる!

更新:2021.12.19

ギャンブルに狂った少女。そんな彼女は、猛者だらけの学園へと足を踏み入れるのです。頭脳戦、心理戦、そしてイカサマが展開されるこの学園では、いったい何が起きる!?スリル満点なやり取りから、目が離せません! 2017年、2018年にアニメ化した本作『賭ケグルイ』。2018年にはテレビドラマ化もされ、さらに2019年5月には、オリジナルストーリーで実写映画化もされました。そんな注目の本作の見所、そして全巻分の内容をご紹介しましょう。

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『賭ケグルイ』の魅力とは?

『賭ケグルイ』はシリーズ単行本の累計470万部を突破し、アニメ化や実写ドラマ化もされました。2020年7月の時点での単行本は13巻まで発売されています。

◎「賭ケグルイ」の魅力

・特殊な世界観

名門・私立百花王学園。この学園には階級制度が存在します。生徒会を頂点とするこの学校は「ギャンブル」に支配されています。ギャンブルに勝つ勝負強さは「優秀」とされギャンブルに勝ち続ける者は学院内での優劣が高くなっていくのです。ギャンブルがすべてといった特殊な世界観に王道の学園ものが絡むのでより楽しんでその世界観を楽しむことができます。

・個性豊かな登場人物たち

本作に登場するキャラクターは皆個性的で転校生として登場する主要キャラの「蛇喰夢子」は一見美人で口調も優しそうな女性なのですが、ギャンブル中に負けるか勝かの瀬戸際にそのスリルに興奮してしまうらしく周りが引いてしまうほどの状態になってしまうなど、作品の序盤から驚く内容ばかりなのです。

特殊な世界観と共に繰り広げられる人間の心理状態や個性豊かなキャラクターの表情だったりなど物語の行く末に目が離せません。

漫画『賭ケグルイ』が無料!見所を最新10巻まで全巻ネタバレ紹介【2019年5月映画化】

ギャンブルに狂った美少女が、猛者たちの集まる学園でその才能を発揮する本作。

心理戦やルールにのっとった面白さ、イカサマの妙、ただ純粋にギャンブルを楽しみたいという気持ちとそれだけではないような主人公のミステリアスさ、人々の思惑に引き込まれる作品です。

著者
河本ほむら
出版日
2014-10-22

「月刊ガンガンJOKER」で連載されており、ギャンブルの勝敗のスリルや、登場人物たちのキャラの濃さでも人気の作品です。特に早乙女芽亜里(さおとめ めあり)と生志摩妄(いきしま みだり)はそれぞれ『賭ケグルイ双』、『賭ケグルイ妄』というスピンオフ作品も刊行されるほどの人気を誇っています。
 

この記事では、そんな作品の魅力と全巻の見所をご紹介!アニメ化、実写化と話題の作品ですが、原作でしか味わえないよさを感じていただければと思います。

ネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください。

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漫画『賭ケグルイ』の加速する展開に引き込まれる!【あらすじ】

鈴井は、ギャンブルの強さがそのまま学校での権力になるという私立百花王学園に入学した少年。実写作品では高杉真宙が演じます。彼は性格がよく、この狂った学園に馴染みきれていない人物です。

勝負に負け続けた彼は「家畜」になり、人権はないものとして扱われていました。そんな時に学園にやってきたのが蛇喰夢子(じゃばみ ゆめこ)という少女。実写作品では浜辺美波が演じます。

美人でおしとやかな話し方の彼女ですが、ギャンブルをすると豹変。誰が自分を裏切ろうと、どれほどの大金を賭けようと、そのリスクが大きければ大きいほど快感を感じるのでした。

ここから、彼女が学園の才能を喰いつぶすストーリーが始まるのです……。

 


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出典:『賭ケグルイ』1巻

 

ギャンブルの愉しさに恍惚とする彼女の表情は、妖しくて引き込まれるものがあります。そう、彼女こそ「賭ケグルイ」なのです。

ひょんなことから彼女と友人になった鈴井は、彼女と行動をともにすることに。そして天性のギャンブラー夢子の「堕ちる寸前」の、スリル満点なギャンブルを目撃していくのです。

 

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漫画『賭ケグルイ』の怖すぎる設定ネタバレ:私立百花王学園

 

本作の舞台は、創立122年の名門学園、私立百花王学園。政財界権力者たちの子供が通うこの学園では、勉強、スポーツなどの成績のよさでは見向きもされません。そこで必要とされるのはただひとつ、博才です。

未来の「人を使う」者となる人物たちを養成するこの学校では、駆け引きや心理戦での強さ、勝負どきの強さこそが権力に直結します。

そして、力を持つ者ばかりが集められた学園で頂点に立つことは、その後の社会での権力の確保にもつながるのです。そこには、若くしてさまざまな「賭ケグルイ」たちが集まっています。

 

著者
河本ほむら
出版日
2014-12-22

 

たかが学園の中のお遊びで終わらないのが、私立百花王学園での勝負。人生を賭けた勝負には、普通とは比べ物にならないほどのスリルがあります。

「裏をかく」猛者たちが集まるその舞台での物語は、読んでいるだけで背筋がヒヤリとする臨場感があるものなのです。

 

漫画『賭ケグルイ』の怖すぎる設定ネタバレ:学園の階級制度

 

勝ち負けがすべてのこの学園では、生徒会が賭場の整備と管理をする代わりに、生徒たちから「上納金」を受け取っています。この上納金は、実質強制の寄付金。その額の大きさは不定期で順位づけがおこなわれるのです。

そして、その順位の全生徒3000人のうち、下位100位以下になってしまうと「非協力的傾向生徒」、通称「家畜」となり、首からその証を下げて「ポチ」と呼ばれるようになってしまい、家畜としての扱いを受けます。絶対的な階級制度が敷かれた学園は、一度落ちた者には厳しい場所なのです。

『賭ケグルイ』の設定の根幹をなす、この階級制度。すべての生徒がこの一度乗ったら降りられない暴走機関車に乗せられ、日々いっときも気の抜けない学園生活を送ります。

想像しただけで胃が痛くなるようなプレッシャーですが、さらに恐ろしいのは「家畜」という身分の者への取り立て方法なのでした。

 

漫画『賭ケグルイ』の怖すぎる設定ネタバレ:「家畜」からの取り立て方法

 

お金がない家畜が、返済不可能なほどの額の借金を背負ってしまった場合、何を取り立てるのか。それは家畜たちの「人生」。一度家畜に落ちた者は一生を学園に管理され、配偶者までもが決められてしまうのです。

たとえば1巻で夢子に負けた早乙女芽亜里の「人生計画表」では、学園卒業後の進学大学や付き合う相手、大学卒業後すぐ結婚、翌年には男児を、翌々年には女児をもうけることなどが、自分の意思とは関係なく決められています。

ちなみに彼女は『賭ケグルイ双』の主役でもある重要人物なので、今後も注目していただきたいキャラクター。実写作品では森川葵が演じます。

そんな重要人物でさえ、一度はこの学園の闇に落とされました。そして、生徒会に楯突いたせいで目をつけられてしまった夢子も、1巻の終わりで約3億円もの借金を抱え、その「人生計画表」を受け取ります。

自分の人生が値段付けされるという屈辱と、自由がなくなってしまうという絶望感。「人生計画表」はひとりの人間から希望を根こそぎ奪う、恐怖の宣告なのです。

この学園では、成功すると卒業後の社会でも絶大な権力を確定されますが、少しでも道を踏み外すと、そこにはもう人としての人生は残されていません。この一寸先は闇という恐怖感が、本作のスリルを盛り上げているのです。

 

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漫画『賭ケグルイ』の怖すぎる設定ネタバレ:「公式戦」と「債務整理大集会」

ほとんど「詰み」の階級・家畜から這い上がれるチャンスに、「公式戦」と「債務整理大集会」というものがあります。

家畜は一度だけ、誰にでも少額でギャンブルを挑める権利があるのですが、そのなかでももっとも大きな一発逆転のチャンスが、生徒会との「公式戦」。慣例的におこなわれるこの勝負では、掛け金は上限なし。言い値で勝負を始めることができます。

そして借金を持った者なら誰でも参加可能なのが、生徒会がおこなう「債務整理大集会」。4人1組で賭けをおこない、1位になればその中でもっとも低い借金を肩代わりし、2位は2番目に低い借金を肩代わりする、と生徒たちの借金が「つけかわる」ギャンブル集会です。

一番借金が少ない人が1位になった場合は、借金がゼロになります。

著者
["河本 ほむら", "尚村 透"]
出版日
2017-02-22

 

一見優しそうな救済措置に思えますが、その実は生徒が生徒会以外から借りている借金を、生徒会だけに一本化することが目的。一見チャンスを掴めば誰しもお金持ちになれそうなシステムですが、すべての大元は生徒会に握られているのです。
 

そんな「賭ケグルイ」たちの権力でがんじがらめになったこの学園に、圧倒的な博才を持った美少女が革命を起こしていきます。

 

夢子のやばさに震撼!【1巻ネタバレ注意】

 

さて、ここからは各巻の見所をさらに詳しくご紹介していきます。

上記でこの学園の恐ろしさは十分のお伝えできたかと思いますが、本作はやはり夢子の狂いっぷりも大きな見所のひとつ。1巻では初出ということもあり、そのインパクトの強さで読者を作品に引き込んできます。

本巻でおこなわれたのは、投票ジャンケン、ダブル神経衰弱、伝統文化研究部のルーレットと丁半博打を合わせたゲーム。それぞれの見所をご紹介していきましょう。

 

著者
河本ほむら
出版日
2014-10-22

 

まず投票ジャンケンは、鈴井のクラスを支配する芽亜里との対決です。このゲームはクラスメイト全員にグー、チョキ、パーのどれかを書いた紙を投票してもらい、プレイヤーがその投票箱の中から3枚カードを引き、それでジャンケンをするというもの。

ちなみに、他の生徒たちが投票しているところは、対戦者たちは見られません。

『賭ケグルイ 双』の主人公である芽亜里は、最初こそクラスの支配者の美女という雰囲気ですが、この戦いに負けて800万の借金を背負って家畜に。しかし、その後はどちらかというと見ていて和むツンデレ少女になっていくので、そのギャップにも注目です。

その次はダブル神経衰弱。相手は多額の上納金を払って、1年生ながら生徒会入りした皇伊月(すめらぎ いつき)。すでに学園中の噂になっている夢子に、彼女自ら勝負を挑んできました。

ダブル神経衰弱とは2組のトランプを使い、マークと数字両方合っているもので初めてペアとなるというもの。伊月は、無利子で夢子に2000万を貸して勝利し、その後に再度勝負を申し込む夢子に、手足の爪をかけさせます。実は彼女、生爪を集めることが趣味だそうで……。

伊月はおもちゃ会社の令嬢で、それを活かしたイカサマをしています。しかし、やられてばかりではなく、夢子も常人とは思えないような技で応酬するのです。

最後は伝統文化研究部のルーレットと、丁半博打を合わせたゲーム。伝統文化研究部で借金をなくそうと、そこの部長である西洞院百合子(にしのとういん ゆりこ)と勝負します。

ツボに剣の形の駒をいれてシャッフル。それをルーレット盤に投げこみ、それがどの穴に刺さるかを予想してベットします。それだけではなく趣向を凝らしているのが、剣が上向きに自分の数字に刺さっていればプラス30倍、下向きにささっていればマイナス30倍のチップとなるというところ。

つまり剣の向きによっては、当たっていても自分が相手にチップを払う可能性もあるのです。そして勝負は、いきなり4000万円から始まります。

生徒会のひとりだということで、さまざまなトリック、裏設定があるのですが、それを一瞬で見極め、芽亜里のために怒る夢子は「人間としては上の上」です。まぁ、狂っているのですが。

しかし、百合子が窮地に陥った時、生徒会の面々がその部屋に現れ……。ずいぶん原始的なやり方ですが、夢子に借金を背負わせることになります。

ズブズブの学園での賭ケグルイ夢子の活躍が楽しみなる、息を持つかせぬ展開の1巻です。

 

勧善懲悪的な要素も面白い!【2巻ネタバレ注意】

 

1巻での生徒会による陰謀で大きな借金を抱え、家畜になってしまった夢子。人生計画表が送られてきて、彼女は債務整理大集会に参加することになりました。

それにしても、狂っているとわかってはいても、夢子の「ギャンブル中毒の負け猫」ポーズはくらっとくるものがありますね。やばいやつなのに顔はいいから……。そして、最後のおまけ漫画では芽亜里まで猫ちゃんになっちゃうので、ぜひお見逃しなく。

また、この巻からは『賭ケグルイ 妄』の主人子である生志摩妄も登場。彼女のやばすぎる狂いっぷり、スリルで感じちゃってる姿を見せられると、読者としてはドキドキしていいのか、気持ち悪がっていいのか、心の置き所に困ってしまいます……。

さて、そんな2巻まるまるすべてを使って描かれるのは、2枚インディアンポーカー。まずはそのルールをご説明します。

 

著者
河本ほむら
出版日
2014-12-22

 

ジョーカーと絵札を除いた40枚のカードを使う、このゲーム。ディーラーが4人の対戦者に1枚ずつカードを配ります。その後カードの内容を確認。2枚目に配られたカードを今度は自分は見ずに、額に当てて対戦者たちに見せます。

2枚の数字が同じになる「ペア」が最強、マークが同じ「マーク」が次点で、何も組み合わせができない「ブタ」が最下位となるルールです。同じ役の場合、数字の合計が多い方が勝ちとなります。

そして、さらに複雑なのが、色の異なるチップが10枚配られるということ。

実はこのゲームはチップの数自体はあまり関係なく、ゲーム終了後の合計額を競うのです。チップの価値はその人の借金を10で割った額。たとえば夢子は3億1千万の借金を負っているので、1枚3100万です。

借金の多い者が有利にならぬようゲームは10回おこない、それぞれの回のたびに手持ちのチップを1枚払います。もしチップがなくなった場合は他の手持ちチップで払い、一度にかけられるチップは5枚まで。チップが足りなくともベットとコール、レイズはできることとしています。

そして、このゲームで夢子は芽亜里と組むことにするのですが……。

もちろん、大人しく夢子がイカサマをするわけがありません。今回も意外と原始的なトリックで芽亜里と共闘したもののそれを相手に明かし、相手のイカサマも説明した後で、さぁ勝負しましょう、となります。

そして、そこからは心理戦。実は相手のふたりも手を組んでいたことがわかるのですが、横暴な男子生徒の特徴、彼との過去につけこみ、夢子はペアを組んでいる女子にゆさぶりをかけます。

そして、最後でのどんでん返し。この灯台下暗し的なトリックにはうならされるでしょう。

やはり何だかんだいいながらも、本作の魅力のひとつは勧善懲悪的な展開にありますね。主人公がやばい奴ではありますが汚い人物ではないので、ついつい引き込まれてしまうのです。

 

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妄と夢子の違いは何?【3巻ネタバレ注意】

 

前回の大集会で、借金がチャラになった夢子。しかし、彼女は生徒会へお金を返さず、家畜のままでい続けます。その目的は公式戦で会長・桃喰綺羅利(ももばみ きらり)と勝負すること。

しかし、綺羅利も夢子には何か考えがあるようで人生計画表を取り下げず、取り立てもおこなわないと言うのです。その目的は、秘書にすら想像がつきません。

そして今回明かされるのは、夢子の素性。生徒会の身辺調査から、彼女には大学病院に特別入院している姉がおり、その費用はすべて彼女がもっているということが明かされます。しかも彼女の両親は他界しており、現在ひとり暮らしだというのです。

謎多き夢子ですが、この家庭事情はどういう伏線になってくるのでしょうか?

そこまで調査されてるのを知ってか知らずか、彼女は綺羅利と公式戦ができることでウキウキ。しかし、その途中で妄に捕まってしまうのでした。

実は彼女は、自分と同じ「狂った部分」を夢子から感じ、それをたしかめるためにギャンブルをしようと申し込んできたのです。ギャンブルと聞いては、二の句も告げずにOKする夢子。

 

著者
["河本 ほむら", "尚村 透"]
出版日
2015-06-22

 

妄が提案してきたのは、ESPゲームというものでした。それは別室にいるディーラーがカードを5枚並べ、同室にいるふたりがそれぞれディーラーの手元が映し出されるモニターを見て、カードの並び順を予想するという内容です。

しかし、妄が賭けようと言うのはお金ではなく、銃の引き金を引くというもの。

お互いがそれぞれの銃に好きなだけ弾を込め、その2丁の拳銃をどちらがどちらかわからない状態にして箱の中に入れ、勝ったほうが箱から銃を選んで相手に打つという、ロシアンルーレットなのです。そして弾がでなければ、ゲーム再開という流れ。

あまりにも恐ろしく馬鹿馬鹿しい流れに、一緒に連れてこられた鈴井は帰ろうとするのですが、それに激昂した妄を見て、夢子はOKします。そこに「ゲームは多くとも3セットまで、ディーラーは鈴井がやること、負けた者は10億円支払うこと」という条件に追加します。

しかし、すべてのゲームに勝って引き分けを狙っていることに気づいた妄は、さらに「弾をはずしたら外した分だけ相手に撃たれる」という条件を追加します。

ここから、ついにふたりの命をかけたゲームが始まります。

その頃芽亜里は、綺羅利に呼ばれて彼女とお茶をすることになりました。そこで明かされたのは、学園の家畜制度は中世ヨーロッパの賭博制度をもとにしているということでした。

かつてヨーロッパではギャンブルを中止していたものの、革命の機運が高まった時に解禁し、市民のガス抜きをしていたそう。それを再現してみたくなった彼女ですが、そもそも昔は階級の差があり、それを覆される危険性を考えて、そのギャンブルの制度をつくっていたのです。

しかし、この学園では、家畜はずっと家畜のまま。芽亜里や夢子のように、家畜から這い上がる者はほとんどいなかったのです。彼らに何もできやしないと思った時、綺羅利は家畜制度の方針を「生かさず殺せ」というものにしました。

それが現在の人間扱いされず、一度落ちれば逆転は困難、果ては人生までをも決められてしまうという徹底した制度。「家畜」となった人物を人間とも思わいない、綺羅利の考えの原因だったのです。

芽亜里は、そんな彼女が運営する生徒会に誘われて……。

今回はいよいよ妄や綺羅利、生徒会メンバーが活躍する内容でした。3巻での妄と夢子の対決はイカサマ的にもそうですが、心理的に相入れないものがあるというのが明らかになっていく展開に引き込まれていきます。

同じ狂った者ではあるものの、ふたりにはある溝がありました。その様子はぜひ作品でお確かめください。どちらもやばい顔です。

 

夢子がアイドル、鈴井がプロデューサーに!?【4巻ネタバレ注意】

 

3巻で妄を倒したこと、芽亜里が生徒会に入ることを拒否したことなどを受け、綺羅利はどこかへ姿を消してしまいます。

もともと一枚岩ではなかった生徒会は、彼女の不在でそれぞれ勝手なことを言い始め、2年生で会長の座を狙う豆生田(まにゅうだ)が勝手に家畜に負けた役員たち、夢子への対応を決めようとします。

と、そこに口を出したのは夢見弖(ゆめみて)ユメミ。彼女は学園の2年生でアイドルとして活躍し、同時に生徒会の広報でもある人物です。

そんな彼女が、4巻では夢子の相手をします。ユメミは5000万円の掛け金の代わりに、夢子の人生計画表を賭けようとするのです。しかし夢子は、一方的にならないよう、ユメミがファンを嫌いだという証拠を録音し、その暴露をかけることにさせます。

夢子らしくないですが、これはあるメンバーが仕組んだことのようでした。

それを受けたユメミは、当初夢子とユニットを組むことを考えていましたが、自分の夢を汚されたと感じて激昂。人生計画表で夢子に枕をさせ、AVに出演させて、自分の清廉性を演出するための道具にしようというシナリオを書くことを考えていました。

 

著者
["河本 ほむら", "尚村 透"]
出版日
2015-12-22

 

そんな彼女は、自分のライブの後にユニット候補生のテストと称し、夢子を勝負の場に誘います。さまざまなミニゲームをおこない、勝利した場合は縦横3マスのマスを埋め、ビンゴになった方が勝ちというイベントを開催するのです。

そこでは最初は普通のゲームがおこなわれるのですが、第5ゲームで極限ババ抜き、第6ゲームで利きファンゲームというゲーム性の高いものがでてきます。

極限ババ抜きは、どちらかがジョーカーとエース2枚のトランプを持ち、相手がエースのみを持っておこなうババ抜き。つまり、エースを相手が引けばその次点で一気に勝ちが決まるという、シンプルながら極限の心理戦が楽しめるものだったのです。

利きファンゲームは、会場にいるなかからひとりを選び、その人の誕生月を当てるというもの。会場はユメミのファンで溢れており、休憩時間に彼らの誕生月を覚えた彼女にスキはありません。

どちらも単純で、後者に至ってはどうしようもないようにも思えますが、当初渡された企画書を見た時から夢子の作戦は始まっていたようで……。

具体的な勝負の内容は、ぜひ作品で。ちなみに、妙にアイドルプロデューサーのような視点で夢子を見ている鈴井は、さすがオタクといったところでしょうか。

 

綺羅利の影の人物が登場!【5巻ネタバレ注意】

 

ユメミとの戦いが終わる頃、綺羅利らしき人物は、何やら「各家御当主様お揃いです」と和服姿の女性に案内されて、怪しげな部屋にいました。

その頃会場では、ユメミを陥れようと、破り捨てられたファンレターと盗聴器を夢子に送った人物の犯人探しが始まります。そこで疑いがかけられたのは、豆生田でした。

彼はそこで、次期生徒会長候補としてそんなことはしない、とその場にいた学生に自らの意志を宣言します。この場を借りて、生徒たちに印象づけることに成功した豆生田。しかし夢子からすれば、それはどうでもいいこと。

彼女は豆生田に、ギャンブルで身の潔白を決めようと言うのです。さらに、拒否する彼に公式戦を申し込みます。てっきり綺羅利にその権利を使うものだと思っていた彼は焦るものの、勝てばいいのだ、と開き直るのです。

 

著者
["河本 ほむら", "尚村 透"]
出版日
2016-05-21

 

そこで勝負をすることになった時、ひとりの女生徒がディーラーに名乗り出ました。彼女は、いつも綺羅利につきしたがい、今回の姿を消した理由についても何か知っているような謎の人物。いつも仮面を被り、その正体は明らかになっていません。

彼女が提案したのは、選択(チョイス)ポーカー。これは普通のポーカーと同じく5枚の手札を各自1度だけチェンジし、その役の優劣を競うというものです。ただし、フォールドもコールもなく、ゲームを降りることも、掛け金をそのままにすることもできません。

対戦者ができるのは、ベットとレイズ。お金をかけるか掛け金に上乗せするしかなく、その掛け金も無限です。

そして、毎回より多額をベットした者が、ある権利を得ます。それは強い役が勝つか、弱い役が勝つかの選択権。これによって、手札の強さが真逆になってしまう可能性を含んでいるのです。

これはどう見ても、生徒会側に有利なルール。なぜなら普通のポーカーではお互いに自分の役の強さを化かし合いながら勝負できますが、このポーカーは資金のある者が常にルールを決定することができるという一方的なものだからです。

夢子は手持ちの3億1千万すべてを使って31枚のチップをもらいますが、豆生田は10億円分の100枚。まったく比べ物になりません。

最初は順調に勝つものの、夢子が計算外の行動に出るということを予測して、王道の選択をし続ける豆生田が勝負に出た彼女の手に乗らず、そのまま勝利してしまいます。

掛け金がなくなったところで、夢子は自分が生徒会長になりたがっているという噂をききつけて手のひら返しですり寄って来た伊月を呼びます。そして公衆の面前でいくらなら出せるか、と聞いてくるのです。

しかも、自分に生徒会長になってほしいのだろう、という爆弾発言つきで。もちろんそれを聞いた生徒会の豆生田は、今なら見逃すから、夢子と生徒会どちらを選ぶのかを高圧的に聞いてくるのです。

果たして伊月はどう動くのか、夢子はこの窮地をどう乗り切るのでしょうか。

また、この5巻では今後の展開に大きく関わってくるであろう、影の人物も登場。ますます先の読めない展開になってきました!

 

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綺羅利と清華の百合展開!?【6巻ネタバレ注意】

 

5巻で謎の仮面の女生徒が綺羅利だったことが明らかになり、彼女がディーラーを務めた勝負に夢子が勝利します。そして、やっと対峙したふたりは、常人には理解できないような会話をし始めるのです。

しかし、それに黙っていられなくなったのが、綺羅利の秘書で彼女に忠誠を誓っている清華。今まで綺羅利の謎の行動に振り回されてきた彼女ですが、自分が重要視してもらえない人間なのではないかと思い、綺羅利と何か通じ合うものがある夢子を倒すことで、再び彼女に近づきたいと考えたのでした。

ただ金を賭けるのでは面白くないということになり、夢子からギャンブルを、清華から綺羅利との関係を奪うことを賭けることになった、この勝負。それではあまりにも賭けるものが曖昧だということで、結局この勝負は、命をかけておこなわれることになりました。

 

著者
["河本 ほむら", "尚村 透"]
出版日
2017-02-22

 

そんなふたりの勝負を面白がった綺羅利は、ある塔へ案内します。そこは「扉の塔」。たくさんの扉が外壁についた、実用性も何もない、ただギャンブルのために作られた建物です。

この塔を登る方法のひとつは、さまざまな場所にある扉から入れるハシゴを使用すること、もうひとつは中央にある扉の中階段を使用することです。ハシゴは各階で行き止まりとなり、他のハシゴを使うしかありません。しかし中階段は、一気に最上階の5階まで行くことができます。

今回のギャンブルは5階から1階に降り、そこにある花を持って、また5階に戻ってくるというもの。それぞれ順番に5分ごとにひとつの扉を開くチャンスを与えられ、数多くある扉に表示される問題を解いて先に進みます。5分経てば扉は自動的に閉まる仕組みです。

なかなか綺羅利との勝負が始まらないなか、5巻で現れた綺羅利にそっくりな桃喰リリカという人物が怪しい動きをします。彼女は生徒会の副会長を務める人物なのですが、何やら秘密を持っているよう……。そして、この6巻で、学園ではまさかの大変革が起きてしまうのです。

清華との勝負、彼女と綺羅利の百合展開も見所でしたが、ストーリー全体での展開もどんどん大きいものになり、これからが楽しみです!

 

どんどん増えていく強敵たち。そしてリリカの正体は?【7巻ネタバレ注意】

 

6巻で学園の会長を決める総選挙をおこなうことにした綺羅利。自分の水槽とも言える学園の中を食い荒らす夢子という存在が現れたことで、その中をさらにかき回したいという欲求に狩られた彼女は、桃喰家の当主として分家の者たちを学園に呼び寄せます。

実は綺羅利は、当主として彼らをまとめられる立場にあり、選挙での勝者が一族の当主になるというエサをぶらさげて、この学園の勝負に介入させようとしていたのでした。

その分家の新キャラは8人いるのですが、巨乳枠はひとりだけ。この作品では夢子を目立たせるために、つるぺたっ子を集めているのでしょうか……。

何はともあれ、生徒会部員だけではそろそろネタ切れになる頃だったので、新キャラ投入でさらに盛り上がってきました。

 

著者
["河本ほむら", "尚村透"]
出版日
2017-06-22

実は、もともと百花王学園は名門校とはいえ、普通の教育機関でしかありませんでした。それに2年前、桃喰家の当主になった綺羅利が目をつけ、生徒会長として専制をしき、卒業生の人間関係や借金を自分のもとに一元化することで政財界への影響を瞬く間に大きくしていったのです。

そして今や学園の生徒会長の座は、学園内外に轟く権力の象徴。分家の者たちもそれが欲しくてたまらないのです。

今回の選挙を束ねるのが、リリカに連絡をとっており、つかみどころのない人物として裏でいろいろと動いている様子だった黄泉月(よもつき)るな。彼女は選挙管理委員長として、この選挙の内容を校内放送で説明します。

まず、この選挙は投票制ではなく、30日間の間にギャンブルでどれだけ勝ち、相手の票を奪ったかで会長が決まります。譲渡、売買、詐取は禁止されており、生徒ならば誰でも候補者たり得るというものなのです。

そんな総選挙が始まり、夢子は早速桃喰家の分家である蟲喰恵利美(むしばみ えりみ)に勝負を申し込まれます。しかし、そこに妄が介入してくるのです。いつもながら、夢子には一方的な気持ちを押し付け嫌がられていますが、3人で勝負をすることになります。

今回は、指切りギロチン。プレイヤーは全員穴に指を入れ、順番でそのギロチンに繋がれた紐を切っていきます。穴からより早く指を抜いた者の負けという、しごくシンプルなチキンレースです。

7巻の見所は、そんな夢子たちの勝負もありますが、謎の少女リリカがついに動き出したところではないでしょうか。この選挙で何やら考えがあるような芽亜里が、ついにその謎に触れてしまう展開になります。

さまざまな事実が明かされた7巻。ここからどんどん強敵が現れ、リリカの秘密が明かされていくのかと思うとワクワクしますね!

芽亜里が夢子の宣戦布告!?【8巻ネタバレ注意】

8巻では陰喰三欲(いんば みみよ)、陽喰三理(ようば みみり)が夢子に勝負を挑むことに。そこで夢子は鈴井に「お2人は私の遠い親戚 遠い血縁に当たる方々ですから」を説明するのです。綺羅利と何やらただならぬ繋がりを感じさせた夢子ですが、まさか桃喰家の親戚だったとは。過去の話が気になりますね。

さて、そんな三欲と三理は、実は百合子を負かした人物。しかし、何か公正ではない部分があったようで、今回の戦いには、るな本人がディーラーとして参加することになります。

となりで1対2で戦いに挑もうとする夢子を見ていた鈴井は、彼女を心配して、自分もこの勝負に参加すると宣言。夢子は、久しぶりに彼と一緒にギャンブルができることを喜ぶのです。

そんな彼女に、鈴井は自分にできることはあるか心配だと言いますが、それよりも今自分の腕に当たっている夢子の胸を気にしてもいいのでは……。それでいいのか、お年頃男子。

著者
河本ほむら
出版日
2017-08-22

 

そして4人ですることになった今回のゲームは、「ニム零式」。それは0から3までの数字が書かれたカードをそれぞれ10枚、計40枚使っておこなうものです。

ひとり4枚手札として持ち、それを順番に場に出していって、数字の合計が9を超えさせてしまった人の負けという、このゲーム。これだけではただの運ゲーになってしまうということで、ポーカーのようにベット、コール、レイズ、フォールドのベッティングが出来るというルールが追加されるのです。

負けた者は、降りていない全員に賭けた分の票を分配することになります。そして、ここからが雲行きの怪しいルール。鈴井のように1票しか持っていない者で、票がなくなってもコールしてもOKだと言うのです。勝った者たちに票を借金したことにしてゲームを続けられるという、新たなルール。

票の借金は、るなが校内放送で説明した時にはなかったものです。鈴井はいつか会長が言った「すべてギャンブルは合意に基づく」という言葉を思い出します。

しかし、今回は公正を期すためにやってきた、るな。鈴井はこの選挙システムを根本から変えかねないルールを自ら選挙管理委員長が言い出したことを疑問に思います。彼女たち委員会の言う「絶対中立」の立場に怪しいものを感じますね。

そんな鈴井の横で夢子は合意し、「この場を用意した彼女も満足していることでしょう」と言います。実はこの勝負を申し出てきたのは三欲たちではなく、副生徒会長だったのです。

その頃、その副生徒会長は、芽亜里に自分たちの味方になるよう強要していて……。

さまざまなところで思惑が入り混じっている8巻。果たして、この一連の流れは誰の目的によるものなのでしょうか。今回は夢子はお休みで、芽亜里の活躍巻となります。

芽亜里は最初かませ犬感がありましたが、メインキャラとしての風格が出てきましたね。特に自分の策略がうまくいた時のゲス顔は、なかなかの見所です。そして8巻の最後には、まさかの宣戦布告のような発言で読者を驚かせます。

その発言の真意とは何なのでしょうか?

 

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豆生田大活躍!選挙戦がさらに加熱する!【9巻ネタバレ注意】

 

本巻は、いきなり選挙の中間発表から始まります。まずは、そのランキングをご紹介しましょう。

 

  • 10位・蛇喰夢子(じゃばみ ゆめこ)
  • 9位・城丸穂露(じょうまる ほろ)
  • 8位・骨喰(ほねばみ)ミラスラーヴァ
  • 7位・陰喰三欲(いんば みみよ)
  • 6位・皇伊月(すめらぎ いつき)
  • 5位・尾喰凛(おばみ りん)
  • 4位・早乙女芽亜里(さおとめ めあり)
  • 3位・夢見弖(ゆめみて)ユメミ
  • 2位・等々喰定楽乃(ととばみ てらの)

 

1位、今後重要になってきそうな詳しい票数は、ぜひ作品でお確かめください。一応1位を隠していますが、読者の方であれば、展開的にわかってしまいそうですね。
 

 

著者
["河本ほむら", "尚村透"]
出版日

さて、ここまで戦ってきて、鈴井はこの選挙戦でのキモとなるルールに気づきます。まずは票の移動。これはギャンブルによってのみ可能ですが、逆に言えば出来レースであろうと賭けをしていれば認められるということ。文面上は禁止されていますが、実質的に表の譲渡や売買は可能なのです。

そして次は、票の借金。手持ちの票数以上を賭けてもよく、不足分は票を得るたびに貸し手に充足されるというルールは、ギャンブルの条件しだいではまったく票を持っていなくても大勝負ができ、8巻で芽亜里がやったように事実上相手をリタイアさせることもできるのです。

このように名目上のルールを理解し、本質的な意味を掴むことがこの勝負を握る鍵となります。もちろん夢子は、それを聞いても、その心理戦すらギャンブルであるなら楽しいと、一歩も引きません。怖い。

そして、予想以上のスピードで票を獲得し続ける1位の人物に追いつくため、定楽乃主催でギャンブルがおこなわれます。参加者は尾喰茨(おばみ いばら)、ミラスラーヴァ、伊月、そして伊月に人生を買われてしまった豆生田、夢子の5人です。

内容は「公共財ゲーム」というもの。

まず、ルールをご説明させていただきます。プレイヤーはゲームごとに銀貨5枚が支給され、それを受け取った後に、それぞれひとりずつ別室に移動。その別室には、全員が銀貨を入れることのできる「税金BOX」と、本人だけが銀貨を入れることのできる「私財ボックス」が設置されています。

対戦者はそれぞれの箱に自由に銀貨をいれ、内訳は本人にしかわかりません。全員が入れ終わった後に、選挙管理委員が箱の中をカウント。私財BOXの中にいれたものは本人の財産のまま、一方税金BOXの中のものは2倍にしたうえで、それを入れた全員に当分して配給されます。

まるで支払った税金が公共福祉として納税者に与えられるような仕組みから、「公共財ゲーム」と名付けられているのでした。

しかし、ここからが、このゲームのキモ。たとえ税金BOXに銀貨をいれなくとも、その人物を含めた全員に銀貨が等分されるのです。それでは誰も税金BOXに入れる理由がないので、毎回ターン開始前に合議の時間をとります。そこで3名以上の賛成があった場合、一度だけひとりのプレーヤーを追放することができるのです。

そのプレーヤーはギャンブルから除外、それまで貯めた私財も没収されます。そしてこのゲームは最終的に、全5ターンで私財40枚以上を目指します。40枚以上を達成すれば、枚数の多い順に1位で100票、2位で30票、3位で3票、5位で0票が渡されるのです。

これで、全員が私財を優先しない状況をつくりあげているのでした。さらに複雑なのが、この報酬を支払うのが、このゲームを始めた定楽乃だということ。彼女はたとえ敵になろうとも、大票を持つ者を多くし、1位の人物に対抗することが目的です。

ただし単に票をあげるだけではなく、「足を引っ張る者は必要ない」と冷酷な表情で言います。それが意図することとして、5ターン終了時に私財が40枚未満の者は100票を定楽乃に払い、この選挙から降りてもらうというルールが設られるのですが……。

大きな票が動く戦いが加熱してきました。疑心暗鬼になる公共財ゲームのルールに、ある裏切り者の存在、さらにこのギャンブルを通してさらに大きな賭けがおこなわれていることが、さらにこの賭けのスピード感を加速させます。

そして、そんな9巻は豆生田回ともいえる内容。彼の男らしさと、そんな彼の男らしさを上回るかっこいい人物の動きに、心を打たれるでしょう。

ちなみに、いつもながらに無駄に?どこかエロい雰囲気で描かれる本作ですが、さらに画力が増し、普通のシーンなのにドキドキする場面も多数。ストーリーのスリルが衰えることなく、しかも絵もどんどん美しくなっていく作品はなかなかありません。詳しい内容を、ぜひ作品でご覧ください!

ハリウッド女優 VS 夢子&ユメミ!【最新10巻ネタバレ注意】

生徒会長選挙で、アイドルという立場を利用して票を集めたユメミ。そんな彼女は、票のために新規のファンを増やそうと、夢子とユニットを組んでライブを開催しようと目論見ます。

そんな彼女の前に、なんと彼女の憧れのハリウッド女優である名足カワルが現れて……。

著者
["河本ほむら", "尚村透"]
出版日

実は、変装をして生徒会長選挙の様子を伺っていたカワル。彼女の本名は和楽喰淑光(わらくばみ すみか)といい、百喰一族の者だったのです。そんな彼女が、ギャンブル対決をしたいと言い出すのですが、そのお目当ては夢子。ユメミはまったく相手にされません。

そんなことから、彼女はこの勝負に混ぜてもらうことを志願し、3人でギャンブルをおこなうことになるのです。予想外のカワル対夢子&ユメミの戦いが始まります。この勝負は、まさにカワルならではのもの。それは、「演技力勝負」です。

最初は「歌唱力」対決。夢子とユメミは『ツーペアの乙女』を、カワルは『アメイジング・グレイス』を歌います。ファンの投票数も期待でき、歌にも自信があって、表現力もあるユメミ。勝負はあったかに思えましたが、なんと92対8という大差で敗北してしまうのです。

続く対決は、「デスマカロン」。これは3つのマカロンを全部食べ、どれに激辛が入っていたか、他の人で当てるというもの。ここでAのマカロンを食べたユメミは苦悶の表情を浮かべるのですが……。実はこのマカロン、激辛ではないもの。

ではなぜ、彼女は苦しそうな顔をしていたのでしょうか。ここには彼女の女優魂、そして負けん気の強さが表れています。その意地は、見ていてかっこよさを感じてしまうほどです。

そして最後は、「スワサント・トロワ」。これは52枚あるトランプを1まいずつ取り、数字を宣言しながらカードを伏せて置くというものです。63を越したら負けになってしまうので、63に近づいたらパスをし、今回の場合は2人がパスになった時点で勝敗が決まります。

ちなみに、宣言する数字は、嘘でもOK。これによって、心理戦がくり広げられることになるのです。

謎多きカワルとの戦い。なぜ彼女が夢子との対戦を望んだのか、謎が深まります。いったい彼女の目的は、何なのでしょうか。

本巻は、夢子とユメミのタッグも注目!夢子が歌う姿、そしてユメミがアイドルとしての実力を遺憾無く発揮する姿は、まさに必見です。ユメミのファンにとっては、終始目が離せない展開といえるでしょう。

『賭ケグルイ』が傑作ギャンブル漫画の予感!無料で読んでみよう!

著者
河本ほむら
出版日
2014-10-22

学園の設定などをネタバレしてご紹介しましたが、この作品のもっとも大きな見所は、ギャンブル中のスリル。そして、恐ろしい学園の裏の顔を知っても、どんなに不利な賭けをしようとも、いつも楽しそうにしている「賭ケグルイ」夢子の表情です。

果たして彼女は「家畜」となった後、どのように這い上がっていくのでしょうか?ぜひ作品で、そのスリルを味わってみてください。

唯一無二の恐怖感にハマること間違いなしです!

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