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2025年、三度目の初詣に行く

1月12日、日曜日。翌日に成人の日を控えた三連休の中日。新年会的な飲みで生中とレモンサワーを1杯飲んだだけなのに深夜に目が覚めると頭痛とひどい喉の渇き。よもや大流行中のインフルエンザにかかったか、と恐怖を覚えるも体温は平熱。まさかあれだけの酒量で二日酔いか? ずいぶん酒に弱くなった。

 

翌13日、起きても頭痛は治らず、出かける約束だったので朝から電車に乗って同行者と新橋へ向かう。

例年、真冬の時期は出かける気が起きず引きこもりがちなのに今年は違う。やけに元気で外に出たがる。理由は不明。

hayasinonakanozou.hatenablog.com

 

 

山手線は混むので嫌だという同行者の意見を容れ、地下鉄で銀座に出る。散歩がてらここから目的地まで歩く。この日は歩行者天国ではなかった。

 

洒落たビルがいっぱい建っている。人出はまあまあ。新宿や池袋に比べたら歩きやすかった。

 

12時前、最初の目的地、せとうち旬彩館に到着。香川、愛媛のアンテナショップ。

 

二階の食事処かおりひめ讃岐うどんが食べたかった。階段を上ると10人以上が並んでいて驚く。「うどんは並んでまで食うもんじゃない」と思っているがせっかくここまで来たんだから仕方ない。並ぶ。調べたところ新橋駅そばにはおにやんまをはじめうどん屋が何軒かあるようだ。

 

客の回転が早く思ったほど待たずに案内された。自分は釜玉うどんといなりを、同行者は年明けうどんを注文。

 

提供。このお店のうどんは地粉「さぬきの夢2000」を使用しているそう。俺の舌で普通の小麦とどう違うか、わかるわけがないが。麺はコシがあってツルツルで(こればっかだな)、高松で食べたのもこんな感じだったかも…というおぼろな記憶が喚起された。旨し。いなりもあげの甘さとすし飯の酸っぱさがいい塩梅だった。同行者の年明けうどんの汁を一口飲ませたもらった。出汁はいりこかと聞いたらそうメニュー表に書いてあるとの返事。

食後、一階の土産物屋で新漬けオリーブと生麺と瀬戸内レモンケーキを購入して出発。

 

新橋駅を通過して虎ノ門方面へ。

 

雰囲気ある佇まい。レンズはいつもの散歩用、M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8*1単焦点なので構図は足で稼ぐしかない。が、面倒くさいので適当。

 

えらく高いビルだなあ…と思いながら進んでいく。

 

虎ノ門ヒルズだった。なるほど。用はないので通過。

 

東京タワーがかろうじて見える。

 

本日第二の目的地、愛宕神社に到着。

 

名高い出世の石段。86段。すぐ脇にこちらよりなだらかな石段もある。出世はしたくないが昇格による給与増はしたいのでこちらを選択。責任は増えず給与だけ増えるポジションはないものか。

 

三角点。愛宕山の標高は25.7メートル、23区内にある自然の山としては最高峰である。

 

弁財天前の池の中には明治5年に設置された日本最古の三角点が隠れている。

 

登頂とはいえ周囲は山よりもはるかに高層な建築に囲まれている。

お参りするのに15分程度並んだ。

 

愛宕山へ来た理由はpanpanya『そぞろ各地探訪』、登山の章の聖地(?)巡礼として。箱根山飛鳥山はすでに回ったのでこれにてコンプリート。

行ってみると本に掲載されている境内図とは微妙に異なっていた。書かれたのが2015年だからだろう。

 

hayasinonakanozou.hatenablog.com

 

hayasinonakanozou.hatenablog.com

 

hayasinonakanozou.hatenablog.com

 

神社の裏手にNHK放送博物館がある。入館無料。

なかなか見応えある施設。200インチ8Kシアターの鑑賞や放送の仕組みを体験できる。

ちなみにチコちゃんはつまらないから嫌いです*2。これとねほりんぱほりんはくだらないから終了した方がいいと思う。ドキュメント72時間は年末にあんなに何時間もかかるスペシャルやらなくていいから、東北のうどん自販機の回と新宿の郵便局の回と病院のコンビニの回を毎年放送してください。

 

なぜアナウンサーはカメラ目線で原稿が読めるのか? その疑問は実際に体験してみれば氷解します。子供たちに混じって俺も体験させてもらってきました。8Kは俺なんかの目には4Kとの違いがわからんしオーバースペックな技術かなと思いました。4Kもよくわかってないけど。

 

昭和生まれ大歓喜コーナー。『ひょっこりひょうたん島』と『プリンプリン物語』も。『人形劇三国志』を探したが見つからず。森本レオ孔明だったんだよなあ。

歴代の紅白歌合戦大河ドラマ連続テレビ小説の展示もあり。

東京には面白い施設がたくさんある。今更ながらすごいところだ。

 

博物館を出て最後の目的地へ向かう。このあたりは歩道が広く、人も車も少なくて歩いていて気持ちがいい。人も車も少ないのは休日のオフィス街だからだろう。

 

風は強いが日差しが暖かく、しっかり防寒してきたのもあってさほど寒さを感じなかった。

 

THE CITY BAKERYというカフェを見かけて一服。都心は座れる場所がない、ベンチは少なくカフェに入ろうにもどこも行列と言うが、少し繁華街から外れた場所なら空いているカフェはいくらでもある。それも落ち着いたいい雰囲気の。

 

都心へ行くとき、俺は座れる場所よりトイレが気になる。催しは急に来る死活問題。座れるかどうかの比じゃない。都心の商業ビルやターミナル駅は個室はまず塞がっているものと考えてよさそうで催した場合を想像するだけで気が気じゃない。

hayasinonakanozou.hatenablog.com

 

 

来た道を引き返し新橋駅へ。何度も新橋駅へ来ているのにSLを見たことがない。

ここから乗りたくねえ山手線に乗る。が、思ったほど混雑していなかったのでよかった。

 

東京ステーションで下車。人大杉。晴着を着た新成人がそこここに。トイレ問題が頭から離れなくなってしまい、着物を着てたらトイレ無理じゃないの? 催したらどうすんの? と同行者に尋ねる。ぜんぶ捲れば大丈夫だと嫌そうな顔で返事。そうなのか。47歳になっても世の中には知らないことが多すぎる。

 

本日最後の目的地、丸善丸の内本店に到着。現在ここの三階で、かつてショップインショップとして存在した松丸本舗の(小規模な)期間限定復活が開催されている。

book-link.jp

 

松丸本舗の存在を当時知っていながら、俺と無縁の人が作った棚を見て何になると変に斜に構えて行かなかった。終了してから、あんな試みはもう二度とされないだろうに行かなかったのは勿体なかったと後悔した。一度行くだけ行ってみたらよかったんじゃないの。偏屈に自我を発揮するよりちょっとミーハーなくらいの方が人生楽しめるんじゃないの。俺は松岡正剛の本を一冊しか読んだことがなく、千夜千冊もいい読みものと思えないんだけど、この人の、ジャンルや作者ではなく文脈に沿って本を棚に並べるアイデアは面白いし、アカデミックでもなければ低俗でもない選書もセンスいいものだったんじゃないだろうか。本はレコードと同じ、持っているだけじゃなく再生機で再生しないと意味がない。そして本の再生機とは本棚なんだとの見識に同意する。本は死蔵せず棚に並べてこそ活きる物だと俺も思う。

 

松丸本舗へ行かなかった後悔が角川武蔵野ミュージアムへ行く気にさせた。本棚をDIYしたときも違い棚や棚の中に箱のある松丸本舗の洒落た棚をちょっと意識していたように思う。

 

hayasinonakanozou.hatenablog.com

 

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本棚は生成する森のように常に中身が変わっていくべきもの。そして永遠に完成することはない。不変の、あるいは完成した本棚とは死んだ本棚だろう。

 

フェア対象書籍を買うと手提げ袋がもらえるので1冊買っていくことにした。と言っても俺はもう難解な本を読む根気はないし*3、やわらかめな本にしよう、と棚を見ながら、『ナジャ』か『百頭女』か…と絞って、結局メーテルリンク『青い鳥』を選んだ。

講談社青い鳥文庫の『青い鳥』。江國香織の訳、高野文子の絵。高野文子の『絶対安全剃刀』は松岡正剛に教えられて知った漫画だった。母親が認知症になった今、この漫画を思い出すと、今の本人は漫画の主人公と同じく幼女帰りしているのかもなあ…と感慨深い。

 

 

 

 

買い物を終えて外に出ると日が暮れかけていた。いつの間にか頭痛は治まっていた。三連休、あっという間に終わってしまった。また明日から労働が始まる。さあ、帰ろう。

 

帰宅して新しいiMacを受け取る。今日は疲れたのでセットアップは今度の週末にでもやる。

 

 

*1:何枚かはiPhone15で撮影

*2:だったら写真撮ってんじゃねーよ

*3:頭も時間もない