先輩二人との森ノ宮で行われるお笑いライブの
第一回目の会議当日
俺とWは二人で一緒に御堂筋線に乗り梅田まで向かった。
一人で不安だった俺はWを誘ったのだった。
メールをして「"方向"一緒やし一緒に行こうや」
W「一人で行こうと思ってましたけどまあイイっすよ」
こいつはいつもこうだ。
夕方の御堂筋線地下鉄の車内は満員で吊り革に二人横並びで捕まりながらWは不安そうな顔で俺にぼやいた。
「ヒラ3さん考えてきました?」
俺は「会議一回目やから一応何か"様子見"で色々考えてきたけどまあ、じっくりいきたいわ」みたいな事を言ったと思う。
Wは「あんまり先輩二人と喋った事ないから不安とワクワクが入り混じってますわ」
俺は本当はガチな企画、コント案を張り切って持っていっていたけれど"カッコつけて"様子見"という言葉をWに使った。
Wはそれを見透かしたかのように
「マジっすか?俺はガチなやつしか持ってきてないです」
こいつ正直でカッコいいなと思った。
先輩達との待ち合わせ時間の前に梅田の某ファミレスに先に着いた俺たちは
テーブルのどこに座れば良いかわからなくなった。
W「上座ってどっちですかね?」
当時はスマホとかなくて「上座 下座」とかで
検索出来ないから全くわからない。
けれど何となく俺は
【ゴッドファーザー】とかの映画で人が集まって会食してる光景が浮かんで
主人公のボス、ゴッドファーザーことヴィトー・コルレオーネはいつも奥に座ってた記憶があったから
「俺らは後輩やから手前やな」
と言ったらWはニヤニヤしながら
「よくわかりましたね!正解!」と言った。
俺もニヤニヤしながら「試すなよ!」と言った。
程なく席に座ってると、
先輩二人がデカいカバンを抱えて険しい顔をしてやってきた。
さあ、戦闘開始だ。
続く