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2012.11.29

浜田宏一(イェール大学教授)×安倍晋三(自民党総裁)「官邸で感じた日銀、財務省への疑問。経済成長なしに財政再建などありえない」

小泉政権時代に福井日銀総裁に直談判した

浜田: このたびは、元総理大臣である安倍晋三先生にお話を伺えるのは大変光栄です。自民党総裁という実力者の方が、デフレの問題点をちゃんと理解してくださり、日銀法改正の可能性まで政策の骨子としてあげていただけるのは、われわれを力づけてくれます。

 しかも、そのことがウォールストリートジャーナルを通じて世界に報道されるのは画期的なことです。金融に関して今のようなお考えをもたれるようになったのは、何時からのことですか?

安倍: もともとは社会保障を専門にしており、正直申し上げて金融については特別詳しくはなかったのです。しかし(小泉政権で)官房長官に就任するといろんな政策について説明を受ける立場になり、いろいろ教えていただく機会は多くなり、その中で勉強させていただきました。

 ちょうどその直前、森喜朗首相、宮沢喜一財務大臣の時代に、日本銀行の速水優総裁が、政府側からしばらくゼロ金利体制を続けてほしいという要請があったにもかかわらず、それを止めてしまったということがありました。

浜田: ああ、そうでした。

安倍: その1年後、結局、景気は厳しくなりました。最近、当時の議事録が新聞記事にもなっていますから、読むと面白いですね。そこで彼らは当座預金にお金を積むという量的緩和をしたのです。

 しかしその後、小泉政権になり、日銀総裁も速水さんから福井俊彦さんに代わったので
すが、そこで量的緩和を止めてしまいました。

浜田: はい。

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