そのバラバラになった勢力を20年の時を超え再び寄せ集め、「保守本流」を自任してきた往時の勢力を取り戻そうというのが、大宏池会構想だ。
10月5日、岸田は派閥のパーティで演壇に立ち、
「令和の時代の新たな政策集団を目指し、風通しが良く、そしてしっかりとした団結力を持つ、政局にあたっては戦闘能力を持つ集団として進化していかなければならない」
と語り、大宏池会へ向けた決意を語った。
だが、そんな麻生や岸田を、二階は嗤うだろう。
(何も、わかっちゃいないわな)
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二階派のベテラン議員がこう話す。
「そもそも大宏池会構想は、麻生さんが領袖として君臨するための構想。岸田さんが合流を呼びかけたとして、岸田さん自身はどういう立場に収まるつもりなのか。単に麻生さんの軍門に下るというのではまったく意味がない。
逆に岸田さんがボスになるというなら、麻生さんが許さない。合流した挙げ句に、(麻生派の)河野太郎を総裁候補にする? 河野は身内からの人望がないので、それではまとまらない」
麻生派54人、岸田派47人、谷垣グループ20人。合体さえすれば121人となり、最大派閥の細田派98人を超え、大宏池会が党内の最大勢力となる。
だがそれは机上の数字で、この121人は「烏合の衆」に過ぎない。