インターネットが普及したことで、PCやスマートフォン、IoTなど様々なプラットフォームが登場しました。それに伴い、数々のスタートアップ企業が生まれています。

近年では、若くして起業することが珍しくはなくなり、「誰もが起業家を目指せる」時代です。そこで、現在は会社に属しているものの、いつかは起業したいと考えている方もいるのではないでしょうか。

起業家が一般社員と異なる点は、事業の視点です。単に商品やサービスを開発し、売上を作るだけでなく、事業を成長させるために経営の視点を持たなければなりません。起業家を目指すにあたり、新たにビジネス理論や資金繰りに関して勉強をしている方もいるはず。

今回は、起業家やスタートアップ界隈で頻出する用語を解説します。起業に関する情報収集をする上で、参考にしてみてはいかがでしょうか。

スタートアップ界隈で頻出する用語24選

1.IPO

「IPO」とは、「initial public offering」の略で新規株式公開を指す用語です。IPOを行い、未上場の企業が「マザーズ」や「東証一部」のような株式市場に上場することで、投資家の売買が可能になります。

2.リーンスタートアップ

「リーンスタートアップ」とは、アメリカの起業家であるエリック・リースによって提唱され得たスタートアップ企業向けのマネジメントです。製造業において無駄な工程を省き効率化する「リーン生産方式」をマネジメント理論に応用しています。

3.グロースハック

「グロースハック」とは、資金を最小限にアイデアや仕組み化を行うことで成果を生み出すビジネス手法です。資金の少ないスタートアップ企業で盛んに用いられています。費用の発生する広告出稿は極力行わず、ホームページやサービスへの集客施策が行われることが一般的です。

4..ピボット

「ピボット」とは、機械に用いられる「旋回軸(pivot)」に由来する言葉です。ビジネスにおいては、事業の「方向転換」という意味合いで用いられます。資金に余裕がないスタートアップ企業において、計画通りに事業が展開しない場合、柔軟にピボットが行われます。

5.M&A

「M&A」とは、企業の合併と買収を意味する「Merger & Acquisition」の略語です。その意味の通り、他の企業を吸収合併したり、買収を行います。他社のノウハウや人材を吸収できるメリットがある他、譲渡する企業は事業を存続できるというメリットがあります。

6.ベンチャーキャピタル

「ベンチャーキャピタル」とは、未上場企業に出資を行う投資機関のことを指します。上場後に株式売却を行うことで利益を得るという仕組みで運営されています。スタートアップ企業が資金調達を行うために活用されています。

7.ファンド

「ファンド」とは、投資組合のことを指し、投資家から集めた資金を運用する仕組みです。投資信託やベンチャーキャピタルもファンドを用いて資金を運用します。運用して得た資金を投資家へ分配することで

8.インキュベーター

「インキュベーター」とは、起業直後のスタートアップ企業の経営や新規事業の支援を行う人物や事業のことを指します。起業家に資金提供を行ったり、経営に関するノウハウの提供やディスカッションを行うなどの支援を行います。

9.アクセラレーター

「アクセラレーター」は、加速を意味する「accel」に由来する言葉です。スタートアップ起業の支援を行います。インキュベーターに近い仕組みですが、投資目的よりも成長支援という側面が強いのが特徴です。

10.アントレプレナー

「アントレプレナー」とは、ビジネスを起こす人であり「起業家」を指す言葉です。アントレプレナーという言葉が用いられる場合、新規市場での起業などの文脈を含む場合があります。複数の事業の立ち上げを行っている起業家を「シリアルアントレプレナー」と呼びます。

11.シードステージ

「シードステージ」とは、スタートアップ企業の成長段階を表す言葉の1つです。シードは「種子」に由来し、最初の成長段階を指します。会社設立の準備期間において、ビジネスモデルや事業のコンセプトを構築する段階で、商品やサービスの製品化以前の状態です。

12.アーリーステージ

「アーリーステージ」とは、シードステージの次の成長段階のことを指します。起業直後から設立数年までの段階です。商品やサービスの製品化が行われているものの、事業が不安定な状態です。事業の安定化に向けて資金調達を実施するのが一般的です。

13.エクスパンションステージ

「エクスパンションステージ」とは、ミドルステージとも呼ばれ、アーリーステージの次の成長段階のことを指します。事業の安定化、黒字化、拡大などが進む時期がエクスパンションステージに該当します。アーリーステージに比べ事業の計画や利益が安定するため、資金調達が行いやすくなる段階です。

14.レイターステージ

「レイターステージ」とは、エクスパンションステージの次の成長段階のことを指します。事業が安定した利益を生み出す時期がレイターステージに該当します。成長の見込みがあり、利益率も向上していることからIPOに向けて準備を進める段階です。

15.シードラウンド

「シードラウンド」とは、上述した「シードステージ」における資金調達のことを指します。起業の準備段階ゆえに「信用」がない段階での資金調達を行うため、インキュベーターなど起業の支援者から資金調達が行われるのが一般的です。

16.シリーズA

「シリーズA」とは、スタートアップ起業が最初にベンチャーキャピタルなどから資金調達を行う段階を指します。シードラウンドは個人からの資金調達であるのに対してシリーズAは、ファンドを通すことで、より多額の資金調達が行えます。

17.シリーズB

「シリーズB」とは、シリーズAの次の段階での資金調達を指します。スタートアップ起業の商品やサービスの製品化が済み、事業のさらなる成長を見込んだ上で出資を受けます。事業の成長の段階に応じて「シリーズC」という資金調達も行われることがあります。

18.ダウンラウンド

「ダウンラウンド」とは、スタートアップ企業が資金調達を行う上で、前回の増資時よりも株価が下回った状態で調達することを指します。経営状況が芳しくない場合に行われるため、投資家にとっての損失にも繋がります。ダウンラウンドによって株主の権利が低下することを防ぐため、権利の行使価格を調整できる希薄化防止条項が定められています。

19.EXIT

「EXIT」とは、経営者や株主が企業の株式を売却し利益を得ることを指します。IPOやM&Aなど事業が特定の時点に差し掛かったタイミングで資金の出資者によって株式の売却が行われるのが一般的です。

20.キャピタルゲイン

「キャピタルゲイン」とは、スタートアップ企業の場合、株式の売却(EXIT)によって得られる利益のことを指します。債権や不動産の売却によって得られる利益もキャピタルゲインです。一方で、売却時に利益ではなく損失が生じた場合「キャピタルロス」と言います。

21.デットファイナンス

「デットファイナンス」とは、金融における借入金融のことを指します。銀行借入や社債発行、複数の金融機関が協調して融資を行うシンジケートローンなどがデットファイナンスに該当します。返済義務のある資金調達です。

22.エクイティファイナンス

「エクイティファイナンス」とは、新株予約権や公募増資のように新たに株式を発行しそこで得られた資金のことを指します。デットファイナンスは返済義務があるのに対し、エクイティファイナンスは返済義務がない資金調達です。

まとめ

Webサービスやテクノロジー分野は、海外、特にシリコンバレーの潮流に則った考え方が多いためカタカナ語が多く用いられます。そのため、初見ではわかりにくい用語が多いと感じる方もいるでしょう。

例えば、「IPO」や「ステージ」「ラウンド」などの用語は頻出します。これらを知っておくことで効率的にスタートアップ界隈の情報が得られるでしょう。今回ご紹介した用語をもとに起業に関する勉強に役立ててみてはいかがでしょうか。