「指摘する」より「気づかせる」ことが自立への近道!そのやり方とは?
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間違いを「指摘する」より「気づかせる」ことが自立への近道
子どもがパズルをしている時、ぬり絵をしている時、または着替えをしている時…。もし何かやり方を間違えているとしたら、皆さんはどう対応していますか?
すぐに「間違えているよ」と指摘しますか? それとも「あれ?やり方が違うかな?」と思いつつも、グッと我慢して見守りますか?どれが正解なのか迷うこともありますよね。時間に余裕があれば見守れる人でも、急いでいる時は難しいかもしれません。
子どもに自分で気づかせることの大切さ
モンテッソーリ教育では、子どもが試行錯誤を通じて「自分で気づく、やり抜く力」を育むことを大切にしています。なぜ「気づかせること」が重要なのでしょうか?主に次の3つの理由があります。
- 「脳の発達に良い影響」 試行錯誤を繰り返すことで、問題解決能力や創造性が育まれます。
- 「達成感による成功体験」 自分で気づき、解決する経験は「自分にもできる」という自信を育てます。
- 「失敗から学ぶ力」 間違いや失敗を経験し、そこから学ぶことで柔軟性が身につきます。将来的に困難に立ち向かう力になるのです。
私は普段2歳児のクラスを担当していますので、2~3歳児を想定してアドバイスをしますが、子どもが何歳であっても大切なことには変わりないと思います。ご自身のお子さんの様子を思い浮かべながら内容を読み替えていただければと思います。
「気づかせる」にはどうしたら良いか
例えば、上着をハンガーにかけている2歳の子がボタンの位置を間違えていることに気づいたとします。そんな時、私は子どもが真剣に取り組んでいる様子をしばらく見守ります。ただし、子どもの忍耐が限界に近づいていると感じた時は手助けをします。それでも「正解」を直接教えるのではなく、子ども自身が気づけるように工夫します。
ハンガーを持ち上げてみて、「あれ、何か変だね?」と子どもと一緒におかしいところを見つけます。それから、「じゃあ、やり直してみよう。間違えているところは先生が外してみるから、もう一度ね」のように手伝いますが、肝心なところは子供自身にやってもらいます。もちろん、実際には子どもによって発達の度合いや困難に感じる箇所が違うので、状況に合わせて手伝い方を変えています。
次のような声かけも効果的です:
- 「これができたら、次はどうするんだっけ?」→やり方を思い出させる
- 「これは難しいね。一緒にどうしようか考えよう」→共感しながら考える
- 「ここをもう一度見てみようか?」「ここはもうチェックした?→さりげなくヒントを与える
- 「もう少しだけやってみようか?それでもダメなら一緒に考えよう!」→諦めず挑戦を続ける姿勢を促す
大人が手助けをしつつも、子ども自身で「できた!」と感じられることがポイントです。とはいえ、出かける準備で慌ただしい朝には、そんな余裕はありません。そんなときは言い方を工夫すると良いと思います。
- 子どもが荷物を忘れているなら、「あれ、学校に行くときはいつも何か持っていくよね?」と言ってみる
- 靴を左右逆に履いている時、「靴の履き心地、気持ち悪くない?どっちか確かめてみて」と言ってみる
こんなふうに促すだけで、子どもが自然に気づけることがあります。もはや直接指摘しているも同然なのですが、「間違えているよ」「忘れているよ」と言うよりも子どもがよく反応してくれます。「あ、本当だ」と子どもが気づいたところで、手伝ってあげてください。いつもやってあげてしまうと意味がないので「学校に遅れちゃうから、特別ね」と付け加えるのをお忘れなく!
「正しさ」よりも「楽しさ」と「経験」を大切に
子どもは達成感を味わうことで自信をつけ、次の挑戦への意欲が湧いてきます。必ずしも「正しく完成させること」だけが重要ではありません。それよりも、お子さまが楽しみながら自発的に取り組み、手指をたくさん使う経験こそが成長に繋がるのです。
一方で、大人が代わりにやってしまうと、達成感が得られないだけでなく、「大人にやってもらった方が上手で早い」という学習が積み重なり、なんでも「やって」と頼む癖がついてしまう可能性があります。これは、子どもの自立心を妨げる悪循環を引き起こしかねません。
子どもの成長を見守るのは簡単ではありません。でも、できるようになった時の嬉しそうな顔を見ると、その瞬間がとても特別に感じられますよね。今日から、できる範囲で『気づかせる育児』を試してみませんか?少しずつで大丈夫です。子どもと一緒に成長していく毎日を楽しんでいきましょう。