リリーのすべてのレビュー・感想・評価
全182件中、1~20件目を表示
レビュー書くの、忘れてた!
エディレッドメインとアリシアビガンダーの、ため息の出るような美しい夫婦像から一変していく過程に涙が止まらなかったです。
亡くなってしまったけど、りゅうちぇる・ペコ夫妻もすごく素敵だったから、りゅうちぇるがどんな思いで死を選んだのかに思いを馳せるだけで、今でも胸が苦しくなります。
ジェンダーが一致していない人の苦しみを、こういう作品で伝えていくしかないのでしょうか。時代が変わった、とはいえ、同性婚が合法化されるどころか、今だに夫婦別姓すら実現されない現代、人との距離をますます遠ざけるように社会が仕向けているのかなぁとも感じます。
誰の目も気にせず、堂々と自分らしく生きることができる世の中になりますように。
頭の中が混乱
妻のゲルダの理解と献身的な姿に感動した
まず撮影が芸術的だと思う。
エディレッドメイン演じるリリーの仕草や、リリーの心の動きを捉えさせるような背景やカメラワーク、BGMがとても劇的になっていて、芸術的な作品になっていると感じた。
その上で、この映画・・・1926年頃の実話というのもすごい。あの時代に、手術をして男性が女性になっていくことは、今ほど多くの人が認めていなかったと推測すると、そうとうリリは辛かったと思う。その本人の辛さや心の動きも丁寧に描かれていた。LGBTQなんていいう概念は当時にはなかったように思えるから、彼女(彼)の生き方は、今のLGBTQの方々にもとても勇気を与えていると強く感じた。
それと同時にアリシアビガンダー演じるゲルダが、始めは全然受け入れられないんだが、徐々に夫の気持ちを認めていき、理解していく過程もとても丁寧に描かれていた。理解していく姿、最後の方になっていくと見える献身的な姿にとても感動した。
全体的にクオリティが高い中で撮影と嫌味にならない程度に分かりやすい...
犬は知っている
犬を飼うとき、オス・メスの性別なんてそれほど問題にならない。繁殖を目的とするとか、生理は家が汚れるから嫌だとかはある。そして犬のほうから見ても飼い主が女性であるか男性であるかは関係のないこと。映画の中では夫婦どちらにも懐いているのでとても愛らしかったです。
まずはタイトルの“The Danish Girl”デンマーク人女性をそのまま使わなかったことが興味深い点。もちろん主人公エディ・レッドメインが女性の一面が出てくるときには「リリー」と名乗ってたのでその半生記とも言えるのだろう。ただ、百合族という言葉も浸透しているし、百合の英語がLILYであることも引っかかるのです。日本じゃ薔薇族なんてのもあったしね・・・漢字書けません。
最も印象に残ったのがのぞき部屋。男性の性欲を高めるためだとばかり思っていたのに、なんと女性の仕草を研究していたリリー。この頃になると女性化する彼も歯止めがきかなくなっていました。妻のゲルダは後悔もしたでしょう。女性モデルを頼んだり、助走してパーティに出席したり・・・キスを迫ったヘンリクの存在も断ち切らねばならないと。
しかし、幼少期に同級生のハンスとキスしたことがあるという過去を夫から聞き出したあたりで、性同一性障害について理解を深め、愛する夫のために最善策は何かと模索する。『ミッドナイトスワン』も思い出した。世界初の性転換手術・・・切除だけで止めてもらいたくなった。膣形成したって・・・
そんなこんなで妻役のアリシア・ビカンダーが助演女優賞を獲得しましたが、レッドメインのほうは主演男優賞ノミネートどまり。もしかしたら主演女優賞でも良かったんじゃないか!そろそろ女優賞、男優賞、ジェンダー賞を創設する時期に来ています!
そんなこんなで、やっぱり決断のシーンは泣けてきました。ウルウル。わたしは泣いています、ベッドの上で。
意志の強さ
香水の下をくぐる
切なすぎる…こんな切なさは初めてだ
愛と受容
トランスジェンダーの男性(女性)とその妻。
二人の複雑な感情が絡み合い変化していく様子が伝わってきました。
リリーの苦しみ、妻ゲルダの苦しみ。両者それぞれの視点から考えさせられました。
性同一性障害という言葉すら無かった当時のリリーの苦しみ。医者にすら理解されず、否定されたり拒絶されたり…その孤独や絶望感は計り知れませんが、彼女のそばにゲルダのような妻がいてくれてよかった。LGBTの認識のない当時を生きるリリーにとってゲルダのような存在がどれだけ大きな救いだったろう。
妻ゲルダの感情も複雑。愛する夫アイナーの中にいるリリーの存在を受け入れるという事は、彼とのこれまでの関係を否定する事でもある。自分を置いてどんどん“リリーになっていく”夫に対し、もう勝手にして!って突き放す事もできたかもしれませんが、孤独や哀しみに満ちた心に蓋をして最後まで寄り添ってあげていました。
世界初の性適合手術に臨み道を切り開いたリリーの覚悟も大変なものですが、そんなリリーを理解し受け入れたゲルダの深い愛情や葛藤にも心を打たれました。
オランダ娘
色んな意味で「開拓者」
愛の沼地に入り込む映画
全182件中、1~20件目を表示