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マーケティングジャーナル
Online ISSN : 2188-1669
Print ISSN : 0389-7265
特集論文 / 招待査読論文
結末情報の付加が幸福度判断に及ぼす影響
― 異なる要因配置によるDiener, Wirtz, & Oishi(2001)の追試 ―
藤島 喜嗣
著者情報
ジャーナル オープンアクセス HTML
J-STAGE Data

2025 年 45 巻 1 号 p. 44-54

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抄録

Diener et al.(2001)は,人生の幸福度評価に結末情報が影響することを見出し,主観的幸福感の判断にピーク・エンドの法則と持続の無視が存在することを示した。しかしながら,彼らの研究は実験参加者に結末情報が異なる2つのシナリオを対比することを許しており,そのことが結果に影響した可能性がある。本研究は,結末情報の操作を参加者間要因にした場合(研究1,研究2)と,参加者内要因にした場合(研究3,研究4)とで直接的追試を行った。その結果,結末情報の対比ができない場合には結果が再現されなかったが,対比ができる場合には結果が再現された。このことは,結末情報が対比によって顕現的である場合でのみ,結末情報が幸福度判断に利用されることを示唆した。ピーク・エンドの法則が利用される要件と直接的追試の意義と困難について考察した。

著者関連情報
© 2025 The Author(s).

本稿はCC BY-NC-ND 4.0 の条件下で利用可能。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
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