1998 年 1998 巻 597 号 p. 99-111
本研究では複数の交通情報リソース下におけるドライバーの情報利用行動に着目し, 情報獲得・参照モデルを使って, 情報リソースに対する反応とドライバーの潜在的心理要因や移動時の状況, 情報の精度との関係を実証的に明らかにすることを試みる. さらにこうした情報獲得・参照プロセスを考慮した経路選択モデルを提案し, 実際に図形情報板などの異なる4種類の情報リソースが存在する東京都市圏の首都高速道路ネットワークで収集されたデータを用いてモデルの適合度の検証を行う. その結果モデルの適合度は向上し, 交通情報提供下の経路選択行動モデルにおいて情報獲得・参照プロセスを考慮することの重要性を確認した.