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日本作物学会紀事
Online ISSN : 1349-0990
Print ISSN : 0011-1848
ISSN-L : 0011-1848
形態
水稲における籾殻サイズおよび子実の成長の穂内位置別調査による子実重を決める要因の解析
福嶌 陽
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2024 年 93 巻 4 号 p. 268-277

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抄録

寒冷地における水稲5品種の圃場試験,温暖地における水稲2品種×3施肥法×2移植時期の圃場試験を実施した.そして,籾を穂内位置別に強勢籾,中勢籾,弱勢籾に分類し,その籾殻サイズ,出穂20日後の粒重 (前期粒重),成熟期の粒重 (子実重),および,その差 (後期粒重) を測定した.籾殻サイズには品種による明確な差異,施肥法,年次・移植時期による僅かな差異が認められ,その多くの場合,籾殻サイズは強勢籾,中勢籾,弱勢籾の順に大きかった.子実の成長には品種,施肥法,年次・移植時期による明確な差異が認められ,いずれの場合も,前期粒重は強勢籾,中勢籾,弱勢籾の順に重く,後期粒重は,強勢籾より中勢籾,弱勢籾が重い傾向が認められた.強勢籾や中勢籾においては,籾殻サイズによって子実重が決まることが多いが,弱勢籾においては,子実が十分に成長しないことにより子実重が軽くなることもあると推察された.さらに,極大粒の「べこあおば」においては強勢籾の前期粒重が重い傾向が認められること,それとは大きく異なり,やや大粒の「にじのきらめき」においてはすべての籾の後期粒重が重いことが示された.

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© 2024 日本作物学会
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