FN Five-seveNとは、FN社が開発した拳銃である。
同社の著名なPDWであるP90専用のサイドアームとして開発された拳銃で、1995年に発表。P90と同じ5.7×28mm弾を使用する。作動方式はディレイドブローバック。
すなわち開発経緯を簡単に言うと、
「サブマシンガンとアサルトライフルの中間があったら便利じゃね?」
「はい、できました!(P90)」
「じゃあ弾共用できる拳銃もあったら便利じゃね?」
「はい、できました!(Five-seveN)」
……といった感じである。その後に「共用できねえじゃん」「はい、弾変えました!」が続くが。
名前は使用する弾薬の口径に由来している。字面だけでも独特な雰囲気を醸し出すFive-seveNという不思議な位置に大文字が来ている理由は、諸説あるがFN社の社名にちなんだ遊び心であるとされている(ただしFN社から公式に回答があったわけではないので注意)。
人間工学に基づいてデザインされたP90同様、かなり変わった外見をしており賛否の分かれるところでもある。当初採用されていたピーナッツ型のトリガーガードは非常に印象的だったが、現在は真っ直ぐになっており多少落ち着いた外見になっている。
プラスチックがスライド部分も覆っており、表面温度の上昇を軽減している。
使用する5.7×28mm弾は一般的な拳銃弾のようにずんぐりとした形ではなく、ライフル弾のように細長い形状をしている。
重量が軽く口径も小さいので反動が抑えられ、初速も高い。また、形状や材質の見直しによって特に貫通力を高めており、レベルⅢ-Aのボディーアーマーを貫く。ちなみにデザートイーグル.50AEはレベルⅡとされているので、専用設計と力押しの比較とはいえ、最強の自動拳銃よりも高いボディーアーマー貫通性を持つと言える。
また人体に命中すると横転するように作られているため弾が細い割にストッピングパワーも高い。
さらに副次的なメリットとして、弾が細いため装弾数は拳銃としては破格の20+1発となっている。拡張マガジンを使えば30発まで装弾可能。
しかし、細いのは良いが長い弾なのでグリップの前後幅が増してしまっており、手が小さい人では扱いにくい場合がある。例として漫画「GUNSLINGER GIRL」にてヘンリエッタがP90をメインに使いながらもFive-seveNをサイドアームに使わないのはこれが原因と語られている。興味のある人はモデルガン・エアガンを手に取ってみよう。
さてここまで見ると拳銃の歴史をひっくり返す超高性能な銃に思えるが、実際のところは宣伝文句も含まれるためその性能に懐疑的な説もある。
たしかに貫通力は高いが、いくら高速かつ回転するとは言っても弾が小さく、貫通した後に人体へ与えるダメージが小さすぎるという懸念がある。かつて米軍が.38口径の拳銃を使っていたら興奮状態の原住民を止められず兵士が殺害される事態に陥り、慌てて.45口径のコルトSAAを引っ張り出した事例などはよく知られており、ストッピングパワーは意外と軽視できない要素である。
おまけに肝心の横転というのも「起こることもある」程度のものであるとも言われることがある。真偽はともかくそんな状態では兵士も安心して使えないだろう。
また初速に関しても、同じ弾薬をP90の長い銃身で撃つのとFive-seveNの短い銃身で撃つのとでは大きく変わり、それが貫通力にも影響するのは誰の目にも明らかであるので、同じ弾だからといってP90と同等の貫通力をFive-seveNに期待することはできない。
また、軍用銃であれば信頼性も重要であり、本銃のみならず実地的な信頼を勝ち得ていない新型の銃はその多くが伸び悩んでいる。
こういった理由からか、現在のところ軍や法務執行機関では大規模に普及してはいない。
ちなみに、P90との弾薬の共用を図ったFive-seveNであるが、P90で当初使用されていたSS90弾は長すぎたためにFive-seveNでは使用できなかった(共用とはなんだったのか……)。後に少し短いSS190弾が開発され、この弾は共用が可能となっている。
2005年に民間向けにも発売が開始され、反動の小ささ、装弾数の多さ等によってプリンキング(狩猟や競技ではなく、ただ銃を撃って楽しむこと)には好まれており、民間市場でのセールスは大変好調らしい。開発目的と評価が全く異なっているような気もするが気にしてはいけない。
なお、民間向けにはFN社製のホローポイント弾かサードパーティのスポーツ用弾薬しか販売されていない為、上述のような貫通力は無い。
見た目のユニークさと優秀なカタログスペック、またP90が大人気ということもあってかフィクションでは結構な人気を誇る。
有名なのは「ソードアート・オンライン」ファントムバレット編におけるキリトや、上述した「GUNSLINGER GIRL」でもヘンリエッタが使用しない代わりに担当官であるジョゼが使用している事例が挙げられる。
天下の東京マルイの他、マルシン工業からも6mmモデル・8mmモデルがガスブローバックとして販売されている。
掲示板
32 ななしのよっしん
2021/08/03(火) 03:24:02 ID: y0CsKvqvfl
コストさえ無視すれば、車両操作員やパイロットにはピストルホルスターに入るこいつを持たせるのが正解かもしれないな。
33 ななしのよっしん
2022/12/04(日) 16:40:31 ID: rco7gIeBFy
34 ななしのよっしん
2023/11/03(金) 13:08:11 ID: 8ykhkIiK+2
近年民間向けの売り上げが好調で一時期の幻滅期を乗り越えて復権しつつあるみたいだ
昔はP90のオマケみたいな扱いだったコイツの方が人気になってくるとはわからんもんだ
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最終更新:2025/01/15(水) 03:00
最終更新:2025/01/15(水) 03:00
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