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ウメ

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とは、木の一種。を観賞したり実を食用にしたりする。本記事で詳述する。

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また、以下のことを表す。

梅

概要

【分類】バラバラサクラ
【学名】Prunus mume
(学名の由来)Prunusスモモラテン語古名/mume→日本語名から

1月から4月にかけて白色赤色の5弁のを咲かせ、この徴する。花札2月の札は「梅に」である。

古来から梅のとともに日本人され、各地の満宮水戸偕楽園吉野梅郷、ヶ瀬梅渓など梅のの名所には毎年多くの観光客が訪れる。また、厳密には梅というより農であるが、和歌山田辺南部などは観光用に開しており、シーズンには多くの観梅客が訪れる。

梅にあってにないものの代表は、その芳しいの香りであろう(るのはむしろ木である)。そのため、で色を楽しみ、りを楽しむことができることが、古くから流人、庶民にされてきており、平安時代ではより梅の方が好まれていた。

果実

実は初め緑色で、6月頃に黄色く熟する。この季節の気現象に「梅雨」があるが、この名称には梅の実が直接関係していないという説もある。実はそのままでは甘くなく、食用には適さないので、干す・煮る・漬け込むなどの調理を経て食用にする。ただし、未熟な実(青梅)の果肉と、実の核の中の種子にはシアン系の配糖体の一種アミグダリン)が含まれているので注意が必要。

梅の実を加工した代表的な食品には、梅干し梅酒などがある。梅干しおにぎりの具や日の丸弁当でおなじみ。梅酒焼酎に梅の果実を漬け込んだもので、詳しくは梅酒の記事を参照。

カリカリ梅は、小梅の実を梅干しのように漬けたものだが、の殻(カルシウム)を加えることで、果実に含まれるペクチンをペクチンカルシウムにすることで硬度を保ち、よい応えを生み出している。ペクチンカルシウムでピンときた人もいるかもしれないが、これはフルーチェと同じ仕組みである。

生産

近年、安価中国産梅干しの輸入が増加し、日本で消費される梅干しの約半分を占めるまでになった…のだが、中国産作物に対する不安視や現地中国での梅の大不作が原因で、輸入梅は減し、内産が持ち直している。

最高級の品種として南高梅(なんこううめ)が知られている。一般には「なんこうばい」とよばれていることが多い。これは和歌山県の代表品種で、同県みなべ町を発祥の地とする。「南部高校」を略して南高梅とした。

生産量は和歌山県ダントツ1位で年間60000トンシェアの6割以上という圧倒的なブランド力と販売力を持つ。その中心となっているのがうめ課を持ち、南高梅を生み出したみなべ町(南部町と旧南部川村は、どっちも梅栽培が盛んだった田辺市である。この2つの町で県内シェアの7割近くを占めているが、その周辺の上富田町、印南町、白浜町(旧日置町)でも盛んで、3位5位だけでも全首位に立てるほど。それだけでなく他の町のあちこちで作られている(紀州産が高いブランド力を持っているので、県内のどこで作っても産地間のハンデが少ない。そういう意味では、関西や北しか通用しないみかんより格上、最強の県産品かも知れない)。品種は「南高」が力で、梅干し梅酒梅酢などに加工され、高級品として全々に出荷されている。また、「古」(こじろ、地元ではごじろう梅と呼んでいる)という品種も梅酒向けに作られており、濃醇な南高に対し、すっきりした爽やかな味わいになるが、南高と較して生産が難しいため、生産者が減している。

そんなわけで、和歌山以外の梅産地が知られていない現状はあるものの2位間、郷、榛名の三大梅を持つ群馬県であり、高崎市和歌山に次ぐ産地となっている。ここでは「加賀(しらかが)」という品種が力となっており、元々は梅酒安価梅干しとして人気があったのだが、近年は南高に匹敵する高級梅干しも作られるなど侮れない。生産量は年間5000tほど。

それ以外にも小規模な産地が点在しており、生産量で奈良県長野県三重県福井県山梨県などが上位に来る。そして、沖縄県以外の46都道府県で栽培されていたりする。

象徴

中国ではと並んで「松竹梅(歳寒三友)」として重宝され、日本に入って吉祥の徴となった(等級としてこの言葉が使われる時は最下位の3番すが、本来この3つは対等な関係だった)。また、・菊とともに「四君子(中四君子)」に数えられ、それらが表わす四季のうちを代表している。

中華民国台湾)のである。チャイナエアラインロゴマークにも梅のデザインされている。また、中華人民共和国は正式には選定されていないが、梅牡丹が長らく争いを続けている。

菅原道真が好んだで、彼が太宰府に左遷される後を追って梅の木が飛んできたという飛梅伝説は有名。この伝説から菅原道真る各地の満宮天神様)は梅を徴としており、太宰府天満宮のある福岡県は梅を県のに選定している。また、この天神信仰と深く関連して、梅のを図案化した家紋(梅紋)には非常に多くの種類がある。

福岡県の他、大阪府(和歌に詠まれるなどゆかりがある)と和歌山県(作物としての栽培が盛んで生産量日本一)の県のでもある。これは3つの府県が県のに同じを選定している一の例である。また、梅は茨城県偕楽園の梅が有名)の県の木でもある。ウメの変種にブンゴウメ(P. mume var. bungo)があるが、これは大分県の県の木・県のに選定されている。

梅に関連する人物

実在の人物

架空の人物

梅に関連する楽曲

関連動画

漢字として

Unicode
U+6885
JIS X 0213
1-39-63
部首
木部
画数
10画
音読み(常用)
バイ
訓読み(常用)
うめ
Unicode
U+FA5A
JIS X 0213
1-85-69
部首
木部
画数
11画
意味
旧字体は梅。
ウメクスノキ梅雨の季節。
梅には、ウメクスノキの意味があり〔経〕にも両方の用例がある。梅は〔説文解字・巻六〕に「枏なり。食らふべし」とある。一方、〔説文〕は某を「果なり」としていて、ウメの意味の字としている。段玉裁は、もともと〔説文〕はクスノキの意味で梅字を説明していたが、後人が誤ってウメの意味での説明として「食らふべし」を加えてしまった、としている。〔爾雅・釈木〕にも「梅、柟なり」とあって、そのに「荊州に梅とふ、揚州に枏とふ」とある。
字形
符は毎。
音訓
音読みは、バイ音)、メ(音)、訓読みは、うめ。
規格・区分
梅は常用漢字であり、小学校4年で習う教育漢字である。1946年に当用漢字に採用され、1981年常用漢字になった。JIS X 0213第一準。
語彙
梅雨・梅梅毒・梅

異体字

Unicode
U+6973
JIS X 0213
1-39-64
部首
木部
画数
13画
Unicode
U+5746
JIS X 0213
2-4-64
JIS X 0212
23-29
部首
土部
画数
7画
𣏁
Unicode
U+233C1
部首
木部
画数
7画
𣒫
Unicode
U+234AB
部首
木部
画数
11画
𤯏
Unicode
U+24BCF
部首
小部
画数
18画
  • 梅は旧字体で、人名用漢字である。JIS X 0213第三準。2004年に参考字体から格上げされた。
  • 楳は、〔説文〕に「ひは某にふ」とある異体字。JIS X 0213第一準。
  • 某は、〔説文〕に「果なり」とウメの意味で載っている。梅と通用する。
  • 坆は、〔正字通〕に「古文の梅字」とある異体字。また墳の俗字。JIS X 0213第四準。JIS X 0212補助漢字
  • 栂は、〔漢語字典・異体字表〕にある異体字。日本語ではトガの意味で使う。
  • 槑は、〔字彙〕に「古文の梅字」とある異体字。〔説文〕には某の異体字とある。
  • 𣏁は、〔漢語字典・異体字表〕にある異体字。
  • 𣒫は、〔五音篇〕にある異体字。異構の字。
  • 𤯏は、〔漢語字典・異体字表〕にある異体字。

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