悪魔とは (アクマとは) [単語記事]

元々「悪魔」「魔王」とは仏教由来の言葉になる。というか「魔」という漢字が仏教における煩悩の化身・誘惑の魔神マーラの事である。サンスクリットを音写し魔羅、その頭を取って「魔」という言葉はそういった超常的な敵対者という意味合いを持っていた。そして西洋文化が伝わりデビル・デーモンといった単語を訳す際に、近い意味合いのこの言葉が選ばれた。

デビルとデーモンってどう違うのさ？

有り体に言えば語源が違う。意味合い的には正直大きくは違わない。デビルは魔王サタンのギリシャ語がディアボロスであり、そこから変化したもの。デーモンはギリシャ語の悪霊などを指すダイモーンが変化したもの。より正確に言えば唯一神「YHVH」の敵対者全般なりサタンそのものがデビル、その他のものがデーモンでと思えばいい。だいたいそんな感じである。ちなみに海外でデビルだの何だのは宗教用語なので宗教的に規制されやすい。そんな場合はArchfiend（意味合いはほぼ同じ）といった他の言葉に置き換えられたりぼかされ表現になったりする。

その他

サタンに代表されるように、堕天使も悪魔と呼ばれる。まぁ神への敵対者だし当然だね。悪魔のプロフを見ると結構元天使でしたという子は多い。ソロモン72柱で言えばアガレスとかカイムとか。あとドラゴン（西洋竜）は悪魔扱いされる事があるのは、聖書において悪魔として戦ったり敵対するような記述があるからである。

追記

敵対する何かが出てくれば、それの悪い噂を流したりあらぬ言いがかりをつけて評価を貶めるのはよくある話で、それは宗教の世界でもなんら変わらない。相手の宗教の評判を落とせば大抵そのまま信者はこちら側に入ってくる。特に唯一神を抱える宗教というのはその神が全てであり、それを信じるものが全てだ。それ以外は神に従わない＝神の敵対者という図式が完成する。つまりは彼らにとって多神教に神々や土着の神は「悪魔」となりえるのだ。多神教にもそういう事はままあるが、特に一神教はそれが顕著である。まさにその代表例がバアルだ。よく見る名前の悪魔も、元は他の宗教の神々だったという事もざらにある。その点日本宗教ってすげぇよな、大抵なんでも受け入れちゃうんだもん。