幽霊船とは読んで字の如く、幽霊が存在する(と言われる)船である。
概要
世界中で語り継がれている怪談の一つ。海で死んだ者の魂が成仏できず、海上にとどまったまま船と共に海を漂流していると言われている。
「フライング・ダッチマン」が有名。詳細は「さまよえるオランダ人」を参照。
この類の話は中世時代から語られ始めているが、当時から大型の船舶が存在したとはいえ悪天候や戦争、及び海賊の暴力や航海における乗員の精神崩壊などといった様々な要因から、船の上から船員が全員消失して無人となるというケースは少なくなかった。
実際に起きた事件で、ミステリーとして知られる「メアリー・セレスト号」については個別記事を参照。
日本でもいわゆる「船幽霊」として語られ、「船の姿をした幽霊」として海上で目撃されたと伝えられる。また船を取り囲んでは柄杓を要求し、渡せば海水を注いで沈めてしまう「船幽霊」も先述のケースと合わせて語り継がれ、2つの話が同時に出てくる事もある。
伝説
幽霊船については大体、以下のように伝わっている。
- 大体は帆船で、尚且つ無人の船である。
- 船体のあちこちがボロボロで明らかに航海を続けられる外見ではない物も多い。しかし謎の力が作用して海を漂っている。
- 幽霊船の中に人がいるように見える場合もあるが、間近まで接近しても容姿は不明瞭。
- 幽霊船を見た船員は恐怖し、自分の乗る船を幽霊船から遠ざけようとした挙句に座礁。または幽霊船を見た後に何かしらの不幸に見舞われる。「幽霊船とすれ違った船は難破する」「遭遇したら逃げようとしても、方向を見失ってしまう」という伝承も。
- 帆を揚げているにも関わらず船が風に逆らって帆走し、船の影が水面に映らないなど、説明のつかない現象が起きる。船自体が発光している事がある場合は、悪天候の夜でも鮮明に見えるらしい。
- 目撃される時間帯は夜が多いが、霧の濃い日は昼間でも見えたと言われる。濃霧の日によく目撃されると言われるためか、電気による発光現象「セントエルモの火」と合わせて語り草になる事もある。
- 語られる場所によって地域特性があるのか、日本近海では先述のような形の船は殆ど見られない。逆も然り。
- 幽霊船に遭遇した場合は布切れ(ゴザ)や筵などを燃やして、相手より明るい光を出してやれば去っていくという。
- 沿岸に停泊していた無人の船舶が何かの拍子で沖合いへ流され、誰にも知られる事なく漂流していた事から幽霊船と認識されてしまうケースもある。
フィクションの中の幽霊船
- ウルトラマン80
- 第32話「暗黒の海のモンスターシップ」に『スクラップ幽霊船バラックシップ』が登場。
15年前にマゼラン海峡で氷山に激突し、沈没したはずの無人大型貨物船『クイーンズ号』に搭載されていた大型コンピュータが再起動し、再び活動を始めたもの。氷山との衝突で沈没した記憶を元に「氷山に負けない体を作る」ことを考えた結果、船体から強力な磁気を発して付近を航海中の船舶を次々に吸い寄せて本体にくっつける事で、自分自身をより強力な船に改造した。敵と判断した者に対しては、接着した船に備え付けられている砲門からミサイルを乱射して攻撃し、クイーンズ号に本来の目的地としてインプットされていた東京湾を目指して進行したが、最後はウルトラマン80に破壊された。
- ウルトラマンダイナ
- 第17話「幽霊宇宙船」にて、『幽霊船怪獣ゾンバイユ』が登場する。
生命体の魂(プラズマエネルギー)をエネルギー源とする宇宙怪獣で、宇宙航海中だったシルバック星人の宇宙船を襲って同化し、地球に飛来して市街地上空から人々の魂を次々に吸い取っていったが、最後はウルトラマンダイナに倒され、吸い取られた魂も元に戻った。
寂れ果てた宇宙船内の様子や、シルバック星人の航海日誌など、まさに地球の伝統的な幽霊船伝説をそのまま再現したような演出と、幽霊船そのものが怪獣になるという大胆な発想がにくいエピソードである
- エコーナイト
- ホラーアドベンチャーゲームで、ゲームの舞台が幽霊船。襲ってくる亡霊から身を守りつつ、亡霊たちの未練を解決して昇天させてあげる事でストーリーを進めていく。
- 大神
- 両島原の国にて、あるアイテムを探す為に訪れる場所。宝物を積んで西安京へ向かっていたが、乱心した水龍に襲われて両島原の沖合いで沈没してしまったという。地名は「沈没船」であるが、実態は立派に幽霊船である。ところどころに配置された謎の人形や、普通の攻撃が通じない幽霊、宝箱に擬態した妖怪に、BGMに混じって聞こえてくる女性の笑い声。さらには今まで戦ったことのある大妖怪の怨霊がいきなり画面にアップになるなどホラー要素満載のダンジョン。
いままでのステージとは一線を画していて、ホラー系が苦手な人にはかなりトラウマとなったであろうステージ。
- 海賊戦隊ゴーカイジャー
- 劇場版のタイトルに「海賊戦隊ゴーカイジャー 空飛ぶ幽霊船」が存在。ついに幽霊船も空を飛ぶ時代か・・・。
ゴーカイジャーたちが「どんな夢もかなえる」とされる財宝を目指して、幽霊船を探索する。
- ジョジョの奇妙な冒険
- 第3部「スターダストクルセイダース」にて、巨大な貨物船が登場する。船の中の物(または壁や天井)を自在に操る謎のスタンド能力に一行は苦戦するが、スタンドの正体は貨物船そのものというオチで、承太郎の機転でスタンドの本体・オランウータンが倒され、船も消失した。詳細な内容は「ストレングス」も参照。
- 聖剣伝説3
- 主人公達がストーリー中、幽霊船に乗ってしまう。休息の時間を破る金切り声のSEに始まり、ゴーストやゾンビ、グールといったモンスター達、及び航海日誌の役割を放棄している航海日誌などなどホラー要素が満載で、トラウマを刻まれたプレイヤーも少なくないのではなかろうか。船内の窓から外を除くと・・・
- ゼルダの伝説シリーズ
- 「風のタクト」「夢幻の砂時計」に登場。「風のタクト」では攻略に必須なロケーションだが、内容はただアンデッド系の敵キャラがいるだけだった。
しかし「夢幻の砂時計」ではかなり重要な役割を持ち、本編の最初で、リンクが乗っている海賊船の船長であるテトラを誘拐。その後、いくつかのダンジョンを潜り抜けた後に登場し、テトラを救出するためにリンク自身が船に乗り込む事となる。
- Devil May Cry
- Mission12「幽霊船」にてダンテが幽霊船に乗り込む。船に入るには泳がねばならず、一人称視点での水中戦闘が発生。更に船の甲板ではデスサイズやグリフォンといった強敵と立て続けに戦う事となり、独特の地形と合わせて結構難易度が高い。出航時はセントエルモの火(らしき現象)も見られる。
Mission13「深淵」をクリア後、船長室へ戻って船長の骸骨を調べると・・・
- ドラゴンクエストシリーズ
- 「Ⅲ」にて幽霊船が登場。ロケーションを指し示す「船乗りの骨」が無ければ出現しない。船乗りの恋人エリックを失い自殺したオリビアの呪いを解く為のアイテム「愛の想い出」を入手できる。「食らえ!アメリアとの愛の想い出!」「他の女のじゃないのよーッ!」
ちなみにⅤを始めとする同シリーズでは、「幽霊船長」というモンスターが登場する。
- パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
- デイヴィ・ジョーンズの乗る幽霊船「フライング・ダッチマン号」が登場。この船の名前は先述の通りイギリスで語り継がれる幽霊船の名が由来である。
- ポポロクロイス物語
- 空飛ぶ島、ブリオニアへ向かう途中で突如遭遇するダンジョン。不安な気持ちにさせるBGM、不気味なマップとモンスター、幽霊と化したNPCたち(たちの悪いことに、その多くが自分が幽霊であることに気づいていない)、そして何より、パーティのサポート役であるナルシアの不在と、不安に駆られる要素がふんだんに盛り込まれており、ファンタジックな雰囲気に慣れてきたプレイヤーを一気に恐怖のどん底へと突き落とすダンジョンである。
まさにみんなのトラウマ。
- ONE PIECE
- 不死身となったブルックが無人の船の上で、50年以上に渡る航海を行ってきた様を幽霊船と例えられている。
- Return of the Obra Dinn
- 2018年発売のゲーム。航行中に消息を絶ち、4年後に突如として姿を見せた幽霊船を舞台に、死者の記憶を辿りながら過去に何があったのかを調査していく。
- バイオハザードリベレーションズ
- 「クイーン・ゼノビア」が登場。1978年建造の「大西洋の美女王」と称賛される豪華客船。姉妹船「クイーン・セミラミス」「クイーン・ディード」が存在し、由来は何れも古代の女王の名前。
2003年の船会社倒産により消息不明となるが、2年後に地中海に無人の幽霊船として姿を現す。内部は異形の怪物「ウーズ」が跋扈しており、失踪したクリス達を捜索しに来たジル達に襲いかかってくる。
(上記以外にもありましたら、随時お気軽に追加していってください)
関連動画
関連静画
関連項目