刑事とは (ケイジとは) [単語記事]

刑事とは

司法において、罰則規定のある法律に関する分野。⇔民事
1の司法業務に関連し、犯罪を捜査し、被疑者を検挙することを主たる任務とする法執行官。
デカ(俗)、Detect ive(英)。

1を踏まえつつ2を説明。

概要

法律には、ある行為を禁止し、違反した者に対して公権力による罰則を規定したものがある。違反行為は所謂「犯罪」である。罰則のある法律で最も知られているのは刑法だが、それ以外にも罰則を規定した法は多い。こういった法律を運用し実効力を持たせるにあたり、実際に犯罪行為があったのか、誰が犯罪行為をおこなったのかを公平に調査し、違反者を司法権力によって裁かねばならない。この調査が捜査であり、捜査を主たる任務とする法執行官を俗に刑事という。刑事のことを英語では「Detect ive」と呼ぶ。
刑事はその任務の性質上、警察官であっても通常は私服の着用が規定され、式典などを除いては制服の着用を課されることは少ない。

刑事警察の業務及び権限

世界的にほぼ共通している刑事警察の業務は、刑事裁判において訴追を行う検察官の監督下にあって、犯罪に関する証拠や証言を集めたり、犯罪者が誰であるかを特定する業務である。その為に聞き込み、証拠の採取や押収と分析、裁判所が発行する令状に基づく逮捕などの権限を有する。

押収や捜索、現行犯以外の逮捕など人々の権利を制限する行為については、多くの国で裁判所の判断に基づかなければできないのが普通である。近代以降、裁判所の判断に拠らずそれらの執行を行えるのは秘密警察の類であり、それでも国家の発展に伴い権利の擁護などから是正が行われるのが一般的。多くの国家では政治警察・秘密警察と言えども、捜査令状の発行を必要としている。え？普通の警官が令状によらず執行している国があるって？未だに近代の水準に達していない国家の話をされても。

法執行官である刑事は、この業務に関する様々な実務を行う。

刑事警察と、それ以外の警察機構との違い

広く一般市民に知られているイメージは、刑事は私服であると言うこと。刑事はその業務上、犯罪者に見つからない秘匿性が重要となることが多い。故に私服を着用し、市民に紛れ込んで捜査を行う。またその為に用いる車両も通常のパトカーとは異なり、警察機関であることを示す塗装や標識をつけず、また警光灯も使用時以外は隠匿できるものを用いた、いわゆる覆面パトカー(英：Unm arked Pol icecar)を使用する。

一つの事件を継続して捜査する任務を課せられているのも、刑事の特徴と言えるだろう。地域警察であれば、日々発生する事件や事故に対応することが求められており、初動後の調査は刑事に引き継ぐ。警備警察であれば公安部門を除いては、騒擾やテロに警戒することが多く、刑事のように捜査することはない。交通警察は交通分野に特化した任務を帯びている。

刑事の装備

世界的に見て、刑事はその任務に適した装備や服制が定められている。

私服
- 秘匿性を保つために私服を着用して捜査を行う。服装はスーツが多いと思われているが、任務によってはカジュアルな服装が適していることもあり、一概には言えない。
けん銃
- 捜査過程や逮捕時に被疑者から抵抗を受けることがあるので、拳銃を携帯することがままある。国によって異なるが、秘匿性に配慮してパトロール警官の銃と比べて小型の銃を装備することがある。例えば制服警官がグロック17や19であるのに対し、刑事はグロック26を装備するなど。
手錠
識別章
- 既述のように刑事は私服であるが、被疑者や一般市民に対し警察官であることを認識させたり、また銃器の使用が想定される状況で警察官の同士討ちを防ぐためにも、秘匿性を捨てて身分を明確にした方が良い場合もある。その場合は識別用の徽章や被服を用いる。まま見られるのは「警察」「Pol ice」の文字が入ったウィンドブレーカーやベスト、所属名が入った腕章など。アメリカでは前者は「レイドジャケット」と呼ばれ、あらゆる捜査機関で用いられている。私費での購入も可能だが、悪用を防ぐために購入の際に身分証明を求められることも多い。
防弾・防刃ベスト
- 刑事も捜査や逮捕の過程、或いは偶々街を移動している時に被疑者からの攻撃を受けることがあり、この時における死傷のリスクを低減する方策が欠かせない。そこで防護服を着用する。私服を着る都合上、シャツの下に着られるものが好ましいが、家宅捜索など身分を明かしても構わない時はこの限りではない。

刑事と他部隊との協力

事件への対応は刑事のみで行うわけではない。よって他部隊との連携も欠かせない。

地域・パトロール
- 何らかの事件が発生したとき、最初に臨場するのは彼らである。現場の封鎖や目撃者の確保など、パトロール警官の対応がその後の捜査にも影響しうる。現場にまだ犯人がいる場合、パトロール警官が身柄を確保できれば捜査が楽になる。また家宅捜索や被疑者の反撃を受けた時、また受ける恐れがある時に、刑事を助けてくれるのも彼らである。
警察犬(K-9 Unit)
- 人間より遥かに優れた嗅覚を活かし、臭跡を辿り人や物を探す警察犬。被害者や被疑者の所在や足取り、証拠品の捜索、犯人の逮捕など、様々な場面で警察犬は助けになる。（∪＾ω＾）わんわんお！
特殊部隊
- 立て篭もり事件、人質事件、武装していると思われる被疑者関係先への捜索などでは、特殊部隊の戦術と火力が事件を解決へと導く。
鑑識
- 多くの国では刑事部門に設置される鑑識。彼らが集めた証拠品とその分析は、事件解決に欠かせない。時々落語のCDを貸してあげよう。

刑事の違法行為

法は、法の正義を司る者に白紙委任状を与えることはない。だから刑事も規則を遵守し、公平な捜査を心がけなければならないが、時に刑事自身が違法行為を行うことがある。

被疑者の取調べにおける自白の強要や誘導
- 被疑者が犯人とは限らない。しかし刑事は時として「こいつがやった」と思い込み、焦って自白を強要することがある。怒鳴る、殴る、蹴る。全て違法。本当に犯人かもしれないけど、そうやって引き出した自白は裁判所で却下することがままあるので、それ以外の方法で真実に迫る必要があるだろう。元静岡県警の紅林警部(≠横光克彦)は自白強要がバレた為に、有罪率が極めて高い日本の刑事裁判で無罪連荘になったことがある。あとカツ丼禁止。
証拠の捏造
- お目当ての人物を犯人にするために、存在しない証拠をデッチ上げてしまうこと。これも思い込みから道を外す典型である。
証拠品の横領
- もうただの犯罪だろ。
捜査費の横領
- もうただの犯(ry
留置所で被疑者と乱闘
- おちけつ
捜査で知り合った少女と淫行
- うらやまけしからん

刑事と大衆文化

刑事・警察官は、大衆の身近にいる人々の中でも最も強い権力者である。彼らの仕事は、言わば人々の暴力や退廃を暴くことであり、それを取り締まる為に彼ら自身も威力を用い、時に彼ら自身が退廃した暴力や欲に塗れる。こんなおもしろい素材を大衆が放っておくはずもない。
人々の関心はドキュメントや物語という形で提供され、まるでコロシアムで殺し合む剣闘士を見るかのようにそれに食い入る。中には自らが剣闘士の道を歩むものも出る。