ラジウムとは、代表的な放射性元素。キュリー夫人の伝記やラジウム温泉、ラジウム玉子などでその名を目にした人は多いはず。
1898年、キュリー夫妻によって発見された。ウラン鉱石の放射線量が含まれるウランだけでは説明できないことからウランとは別の放射性元素の存在が予想されていた。キュリー夫妻はウランガラス工場から出る大量のピッチブレンド(瀝青ウラン鉱)の残りかすからポロニウムとともにラジウムを精製、分離した。キュリー夫人はこの功績で1911年に二度目のノーベル賞を受賞する(一度目は1903年に放射線の研究で夫との同時受賞)が、多量の放射性物質を扱う研究は彼女の命を縮める事となった。
アルカリ土類金属に属する。同位体のすべてが放射性。α崩壊してラドンになる。かつて蛍光塗料の材料になったこともあるが、発がん性が指摘されたため現在では使用されていない。
初期の放射線治療にも用いられていたが、その後X線やコバルト60などの放射線源に取って代わられた。しかし、近年になって塩化ラジウム223が骨に転移した前立腺がんの治療薬「ゾーフィゴ」として復活を果たすことに。
温泉水中に微量のラジウムを含む温泉をラジウム温泉という。放射性物質を含んだ温泉ということで一見健康によろしくない印象を受けるが、微量なので人体への悪影響は無く、逆にごく微量の放射線は受けたダメージを回復しようとする生体機能を活性化させ、免疫力、再生能力を向上させるという放射線ホルミシスという効果が存在すると考える科学者がいる(再現性が確認されたわけではないので科学的にはまだ実証されているわけではない)。
ラジウム温泉はほぼ日本全国に分布しており、また人為的にラジウムを含有させた浴場施設も都市部にいくつか存在する。効能は皮膚病、婦人病、外傷、痛風、血圧降下、高尿酸血症、糖尿病、循環器障害など。
ラジウム以外にもラドンを含んだラドン温泉、トリウムを含んだトロン温泉が放射能泉として知られている。
福島県福島市の飯坂温泉で「ラジウム」が日本で初めて発見され、これを機に温泉卵を「ラジウム玉子」との名称で売り出した。観光客向け温泉卵のはしりとしても知られている。「ラジウム玉子」自体にラジウムは含まれていない。
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最終更新:2025/01/13(月) 22:00
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