ポルト(Porto)とは、リスボンに次ぐポルトガル第二の都市である。英語名はオポルト(Oporto)。
概要
首都リスボンの北300kmに位置する港湾都市。都市自体の人口は26万人、都市圏での人口は160万人を数え、ポルトガル北部の中心地でもある。
- 語源は「港」を意味する「Porto」そのままである。
- ポルトが歴史上で特に注目を浴びたのは「エンリケ航海王子」の時代。ここから出発したエンリケ航海王子は、モロッコのセウタを奪取して、ポルトガルの大航海時代の幕を開けた。
- ポルトと長崎市は1978年以来からの姉妹都市関係にある。
- ポルトガルの国名はこのポルトの古い呼び方「ポルトゥス・カレ」に由来するとされる。
- 歴史の古い都市ゆえに旧市街は世界遺産に登録されている。
- ポートワインの出荷地としても古くから知られる。その名の由来もこのポルトである。
ポルトの市街
ポルトガルの大都市ではよくあることだが、丘陵地に位置するために非常に坂が目立つ街並みとなっている。これは大河ドウロ川に面した都市として建設されたためで、河岸までは極端なまでの高低差となっており、市街地の橋とは思えないような高さで河を渡る橋の数々が特徴的な景観を構成する。
その橋のなかでもっとも有名なのが、市街中心部にあたるドン・ルイス1世橋である。ギュスターヴ・エッフェルの弟子が設計しただけあって、橋と塔ではぜんぜん違うはずなのに見た目とてもエッフェル塔っぽい鉄骨アーチ橋であるこの橋は、地上85mを渡る歩道・ライトレール兼用橋と河岸の高さを渡る道路橋が上下二層となった特異な構造で知られる。
こうした景観を形作る河岸の高低差は、ポルト市街の交通面にも顕れている。ドン・ルイス1世橋下層部のたもとから上層部高度の市街まで小さなケーブルカー(リスボンと違いかなり現代的なもの)が運行されているのだが、登っていく途中で地下トンネルに入り市街側も地下駅なので、いきなり町中の広場に出てびっくりしたりする。ちなみに先述のライトレールはこの坂をすっぱり諦めてドン・ルイス1世橋上層を利用し、旧来の路面電車は苦心惨憺の遠回りで河岸の路線まで接続している。
また、リスボンから来る列車はドウロ川を街外れのサン・ジョアン橋(余談だが、91年まで使われていた旧橋であるマリア・ピア橋は正真正銘ギュスターヴ・エッフェル設計である。普通逆じゃないのか。しかもドン・ルイス1世橋のほうがエッフェル塔っぽい)で渡ってやや郊外の平地にあるカンパニャン駅をターミナルとする。それとは別に市街中心部にも近距離ターミナルとしてサン・ベント駅があるのだが、河岸に向かって下る坂に対し直行するように建っているこの頭端式ターミナル駅、なんというか崖にぶっ刺さるように存在しており、駅はあれども駅から延びる線路が見えない不思議な駅となっている。これだけ書くとただの変な駅なのだが、その駅舎内装は一面アズレージョ(ポルトガル名産のタイル)による壁画で覆われており、世界一美しい駅のひとつにも数えられる名建築でもあるので、ポルト観光の際は是非一度ご見学あれ。どこから行っても往復どちらかが長い登り坂だけど
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関連項目
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