カブとは、以下のことを指す。
- カブ(野菜) - アブラナ科アブラナ属の越年草で根野菜。カブラ、スズナ等とも呼ばれる。詳細は「蕪」を参照。
- カブ(cab) - 「獣の子ども」を意味する英語。カブスカウトやシカゴ・カブスはこの意味。
- カブ - 花札を使ったゲーム「おいちょかぶ」のこと。また、その役のひとつ「カブ」のこと。カードの数字の合計が9。
- 『魔法使いサリー』の登場人物。サリーの弟と称している。
- 2を由来とする『Happy Tree Friends』の登場人物。ポップの息子のクマ。
- ホンダの生産するバイク(原付)またスーパーカブの通称である。由来は2。この記事で記述。
- スーパーカブ(映画)- 6を題材にした2008年の映画
- 6に関連した小説・漫画・アニメ。→スーパーカブ(小説)
- 『ポケットモンスターソード・シールド』の登場人物。→カブ(ポケモン)
- ゲーム『どうぶつの森』シリーズの金策。→カブ(どうぶつの森)
概要
始まりは1952年。自転車に取り付ける補助エンジンシステム「カブF型」がその始まりである。
その後、1958年、スーパーカブC100が誕生しスーパーカブ伝説の幕開けとなる。
排気量はこれまでに生産されたものを含めると、50cc・55cc・70cc・90cc・100cc・110cc・125ccと幅広い。
走ってみた系の動画で投稿されているものには50ccを使ったものが多い。
耐久性・経済性において卓越した実用小型オートバイであり、世界中に輸出・現地生産がなされている。日本国外では特に東アジア・東南アジア諸国で普及している。一部の国では「ホンダ」といえば小型バイクそのもののこととして一般名詞可するほどの影響力を誇る。
2014年の時点でエンジン付きの乗り物として世界一の8700万台以上が生産されており、これは自動車と比較するとフォルクスワーゲン・ビートル(約2100万台)とトヨタ・カローラの全シリーズを合わせた台数(4000万台以上)を合計しても圧倒的大差の凄まじい記録である。
大変燃費が良い事でも知られており、世界中のバイクの中でもっとも燃費が良いバイクと言える。2007年9月からは、50ccクラス全車がPGM-FI(インジェクション)搭載となる。
リトルカブは主に女性をターゲットにカスタムされたカブである。ホイールサイズが14インチにダウンし、車高・シート高を落としている。キック始動オンリーモデルとセルモーター装備モデルの2種類がある。
プレスカブは新聞配達用にカスタムされたカブである。頻繁な発進・停止に適応するために3速セミAT(ロータリー式・自動遠心クラッチ)を採用。完全に停止しなくとも、ニュートラルに入れられるようになっている。そのため、3速全開走行中→N→1速という行為をやらかしてしまうと急激なエンジンブレーキが働いて転倒する危険性があるので注意。そのほかにも、前カゴとリアキャリアが大きくなっており、その重量を支えるためにサイドスタンドやフレーム、ブレーキシステムが強化されている。DX仕様はグリップヒーター付き。
郵便事業株式会社が使用する赤いバイク(ホンダMD50型、MD90型)は「郵便カブ、郵政カブ」などと呼ばれる。
なお、スーパーカブ90は排出ガス規制により2008年9月をもって生産が終了している。
2009年6月10日、スーパーカブ110(形式名:EBJ-JA07)の発売が発表された。(プレスリリース)発売日は2009年6月19日を予定している。
エンジンはタイホンダで製造されているCZ-i 110およびWave 110で使用されているものをベースにしているという。PGM-FIを搭載し、燃費は63.5km/L(60km/h定地走行テスト値)を達成している。
このモデルでは、メインキーとハンドルロックが一体化されており利便性が向上している。
2009年10月6日には、スーパーカブ110プロの発売が発表され(プレスリリース)、2009年10月16日に発売された。位置づけ的には、プレスカブとMD90のいいとこ取りといった感じ。従来のスーパーカブ110との主な相違点は、
- ホイールサイズ:17インチ→14インチにダウン。
※これは、荷物の積み下ろし時や、狭路での取り回しを考慮したため。郵政カブも同様となっている。 - フロントバスケット標準装備のうえ、ヘッドライトが移設されている。
- サイドスタンドを強化タイプに変更。
- 乗車定員が2名→1名にダウン。
※そのため、タンデムステップが撤去されている。 - 車両重量がわずかながらアップ。
※93kg→106kg - なのに何故か燃費が若干ながら良くなった。(60km/h定地走行テスト値)
※63.5km/L→66.2km/L
と、なっている。
2012年2月20日、スーパーカブ110のフルモデルチェンジ(型式名:EBA-JA10)が発表された(プレスリリース) 同年3月16日に発売。
製造が日本の熊本工場から中国の新大洲工場での製造に移行し、従来のモデルよりも価格が21000円安く(249900円→228900円)なった。ヘッドライトやテールライト、全体的な形状は、過去の日本向けモデルを意識したクラシカルなデザインから、海外で普及している四角基調のデザインに変更された。
ちなみに、タイホンダ製のDream(後述)とほぼ同一のデザインである。
2012年5月17日、スーパーカブ50のフルモデルチェンジ(型式名:JBH-AA04)が発表された(プレスリリース) 同年5月25日に発売。
従来のモデルよりも価格が48300円安く(236250円→187950円)、馬力が0.3PSほどアップしている。また、これも110cc版同様、日本の熊本工場から中国の新大洲工場での製造に変わっている。110ともども、日本製でクラシカルなデザインにとにかく拘る、日本製の昔ながらのスーパーカブ好きには、ちょっと残念なお知らせである。
なお、リトルカブおよびプレスカブはこれまでどおり日本の熊本工場での生産が継続されている。
2017年10月19日、スーパーカブ50および110のフルモデルチェンジ(型式名:2BH-AA09)が発表された(プレスリリース) 同年11月10日に発売。
スタイリングは伝統の丸目ヘッドライトに回帰、生産拠点も中国から再び日本の熊本製作所に移管された。視認性向上と省エネルギーを両立させたLEDヘッドライト&メーターパネルを採用、エンジンやボディサイドカバーの形状も見直されメンテナンス性も向上されている。
2018年6月28日、スーパーカブ発売60周年の節目にシリーズ初の125ccモデル・C125(型式名:2BJ-JA48)が発表された(プレスリリース) 同年9月14日に発売。
初代モデルC100を現代風にモデファイしたレトロモダンなスタイリングに、グロム・モンキー125に搭載されていた新型125ccエンジンを搭載、スマートキー、LEDヘッドライト&灯火ランプ、アルミダイキャストホイールにディスクブレーキ等々豪華先進装備を盛り込んだ車体は一部のカブ好きからは贅沢すぎると囁かれたとかなんとか。
なお生産はタイ、発売もタイの方が早い。
スーパーカブ50の生産終了
2022年11月に施行されたユーロ5基準令和2年排ガス規制で50cc車に猶予されていた規制が2025年11月より適用されるのを受け、50ccの排気量では排気による触媒加熱量の不足など排ガス規制をクリアするのが技術的に困難な事から、2024年6月にホンダはスーパーカブ50を含む50cc原付車の生産を2025年中に終了すると発表した。
1958年のC100以来一貫して生産されてきたスーパーカブ50は2025年で幕を閉じる。
なお「原付一種」としては125cc以下の排気量で出力規制をかけた新基準原付が新設される見込みで、スーパーカブ50の後継車としてスーパーカブ110をベースモデルとした新基準原付準拠車が市場投入される予定である。
派生車種
- CT110 / CT125
通称「ハンターカブ」。105ccのエンジンを搭載し、約7.6馬力を発生する。マフラーが高い位置にあるのが特徴。トランスミッションは4速セミAT(自動遠心クラッチ)。スーパーカブでは、シフトペダルの前側を踏み込むとシフトアップ・後ろ側を踏み込むとシフトダウンだが、CT110では逆になっている。ロータリー式ではないので、たとえ停車しても4thからニュートラルに戻すことは出来ない。
オフロードタイプのカブで、オーストラリアやニュージーランドで農作業用オートバイ・郵便配達用のオートバイとして活躍する。海外仕様では副変速機を搭載しており、急な坂道を楽に登ることが可能。
2020年にフルモデルチェンジを受け、排気量も125ccにアップ。 - ウェーブ(Wave)
タイホンダで製造されているオートバイ。110ccモデルと125ccモデルが存在する。トランスミッションは4速セミAT(自動遠心クラッチ)。カブ系の車両ではあるものの、その見た目は日本人の知るスーパーカブとはかけ離れているのが特徴。スポーツバイクのカウルをまとい、ディスクブレーキも備えて、スポーツ志向なスーパーカブといったところか。荷物の積載能力は低いが、シート下小物収納スペースを備えている。
ほかにも、110ccモデルには、新開発されたトランスミッション "CVマチック"を搭載した「Wave 110i AT」が有り、変速操作を不要としている。125ccモデルには、シート下になんとフルフェイスヘルメット収納可能な「Wave 125i Helm in」というものも存在する。
なお、このWave系の兄弟車として、CZ-i 110も発売されている。 - ドリーム(Dream)
Waveと同じくタイホンダで製造されているオートバイ。Waveよりもより実用性を重視した造りになっており、現在は110ccエンジンを搭載する。トランスミッションは4速セミAT(自動遠心クラッチ)。見た目は、現行のスーパーカブとほぼ同じである(過去のモデルは見た目が全く別物)。違いは、鍵穴がシャッター付き、ダブルシートとフロントキャリア標準装備等。
余談だがタイでは、丸目のスーパーカブのデザインは、貧乏臭い等の理由で評判が悪いらしい。 - ジョルカブ(Giorcub)
ホンダの原付スクーター「ジョルノ」にスーパーカブ用のエンジンとトランスミッション(4速セミAT・停止時のみロータリー式・自動遠心クラッチ)を搭載した車種。フロア左側にシフトペダルがあるのが特徴。ジョルノと同じくシート下メットインスペース(ハーフキャップタイプのみ入る)を持つ。駆動方式はカブシリーズと同じくチェーンドライブを採用している。 - CC110 クロスカブ
2013年5月22日公開、同年6月14日発売開始。CT110の後継モデル。JA10型の中国生産モデルをベースにしている、クロスオーバーツーリングモデルである。
スペック
50cc
車名 | スーパーカブ50(~2012.04 日本生産モデル) | プレスカブ50 | リトルカブ50 | スーパーカブ50(2012.05~ 中国生産モデル) | スーパーカブ110プロ('12年以降・中国生産モデル) |
形式名 | JBH-AA01 | JBH-AA04 | |||
フレーム形式 | バックボーン | ||||
エンジン形式名 | AA02E | AA04E | |||
排気量 | 49cc | ||||
気筒数 | 単気筒 | ||||
冷却方式 | 空冷 | ||||
ストローク数 | 4ストローク | ||||
吸排気弁構造 | OHC | ||||
内径×行程 | 39mm×41.4mm | 37.8mm×44mm | |||
圧縮比 | 10 | ||||
最大出力 | 3.4PS/7000rpm | 3.7PS/7500rpm | |||
最大トルク | 0.39kgf/5000rpm | 0.39kgf/5500rpm | |||
エンジン始動方式 | キックのみ (カスタムはセルモーターも装備) |
キックのみ | キックのみ (セルモーターはオプション) |
キック&セルモーター | |
点火装置 | フルトランジスタ・バッテリー点火 | ||||
燃料供給装置 | PGM-FI(電子制御式燃料噴射装置) | ||||
トランスミッション | 3速セミAT・自動遠心クラッチ (カスタムのみ4速) |
3速セミAT・自動遠心クラッチ (ロータリー式) |
3速セミAT・自動遠心クラッチ (セルモーター付きのみ4速) |
4速セミAT・自動遠心クラッチ | |
燃料タンク容量 | 3.4リットル | 4.3リットル | |||
サスペンション | 前:ボトムリンク式 後:スイングアーム式 | 前:テレスコピック式 後:スイングアーム式 | |||
ブレーキ | 前後とも機械式リーディングトレーリング | ||||
タイヤサイズ | 前後とも2.25-17 33L | 前:2.25-17 33L 後:2.50-17 38L |
前:2.50-14 32L 後:2.75-14 35P |
前後とも60/100-17 33P | 前:70/100-14 37P 後:80/100-14 49P |
全長/全幅/全高 (単位はmm) |
1800/660/1010 (カスタムは1835/660/1030) |
1840/660/1010 (DXは1840/675/1020) |
1775/660/960 | 1915/700/1050 | 1900/720/1050 |
地上最低高 | 130mm | 115mm | 135mm | 130mm | |
シート高 | 735mm | 705mm | 735mm | ||
ホイールベース | 1175mm (カスタムのみ1180mm) |
1180mm | 1185mm (セルモーター付きのみ1190mm) |
1215mm | 1225mm |
最小回転半径 | 1.8メートル | 1.9メートル | |||
乾燥重量 | 75kg(スタンダード) 76kg(DX) 79kg(カスタム) |
83kg | 75kg 77kg(セルモーター付き) |
公式未発表 | |
車両重量 | 79kg(スタンダード) 80kg(DX) 83kg(カスタム) |
87kg | 79kg 81kg(セルモーター付き) |
95kg | 106kg |
燃費 (30km/h定地走行燃費) |
110km/L (カスタムのみ116km/L) |
106km/L | 109km/L (セルモーター付きのみ113km/L) |
110km/L | 95km/L |
ボディカラー | プコブルー×ココナッツホワイト ブラック タスマニアグリーンメタリック×ココナッツホワイト バージンベージュ×ココナッツホワイト ムーンストーンシルバーメタリック×ブラック ブラック+レッドホイール(55周年記念限定車) ファイティングレッド(55周年記念限定車) |
スマートブルーメタリック バージンベージュ パールバリュアブルブルー パールハーベストグリーン パールプロキオンブラック |
パールバリュアブルブルー | ||
価格 | 20万4750円(スタンダード) 21万5250円(DX) 23万6250円(カスタム) |
22万1550円(スタンダード) 23万6250円(DX) |
21万6000円(3速・キックオンリー車) 23万7600円(4速・セルモーター付き) 25万7040円(55周年記念限定車・全車4速セルモーター付き) |
19万3320円 | 21万4920円 |
110cc
車名 | スーパーカブ110('11年まで・熊本生産モデル) | スーパーカブ110プロ('11年まで・熊本生産モデル) | スーパーカブ110('12年以降・中国生産モデル) | スーパーカブ110プロ('12年以降・中国生産モデル) | クロスカブ |
形式名 | EBJ-JA07 | EBA-JA10 | |||
フレーム形式 | バックボーン | ||||
エンジン形式名 | JA07E | JA10E | |||
排気量 | 109cc | ||||
気筒数 | 単気筒 | ||||
冷却方式 | 空冷 | ||||
ストローク数 | 4ストローク | ||||
吸排気弁構造 | OHC | ||||
内径×行程 | 50mm×55.6mm | ||||
圧縮比 | 9 | ||||
最大出力 | 8.2PS/7500rpm | 8.0PS/7500rpm | |||
最大トルク | 0.86kgf/5500rpm | 0.87kgf/5500rpm | |||
エンジン始動方式 | キックスターター&セルモーター | ||||
点火装置 | フルトランジスタ・バッテリー点火 | ||||
燃料供給装置 | PGM-FI(電子制御式燃料噴射装置) | ||||
トランスミッション | 4速セミAT・自動遠心クラッチ | ||||
燃料タンク容量 | 4.3リットル | ||||
サスペンション | 前:テレスコピック式 後:スイングアーム式 | ||||
ブレーキ | 前後とも機械式リーディングトレーリング | ||||
タイヤサイズ | 前:2.25-17 33L 後:2.50-17 43L |
前:70/100-14 M/C 37P 後:80/100-14 M/C 49P |
前:70/90-17M/C 38P 後:80/90-17M/C 44P |
前:70/100-14 37P 後:80/100-14 49P |
前後とも2.75-17 41P |
全長/全高/全幅 (単位はmm) |
1830/710/1040 | 1845/715/1045 | 1915/700/1050 | 1900/720/1050 | 1945/815/1150 |
地上最低高 | 140mm | 105mm | 135mm | 130mm | 155mm |
シート高 | 735mm | 784mm | |||
ホイールベース | 1190mm | 1205mm | 1210mm | 1225mm | 1225mm |
最小回転半径 | 1.8メートル | 1.9メートル | |||
車両重量 | 93kg | 104kg | 98kg | 107kg | 105kg |
燃費 (60km/h定地走行燃費) |
63.5km/L | 66.2km/L | 63.5km/L | 66km/L | 62.5km/L |
ボディカラー | スマートブルーメタリック バージンベージュ パールバリュアブルブルー パールシルキーホワイト パールプロキオンブラック |
パールバリュアブルブルー | パールコーンイエロー ファイティングレッド |
||
価格 | 249900円 | 289800円 | 23万5440円 | 25万7040円 | 28万6200円 |
関連動画
関連項目
- 本田技研工業(ホンダ)
- バイク
- 原付
- ヤマハ・メイト(ヤマハ製そっくりさん?)
- スズキ・バーディー(スズキ製そっくりさん?)
- 水曜どうでしょう(だるま屋ウィリー事件)
- TopGear(シリーズ12 ベトナムスペシャルでジェームズ・メイが50ccモデルに搭乗)
- スーパーカブ(小説)- ライトノベルおよびこれを原作とする漫画・アニメ
外部リンク
- 本田技研工業株式会社:バイクラインアップ
- タイホンダ・Wave 125i (輸入代理店「エンデュランス」の公式ホームページ)
- タイホンダ・Wave 125i Helm in(輸入代理店「エンデュランス」の公式ホームページ)
- タイホンダ・Wave 110i (輸入代理店「エンデュランス」の公式ホームページ)
- タイホンダ・Wave 110i AT (輸入代理店「エンデュランス」の公式ホームページ)
- タイホンダ・CZ-i 110 (輸入代理店「エンデュランス」の公式ホームページ)
- タイホンダ・Dream 110i (輸入代理店「エンデュランス」の公式ホームページ)
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