この項目は内容が少ないです。 調べものなどの参考にはなりますが絶対的に内容が不足しています。 加筆、訂正などをして下さる、兵器に詳しい協力者を求めています。 |
鹵獲(ろかく)とは、敵の持つ兵器や装備[1]などを回収もしくは奪い取るなどして入手する行為を指す、軍事用語である。
「接収」あるいは「捕獲」ともいうが、捕獲は主に生物を捕えるときなどに使うものであり、兵器を捕獲する行為が「鹵獲」である。鹵獲された兵器は文字通り「鹵獲兵器」と呼ぶ。
上記が鹵獲を行う主な理由である。人間の軍事技術は日々進歩しており、敵対勢力の武器や装備などを調査・解析することにより相手の技術を手に入れ、有益な情報ならば自軍に取り込むことで自分たちの側を強化できるため、相手を牽制する手法として有効となる。
逆を言えば、やむをえず故障や攻撃によって行動不能になり乗り捨てる際などは敵に鹵獲されてはまずいため、爆薬などで自爆させ破壊、使用不能にするといった処置が取られる。ミサイルなどは遠隔操作での自爆や発射後一定時間経過で自爆するものもある。
また、物量的な意味で言えば、単純に敵軍兵器を1減らして自軍兵器を1増やすことになるため生産の手間や材料が必要なく、敵軍に比べ国力の劣る国家が戦争時に行っていたこともあった。 [2]ただし元が敵の兵器のため、味方が敵と間違えて誤射しないよう明確に分かる識別用のマーク等が施される。
鹵獲の歴史は遥か昔から存在しており、古くは古代中国の時代から行われてきた(古代中国の歴史書にも鹵獲という言葉がある)。日本でも諸外国との戦いにおいて鹵獲を行ったことがあり、それらの行為は日本軍の調査研究と戦力向上に貢献したが、逆に相手側に鹵獲され研究されたものもあった。
現代においては、アメリカ側の無人偵察機がイラン側に回収されている(関連リンク参照)。
ちなみに、ガンダムにおいては鹵獲は日常茶飯事である。 →「ガンダムは盗むもの」を参照
専門的な言葉では、鹵獲した兵器類(本物・完成品)を分解して、構造や仕組みを調べる事を
「リバースエンジニアリング」と呼ぶ。(鹵獲されて性能・弱点が調べられたゼロ戦などが良い例)
※百科記事があるもののみ掲載
■鹵獲したもの
兵器 | 種別 | 生産 | 説明 |
---|---|---|---|
ZB26 | 機関銃 | チェコスロバキア | 日中戦争中に中国のライセンス生産品を工廠ごと鹵獲 |
M1ガーランド | 小銃 | アメリカ | 南方戦線にて鹵獲、横須賀工廠で解析されている。 |
トンプソン・サブマシンガン | 機関銃 | アメリカ | シンガポール、フィリピンなどで鹵獲。 |
ブローニングM2重機関銃 | 機関銃 | アメリカ | 資料不明 ※梅本弘『ビルマ航空戦』では鹵獲品を使ったという記述あり |
B-17 | 爆撃機 | アメリカ | シンガポール、ジャワ島などで鹵獲。 技術解析後は展覧会やプロパガンダ映画に出演。 |
エンフィールド(小銃) | 小銃 | イギリス | 戦場写真に写っていたり、青年学校で配給されたりしている |
M4中戦車 | 戦車 | アメリカ | 硫黄島の戦いにおいて行動不能になったものを砲台代わりに使用。ビルマ(ミャンマー)で故障中だった一両が鹵獲され、米軍と交戦。 |
M3軽戦車 | 戦車 | アメリカ | ビルマ(ミャンマー)で無傷のものを部隊規模で鹵獲。 |
スチュワート | 駆逐艦 | アメリカ | インドネシアで放棄されていたのを鹵獲、護衛艦として使用 |
BT-5/BT-7 | 戦車 | ソ連 | ノモンハン事件後に鹵獲、研究目的で使用。 |
■鹵獲されたもの
兵器 | 種別 | 鹵獲 | 説明 |
---|---|---|---|
零式艦上戦闘機(ゼロ戦) | 戦闘機 | アメリカ | アラスカに墜落したものをアメリカ軍が鹵獲 |
四式戦闘機 | 戦闘機 | アメリカ | フィリピンなどで鹵獲。戦後アメリカでテストされている。 |
三八式歩兵銃 | 小銃 | 連合国 ソ連・中国 その他多く |
大日本帝国参加の国にも供与された品。 アジアの一部地域では猟銃としていまも現役だとか。 |
九七式中戦車 | 戦車 | アメリカ・ソ連・中国 | アメリカは東南アジア各地で複数鹵獲、研究目的で使用。ソ連は占守島で鹵獲。中国共産党が武装解除時に鹵獲、内戦に使用。 |
※百科記事があるもののみ掲載
兵器 | 種別 | 生産 | 鹵獲 | 説明 |
---|---|---|---|---|
Stg44 | 小銃 | ドイツ | 連合国 その他 |
世界初の突撃銃。戦後これを基点として突撃銃が世界に広まった |
AK-47 | 小銃 | ソ連 | アメリカ | ベトナム戦争でアメリカ軍側の銃器事情により鹵獲して使う者が続出した |
クレイモア | 地雷 | アメリカ | ベトナム | ベトナム戦争時に軍からの横流し品をベトコンが使用 |
ミラージュ | 戦闘機 | フランス | イラン | イラン・イラク戦争ののちイランが賠償代わりとして接収 |
T-34 | 戦車 | ソ連 | ドイツ フィンランド |
第二次大戦にてドイツ・フィンランドが鹵獲、運用 |
T-26 | ||||
T-28 | 戦車 | ソ連 | フィンランド | 第二次大戦にてフィンランドが鹵獲、運用 |
AFV | 戦闘車両 | |||
T-62 | 戦車 | ソ連 | イスラエル | 第四次中東戦争でイスラエルが鹵獲、運用=チラン |
81式自動歩槍 | 小銃 | ミャンマー | 武装勢力 | ミャンマー北部の武装勢力が政府軍の銃を鹵獲しコピー生産。[3] |
RQ-170 | 偵察機 | アメリカ | イラン | 2011年に撃墜したとイランが発表。 [4] |
アニメ・ゲーム
脚注
- *銃、弾薬、水・食料、燃料、車両・航空機・船舶といった種別は問わない(無傷とは限らない)
- *ただし、自国の備品と規格が合わなければ補給ができないためそれをそのまま使用し続けるのは難しく、使い捨てで行われることもある。
- *本来、81式自動歩槍は中国の小銃である。しかし鹵獲された政府軍の小銃はミャンマー政府が第三国を通して得たオリジナルを解析・生産して配備したコピー品であるため、生産をミャンマーという扱いにしている。ちなみにそれをコピーした武装勢力のものはコピー品のコピー品となる。 → 武器は「中国製のニセモノ」が主役!? ミャンマー北部の戦闘で=人民日報系サイト (2015-01-19 22:21)
- *イラン、「米無人偵察機のコピーを製造中」 国営テレビで発表 (AFPBB News 2012年04月23日 11:14)
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