飴とは、もち米やイモなどの澱粉を、糖化させて作った日本の古来のお菓子である。甘い。
現在ではまた砂糖や水飴を熔かして固めた砂糖菓子であるキャンディーなども含めて飴ということが多い。
概要
もち米、うるち米、もち粟、トウモロコシ、サツマイモなどからとった澱粉を、麦芽などに含まれる酵素や酸を用いて糖化して作る。
日本で古くから製造され嗜好品としての他に、調味料や薬としても用いられた。また栄養価が高いので忍者の携行食や、糧食にも用いられたという。日本書紀には飴(たがね)という食物が登場するが、これがあめかどうかは定かではない。ただ延喜式には飴の記載があり、平安中期にはすでに作られるようになっていた。
主な種類
- 麦芽飴 - 米などの澱粉を麦芽の酵素によって糖化したもの。水飴
- きなこ飴 - 水飴にきなこを混ぜ固めたもの。
- さらし飴(白飴) - 水飴と砂糖を煮詰め、熱したものを伸ばしたもの。気泡により白く見える
- 赤飴 - 水飴と砂糖を煮詰め、熱したものを冷やしたもの。
- 千歳飴 - 紅白のさらし飴を長く棒状にしたもの。縁起物として七五三のときに配られる
- 有平糖(あるへいとう) - 水飴と砂糖を混ぜ煮詰め、色を加え冷める前に細工をしたもの
漢字として
飴
- Unicode
- U+98F4
- JIS X 0213
- 1-16-27
- 部首
- 飠部
- 画数
- 18/19画
- 意味
- 麦芽糖、あめ、食べさせる、やしなう、という意味がある。また貽と通じて贈るという意味がある。
- 〔説文解字(段注本)〕には「米糱を煎ずる者なり」とある。糱は発芽米。
- 字形
- 形声で声符は台。
- 音訓
- 音読みはイ、訓読みは、あめ。
- 規格・区分
- 常用漢字ではない。JIS X 0213第一水準。
- 語彙
- 飴塩・飴蔗・飴蜜
異体字
- 𩛛は、〔説文〕にある籀文。「飴、異の省に從ふ」とある。
- 䬮は、〔玉篇〕にある古文。
- 𥹋は、〔康煕字典〕にある異体字。
- 𨭄は、〔字彙補〕に飴と同じとある異体字。
- 𩛮は、〔字彙補〕に飴と同じとある異体字。
- 𩞫は、〔玉篇〕に飴と同じとある異体字。
- 簡体字は饴。
関連項目
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