概要
洗脳(brainwashing)とは、物理的暴力、及び精神的圧迫によって他者の思想・主義を根本から変えてしまうこと。
物理的暴力とは拷問・薬物の使用、精神的圧迫とは罪の意識の植え付けなどが挙げられる。
このように言うと「毒親によって生まれながらに偏った思想を植えつけられた場合は?」という問いが出てくるだろうが、それは虐待、あるいは後述のマインドコントロールのような別ベクトルの問題として捉えるのがよいだろう。
日本語の「洗脳」は英語の「brainwashing」を直訳したものであると言われる。そして英語「brainwashing」は朝鮮戦争の際に中国軍の捕虜となった米兵が受けた思想教育を指して1950年代に使われ始めたものであるとされ、第二次世界大戦後に生まれた比較的新しい言葉である。
洗脳とマインドコントロール
洗脳と「マインドコントロール(精神操作)」は混同されることが多いが、実は異なる概念である。
強制的な方法によって他者の思想を捻じ曲げる「洗脳」とは異なり、マインドコントロールは自然に他者の思考や意思をあらかじめ用意した結論に誘導し、操る手段である。
具体的な例を挙げれば、アニメや漫画等でよく見られる「変な機械に入れられて、電気を流されたり映像を流されたりして強制的に認識を書き換えられる」ようなのが典型的な「洗脳」。宗教の描写などでよく見られる「誰かと一緒にいて言葉を聞くうちに、その人が言っていることが全て真実だと信じ込んでしまう」ようなのが典型的な「マインドコントロール」である。
平たく言えば「本人が嫌がっているのを無理矢理」なら「洗脳」、「本人も気付かないままいつの間にか」が「マインドコントロール」。
なので、創価学会に関して「洗脳」というワードがよく使われるが、彼らの手法はどちらかと言うと「マインドコントロール」に近い。
ただし、日本では一般人に馴染みのある概念ではなく、それこそ漫画やアニメに出て来るようなイメージしかないこともあってか、実際のところはこの二つを明確に区別せずに使われることも多い。
ニコニコにおける「洗脳」
ニコニコでは中毒性の高い動画を視聴し続け、虜になっている状態を「洗脳された」と表現する傾向がある。
また、「宗教に騙された、没頭している人物」への煽り文句、及びレッテル張りのワードとして用いる向きもある。創価学会などの動画ではそのような傾向が度々見られる。
ドナルド・マクドナルドを頂点とするドナルド教では、ランランルーや布教の事を洗脳と称している。熱心な信者(ファン)は洗脳されたと言えよう。
創作物などでは
漫画やアニメ、ゲームといった創作物には、おなじみの演出として昔から使用されている。この場合、上記のような暴力や精神的圧迫による洗脳とは毛色が異なる。
何らかの方法で本人の意志や心を消され、敵の思うままに操られる事を、あるいはそれに準ずる展開を洗脳と呼称する。
主人公の仲間や近しい人物が敵に捕まり、洗脳ないし催眠で手先にされる展開は黄金パターンと言える。洗脳を施された者はレイプ目になるのが通例だが、近年では目のハイライトを消さない作品も増えてきている。主人公側の戦力を確実に減らし、敵勢力の戦力が増えるので純粋にピンチを演出できる他、ヒロインのような守るべき存在が敵に回った時の喪失感や衝撃は、視聴者にも及ぶ。同時に、かつての仲間と戦わなければならない試練を与える事で葛藤や苦悩を描写したり、敵の非道性を表現する事ができる。大抵の場合はすぐに解けるが、終盤に入るまで解けなかったり(シャイニング・ブレイド等)と期間は千差万別。洗脳が解けないまま死ぬパターンは希有である。
敵陣営が洗脳を使う理由としては、「主人公側の超兵器の始動キーになっている」「スパイとして破壊工作を行わせる」「戦力の増強」「愛する者の手によって主人公が葬られる所を見たい」「自分の花嫁もしくは花婿にするため」「主人公側に脅しをかける」「裏切らせる事で精神攻撃」等々。
洗脳により敵陣営に与する事になっても、それは本人の意思では無い事から裏切りとは別の扱いとされる。このため誠実な仲間と主人公の対戦カードを実現するのに洗脳は打ってつけである。心優しい人物が洗脳されて残虐行為に加担させられた場合、洗脳解除後に凄まじい罪悪感と悔悟の念に襲われ、苦しめられるという後味の悪い展開が待っている。
洗脳の手法は主に魔法(催眠)、装置にかける、装飾品の着用、寄生、薬物投与、脳手術、甘言による誘導、特殊な食べ物や飲み物の摂取、香水といった特殊な気体を吸引させるなど。洗脳は敵勢力の特権みたいなもので、主人公側が積極的に使用する事は殆ど無い。ただ18禁ジャンルではその限りではない。
主人公や友人に対し何かしらの劣等感or大切なものを守りたい意志を持っていた場合、そこを突かれたり増幅させられる事で洗脳されるケースも確認されている。
基本的には操っている術者や装置、装飾品を破壊する事で解放される。一方で薬物の投与や脳手術されていた場合は後遺症が残ったりして、一筋縄では治らないケースがある。たまに洗脳から派生して悪堕ちやNTRになる展開がある。洗脳中は本人の意識が無く、解放後も覚えていないパターンが多いが、朧気ながら洗脳中の出来事を覚えていたり、望まぬ事をやらされて涙を流す場合もある。また、主人公側の呼びかけで意識が覚醒し、自力で洗脳から逃れる変化球も。自意識はあるものの「○○しなくてはならない」という強迫観念や刷り込みにより、敵の思うように操られてるパターンもある。
少年・少女向け作品でも使用される手法である事から一定の人気を獲得しており、エロ方面では単体でジャンルが出来上がるほどの需要がある。エロ方面ではほぼ女性キャラクターが被害者になる。
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関連項目
創作物での主な洗脳の被害者(加筆お待ちしてます)
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