書籍の一ジャンル。また、新書特有の、文庫版よりやや大きな判型を、新書版という。
新刊書とは異なる。
(3)新書とは 小出鐸男
いくつかの新書の誕生を実例としてみるのに先立ち、まず新書とは何か、その定義をするとともに新書の歩みを概略みておこう。
わが国の出版界で新書という場合、本の大きさや造本上の体裁を示す言葉であったり、ある特定のシリーズ物の固有名詞であったりとその用法は様々である。事実、わが国の新書の草分けを自他共に認める岩波新書が登場した1938年(昭和13)年以前にもいくつかの新書版の本はあった。しかし、新書という名称がシリーズ物として広く出版界で認知されるようになったのは、第2次大戦後のことである。その定義については数多くの見解があるが、大方のみるところは、
- カバーや見返しの有無に関係なくペーパーバックスである
- 判型はB6判より小さい40判(B全判から片面40ページが取れる大きさ)が基本だがその変形もある
- 初版部数がある程度見込まれる廉価本で、ページ数は200前後
- 定期かつ継続的に出版できる一般啓蒙書で読みやすさを重視
- 書下ろしが原則で、対称とする分野は各種の解説・読物から随想まで間口は広い
- 単発的なベストセラー狙いではなく、どちらかといえばロングセラーを指向
などが条件となっている(*2)。したがって叢書とかブックス、時には文庫と銘打つ新書もいくつかあるし、またその反対に四六判やA5判で新書と銘打ったものも少なくない。そこで本稿では変形を含むB40判で廉価な一般向けの本を新書の定義として考察する。http://www.azumabooks.co.jp/hon3_index.htm
日本では1938年創刊の岩波新書に始まる。