訓読 >>> 今造る久邇(くに)の都は山川の清(さや)けき見ればうべ知らすらし 要旨 >>> 新しく造られる久邇の都は、山川の清らかさを見れば、ここに君臨なさることはもっともなことだと思われます。 鑑賞 >>> 大伴家持が、天平12年12月から同16年2月までの間に都とされた恭仁京を讃めて作った歌。「うべ」は、なるほど、いかにも。「知らす」は、天下を御支配になる意。この歌が詠まれたのは天平15年8月で、大宮の造営に着手したのが同12年12月なので、3年目を迎えてもまだ完成せず、工事中だったようです。しかし、この年の12月に、恭仁京の造営は停止となり、離宮である紫香楽宮(しがらきのみや)の造営が…