毎年、10月末から11月頭にかけて、奈良市の国立博物館にて、正倉院展が開かれる。 私はこれが楽しみでほぼ毎年行っている。 8世紀、聖武天皇(701~756)の時代、歴史上初の非皇族から立后した(と言っても藤原氏であるが)光明皇后が、同天皇が愛用された遺品を中心に寄進、保存なさった品々が、76回の展示を経てもなお、すべて展示しきれていないほどの宝が眠っている正倉院。これほどまでの遺産が、しかも、1300年以上保管され続けているなんて、感動せずにはいられない。日本とはなんとすごい国なのだ。アメリカなんかこの当時影も形もなかった。 ちなみに、正倉院の扉を開き、中のものを取り出すには、毎回、今上天皇の…