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保護国

(一般)
ほごこく

近代帝国主義国による植民地化のプロセスで登場する単語だが、それに限定されない。近代帝国主義時代の保護国化とは一方で独立を保障しながら、他方で外国権を侵害し独立を否定するという本来的な矛盾をかかえもっていた。

歴史学のうえでいう保護国は、ある国による他国の政治的保護関係を示す用語として広く使用されている。そのため、宗属関係にある宗主国と藩属国との関係についても用いられる場合もある。(中略)一般に近代帝国主義の保護支配とは伝統的な宗属関係の否定のうえに成立する。ベトナムに対する清国の宗主権を清仏戦争によりフランスが排除し、保護国としたように、あるいはイギリスがオスマン帝国の宗主権を否定してエジプトを保護国としたように。(中略)

 外交用語としての保護関係は、第三国から独立を脅かされる状態にある国家の独立を保障するため、ある特定の国が保障を与える関係である。これに対して国際法上の用語としての保護関係は、保護を与える国が被保護国の外交権の一部あるいは全部を奪い、外交機能を代行する関係である。外交権は、国家が国際法上の権利能力、法的人格を有することを示す最大の主権であるから、外交権を失えば、その他の主権を保持していようとも、その国家は国際法上の主体ではなくなる。宗属関係のもとでの藩属国は独立国であるが、近代的保護関係のもとでの隷属国家は独立国とはいえないのはそのような意味である。
「韓国併合 海野福寿」p126

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