広島県安芸高田(あきたかた)市の山あいの集落で、両親とおばあちゃん、山で保護した犬「てん」と暮らす水戸家のmizutomidoriさん。お父さんの実家である今の家に移住して7年目、愛犬てんと家族のにぎやかな暮らしのレポートをお送りします。今回はこの時季に欠かせない「天日干し」をご紹介します。
秋から冬は天日干しにぴったり
安芸高田市の里山では、山の木々もすっかり紅葉して秋が深まってきました。秋から冬にかけてのこの時季は、空気が乾燥していて天日干しにぴったりの季節です。
とくに豆類は次々に収穫してムシロに広げて干すので、家の前は小豆(あずき)や大豆でいっぱい。陽に当たって乾燥してくると、そのうちひとりでにパチパチとさやの弾ける音がして、中から豆が現れます。大量に干してしっかり乾燥させるにはやはり天日がいちばんで、カラッとした快晴が続くとうれしくなります。
この時季には豆以外にも乾燥させたいものがたくさんあります。キノコ、野菜、銀杏(ぎんなん)、山椒の実、来年用に取っておく種、ハーブなど。霜が降りるとダメになってしまうものも、冬に向けて天日干しにします。
春はお茶の葉や竹スルメ、夏は梅干し
秋以外だと、春はお茶の葉や竹スルメ(幼竹を茹でて味つけをしたもの)を干したり、夏にはハブ草茶や梅干しも並びます。梅の土用干しは3日間かけて干すので、天気予報をチェックして晴れの続く日を狙って行います。
広島市内に住んでいたころも小さなベランダで母が干し野菜をつくっていましたが、田舎に移住してからは太陽や雨のありがたさを身にしみて感じるようになりました。とくにおばあちゃんはいつも空模様を気にしていて、天気のいい日は「お日さんが出とる」「日顔(ひがお)がしとる」とうれしそうです。
家の周りは霧がかかることはあまりなく、朝早くからしっかり陽が差しますが、15時頃になると日陰になってしまいます。そのため朝はすぐに干しものを外に並べて、にわか雨に注意しながらたまにひっくり返したり、日向に移動させたりとお世話します。
寒い時季は薪ストーブをたいているので、雨の日や夜の間は出できるだけ家の中に持ち帰って薪ストーブの前でも広げて乾燥させています。この場所は愛犬てんのお気に入りでもあるので、最近は大豆とてんの場所の取り合いです。
カボチャやサツマイモも収穫が終わり、豆仕事も残すところあと少しになりました。先日ついに初霜がおりて寒さが増してきましたが、そんななかでも晴れた日差しの下はぽかぽかと暖かで、みんな気持ちのよい時間を過ごしています。
【mizutomidori】
広島県安芸高田市の祖父母の家へ移住して7年目。家族とおばあちゃん、犬のてんとの田舎暮らしの日常をInstagramで発信中。