楽天の原動力は、1,000人のエンジニア集団
日本のネット企業の代名詞ともいえる楽天株式会社。「世界一のインターネット・サービス企業を目指す」とのポリシーを裏づけるように、出店店舗数 約2万6,000社余(2008年12月現在)を誇る、日本最大のインターネットショッピングモール「楽天市場」や「楽天トラベル」、「楽天証券」「楽天KC」「インフォシーク」など、合計30種類以上にもおよぶビジネス分野でWebサービスを提供している。
その楽天のサービスの原動力となっているのが、同社の開発部門だ。巨大なビジネス規模にふさわしく、1,000名体制のエンジニア集団が常時200以上のプロジェクトを動かしているという。今回は、その楽天開発チームにクローズアップして、お話をうかがった。
改めていうまでもないが、ショッピングモール「楽天市場」を始め、楽天の提供するサービスはすべてがネットワーク上で提供されている。これらの多岐にわたるサービスを横断的に支えているのが、同社の開発部門だ。システムからアプリケーション、ハードウェア、ネットワーク、そしてサービスアーキテクチャそのものの設計・開発まで、楽天のサービスの基盤にかかわる技術はすべてこの開発部門に集中され、各事業ごとの担当チームによって開発・運用が行われている。いわば、楽天のサービス・テクノロジーの心臓部である。
「当社のシステムは、一度作ったらそこで完成ではありません。お客様や出店されている店舗様の使い勝手を考えながら、それぞれのサービス部門ごとに機能の改善・追加を常に行っています。たとえば、楽天市場台湾は、初の海外進出として5月に開業しましたが、台湾の店舗様・お客様のさらなる利便性を目指し、追加機能を続々リリースしています。また、楽天の決済機能を使って外部にあるさまざまなサービスを利用いただける“決済機能の外出し”といった試みにも挑戦しています」と、開発部 開発人材課 開発人材グループ マネージャーの坂下未穂氏は語る。
自己申告によるスキルアップのコース選択が可能
日々変化するWebサービスに合わせて、1,000名を超える開発部隊を整然と、しかも効率的に稼働させていくには、各人の適正と能力を最大限に活かす人事制度が不可欠だ、そうした楽天の人事制度の中でもとくに注目したいのが、独自のキャリアパス制度である。同社では、開発部門の業務分野に応じて、各人が自ら描くキャリア像に向かってステップアップしていくことができる仕組みを整備している。
「開発部門の中の5種類の業務分野――プロデューサー系、アプリケーションエンジニア系、システムエンジニア系、管理業務系、そしてサービスのデザインやディレクションを手がける編成系――があり、それぞれにスキルや経験に応じた5段階のランクが設定されています。社員はその指標のもと、それぞれの選択したキャリアパスに沿ってスキルアップを図っていくことになります」(坂下氏)(この続きはCAREERzineでどうぞ!)