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5分でわかるActiveReports帳票-ActiveReports Server(応用編)

ActiveReports for .NET 9.0Jで作るサンプル帳票(8)

 本連載では、帳票コンポーネント「ActiveReports for .NET 9.0J」の新機能を使用して帳票アプリケーションを作成する方法を解説します。第8回の今回は、9.0Jで追加された新機能である「ActiveReports 9.0J Server」の応用的な使用方法について説明します。なお、ActiveReports 9.0J ServerはProfessional版のみの機能です。

備考

 ActiveReportsを使用した帳票アプリケーションの基本的な作成方法については、これまでの連載記事も併せてご参照ください。特に、1つ前のバージョンである7.0J をもとに解説した2013年度版の記事は、9.0Jでもそのままご利用いただける内容となっています。また、2007/2008年度版の記事は3.0Jをもとに解説していますが、3.0Jのレポートと9.0Jのセクションレポートは名前空間や一部のAPIを除いて同じレポート形式であるため、セクションレポートの概念や基本的な使い方についてはこちらもご活用ください。

はじめに

 ActiveReports 9.0J Server(以下、ActiveReports Server)はActiveReportsで作成した帳票の運用、管理環境として動作するサーバー製品です。第6回第7回ではActiveReports Serverの基本的な使用方法について説明しましたが、今回は監査ログの設定方法、ActiveReportsの帳票デザイナとの連携方法、外部システムとの連携方法など、ActiveReports Serverの応用的な使用方法について、以下の構成で説明していきます。

  • 監査データベースの設定
  • ActiveReportsの帳票デザイナとの連携
  • 外部システムとの連携
  • まとめ

 記事の中で「管理者ポータル」および「利用者ポータル」へアクセスする手順が登場しますが、それぞれへのアクセス方法は第6回の記事をご覧ください。

対象読者

  • 帳票作成ツールに興味のある方
  • 帳票の運用管理基盤を手軽に構築したい方
  • iPad/iPhoneで帳票を閲覧したい方
  • ActiveReportsで帳票開発を行っている方

必要な環境

  • Windows Server 2008/Server 2008 R2/Server 2012/Server 2012 R2
  • .NET Framework 4.5/4.5.1/4.5.2/4.6/4.6.1
  • IIS

備考

 上記のサーバーOSを準備するのが困難な場合は、Windows Vista/7/8/8.1などのクライアントOS上にインストールして動作を試すことも可能です。インストール前の準備として、上記に示したバージョンの .NET Frameworkをインストールし、「Windowsの機能の有効化と無効化」から、「インターネットインフォーメーションサービス」⇒「アプリケーションの開発機能」⇒「ASP.4.5」を設定してください。Windows 8.0以降の場合は、「Windowsの機能の有効化と無効化」から「.NET Framework 4.5」の「WCFサービス」⇒「HTTPアクティブ化」も設定してください。(サーバーOSにおける事前準備はこの記事内に別途記載しています。)インストールの手順は、この記事で紹介する手順と相違ありません。

 ただし、実際に運用を行う際のサポート環境は、上記のサーバーOSのみとなりますのでご注意ください。

監査データベースの設定

 ActiveReports Serverでは、監査設定を有効化することにより、各ユーザーのアクセス履歴などをデータベースに保存することができます。保存先のデータベースにはMicrosoft SQL Server、Oracle Database、MySQL、PostgreSQLが使用可能です。今回はOracle Databaseの無償版であるOracle Database 11g Express Editionを使用して、監査データベースの設定方法の一例を紹介します。

備考

 この記事ではデータベースの新規作成から行う手順を説明していますが、既存のデータベース上に監査用のテーブルを追加し、使用することも可能です。

Oracleのインストール

 Oracle Database 11g Express EditionはOracle Technology Network(OTN)からダウンロード可能です。ダウンロードしたZipファイルをインストールするマシン上に展開し、「DISK1/setup.exe」を実行するとインストールウィザードが表示されるので、使用許諾に同意してウィザードにしたがってインストールを行います。詳細な手順はOracle社が提供しているインストレーションガイドなどをご覧ください。

Oracleのユーザー設定

 ActiveReports Serverはデータベース上に監査情報を保存するテーブルを自動的に作成するので、それらのテーブルを作成・変更できる権限を持ったユーザーを作成します。

備考

 使用するデータベースは、あらかじめ作成しておく必要があります。(既存のデータベースを使用することも可能です。)なお、Oracle Database 11g Express Editionの場合、「XE」という名前のデータベースがインストール時に自動で作成されるので、今回はこちらをそのまま使用しています。

1)SQL*Plusの起動

 スタートメニューから「SQLコマンドラインの実行」をクリックしてSQL*Plusを起動します。

2)データベースへの接続

 SQL*Plusが起動したら以下のコマンドを入力し、データベースに接続します。

SQL> connect / as sysdba

3)ユーザーの作成

 次にユーザーを作成します。以下のコマンドでは「arsuser」というユーザー名で「PASSWORD」というパスワードを設定しています。

SQL> create user arsuser identified by “PASSWORD”;

 ユーザーが作成されたら以下のコマンドでシステム権限を付与します。

SQL> grant connect, resource to arsuser;

次のページ
監査の有効化

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この記事の著者

グレープシティ株式会社 ActiveReportsチーム(グレープシティカブシキガイシャ アクティブレポートチーム)

 宮城県仙台市に本社を構えるグレープシティでは、日本の業務に適したシステムをより早く開発するためのソフトウェアを提供しています。エンドユーザーの利用しやすさ、幅広いユーザー環境への対応、そして何よりプログラマの作業を軽減することを一番に目指しています。 ActiveReportsは、帳票開発に必要なあらゆる機能を備えた当社を代表するコンポーネントの1つ。1998年の発売以来、日本だけでなく全世界で多数の帳票開発者に使用されています。製品開発は同チームが中心になり、「日本仕様」の厳しい要望を実現することを目指しています。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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