「AI(人工知能)エージェント」の実用化が始まった。顧客対応や生産管理、商談など、あらゆる仕事を自律的に遂行できる。作業に行き詰まっても自力で打開し、社員の手を煩わせることはほとんどない。頭脳となる米オープンAIなどのAIモデルのおかげだ。ヤンマーや三井物産、第一生命保険などの先進企業が導入に向けて動き出した。うまくいけば生産性が飛躍的に高まる。乗り遅れるわけにはいかない。(写真=master graphics/stock.adobe.com)
シリーズ
AIエージェントにお任せあれ
全6回
第1回
[新連載]ヤンマーが挑む「社員クローン」、AIエージェント実装段階に
予想よりはるかに早くAIが人間の知性を超えつつある。様々なシステムを操り、誰にも頼らずに仕事を完遂する。そんな夢のテクノロジー「AIエージェント」を先進企業が導入し始めた。ヤンマーでは社員のクローンをつくる構想を練っている。
第2回
進化するアクセンチュア、AIエージェント同士が商談 接待は通用せず
三井物産は社内で構築したAIエージェント同士を2年以内に連携し、複雑な業務を自動化する。アクセンチュアは社内外のAIエージェント同士が商談する未来を描く。接待など人間臭い商慣行は排除される。社員らが有益なデータを惜しみなく与え続けAIエージェントを賢く育てた会社が勝つ時代になる。
第3回
MicrosoftもNTTデータもAIエージェント市場参入、定型業務は丸投げ
IT各社が2024年秋からAIエージェント市場に相次いで参入した。5年後には市場規模が7兆円を超える見通しだ。その頃までには想定外の業務にも自律的に対処できるようになっているが、その半面、不正な便宜や情報漏えいなどAIの暴走を防ぐ仕組みが必須となる。
第4回
買い物はAIエージェントにお任せ、オープンAIやアンソロピック競う
米オープンAIや米グーグルなどが個人向けのAIエージェントを2025年中にも実用化する。対話を通じてAIがユーザーの好みを把握し、膨大な選択肢の中から最適な商品を推薦できるようになる。値引き交渉もお任せだ。企業にとっては手強い折衝相手となる。
第5回
Google1強のネット広告、AIエージェント登場で崩壊の兆し
AIエージェントに気に入られないと商品が売れない時代が近づいている。企業はグーグルの検索や広告に偏重していた販売戦略の見直しを迫られている。技術的にはAIエージェントとの対話を通じて消費者の潜在意識に購買意欲を刷り込むことも可能だ。消費者保護の観点から規制が必要になるかもしれない…
第6回
能登地震で顧客に水届けた第一生命営業員 AI時代でも人の価値は残る
人間性が求められる職業以外はAIが奪い失業者が増えるかもしれない。世界中のAI専門家が社会不安に陥るのを防ぐ方法を真剣に考え始めた。富をうまく分配できれば、誰もが幸せに暮らせる理想郷が実現する。
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