絶好調レクサス NPSが唯一40超え
顧客満足を重視するブランドの顧客推奨度(NPS、ネットプロモーター・スコア)は高い。自動車ではレクサスvsメルセデス・ベンツの高級車対決が決着した。顧客の声に真摯に応えるコンサルティング力こそ競争力を生む。
日経ビジネスが実施したNPS調査の自動車部門でトップになったのはトヨタ自動車の高級車ブランド、レクサスだった。40.2という高いNPSをたたき出し、宿命のライバルともいえるメルセデス・ベンツやBMWなどドイツ勢を突き放した(ランキング表を次ページに掲載)。
顧客からの高い評価は新車の販売台数に如実に表れている。2024年のレクサスの国内登録台数は約8万6000台。メルセデスに3万台以上の大差をつけた。「5万台の壁」と「メルセデスの壁」をなかなか越えられなかったかつての状況から完全に脱したように見える。
多目的スポーツ車(SUV)タイプの「LBX」「NX」「RX」などの車種が販売を引っ張る。25年はレクサスの日本導入20周年の節目。自動車業界のブランド戦略に詳しい明治大学の原田将教授は「レクサスのブランド価値が、ようやく日本でも浸透してきた」と話す。
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原田教授は、ブランド価値は顧客が事前の期待をどれだけ上回る経験ができるかで決まると指摘する。自動車においては、広告などで得る情報から事前期待が形成され、販売店での試乗や接客を経て事前期待を上回るブランド体験であったかどうかが判断される。
NPSマップを見ると、レクサスの推奨者充足率は60%台半ばと、メルセデスに10ポイント以上の差をつけて抜きんでている。レクサスを周囲に積極的に薦める意向を持つファンづくりが軌道に乗っていることを示す。
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