坂本勇人選手のような打てるショートに…
さぁ野手はどうだろう。昨年のドラフトでは1位~3位まで全て野手、外野手2人に捕手1人であった。辰己涼介がレギュラーを獲り、武藤敦貴が次世代のレギュラー候補としてブレイクしそうな雰囲気充分という事を考えると、高卒内野手は欲しいはずだ。
松尾汐恩(大阪桐蔭)なんて指名できれば夢がある。大阪桐蔭ではチーム事情もあり捕手を務めたが、中学時代は遊撃手、甲子園大会でも試合途中から、ショートを守ったりもしていた。とにかく肩は強いし、バットがいい。もちろん捕手としてのスキルも高いが、「うちは、将来内野手としてみています」と断言している球団スカウトさんもいる。甲子園での通算5本塁は平田良介、森友哉、藤原恭大と並ぶ大阪桐蔭記録。もれなくドラフト1位でプロ野球選手になっている事を考えると、どうしても行きたければ1巡目で行かねばならない選手だろう。将来は坂本勇人選手のような打てるショートに成長できる才能は秘めている。
余談になるが、彼は中学生の時、甲子園で僕を見つけて一緒に写真をとったらしい。全く同じエピソードを持つ小園海斗は今やカープの不動の遊撃手である。今度会うときは僕のほうから写真をお願いする選手になっているだろう。
最後は平岡佑梧(香川大学)を紹介したい。右のスリークォーターから投げ込まれる最速147キロのストレートに切れ味するどいスライダー、カットボールも磨けばものになりそう。
大学では先発投手として活躍したが、プロでは中継ぎの1イニングを完璧に抑える職人になると本人も決めている。小学生時代は柔道にあけくれ、東京オリンピックで金メダルを獲得した阿部詩選手と引き分けたという異色の経歴をもつ。中学から始めた野球、大学では決して恵まれた環境ではない中で自分を磨き、ここまできた。逆に考えればしっかりとした環境で練習できればとんでもない伸びしろが隠されているかもしれない。楽天にフィットしている選手ではないかもしれないが、9月1日一番乗りでプロ志望届けを出した彼の気持ちに1票を投じたい。
さぁ運命のプロ野球ドラフト会議まであと3週間! 1人でも多くの野球人の夢が叶う1日になることを祈っています!
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