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【10】 OECDの成人スキル調査 日本はトップクラス 移民の影響も

 

 

 

 

 

社会実情データ図録から今年になってアップされたものふたつ。
OECDの成人スキル調査

図録▽知力トップクラスの日本人(OECDの成人スキル調査)

図録▽知力格差の小さい国・大きい国(OECDの成人スキル調査)

※ 国際成人力調査(PIAAC、ピアック、Programmefor the International Assessment of Adult Competences)は、経済協力開発機構OECD)の成人のスキルを評価する世界規模の調査である。この調査はOCED各国の知識基盤社会における読解力、数的思考力、そして問題解決能力のスキルを評価し、各国国民のこれらのスキルを向上させるための情報を提供するのが主目的である。 労働力人口(16歳から65歳まで)に焦点を合わせたこの調査は、2013年10月8日にはじめて公表された。
2回目は2023年10月に公表。   (ウィキペディアから)

「ナンバー1」より「オンリー1」の考え方が好きだ。正直なところ、「ナンバー1」にはなれないので、個性豊かに「オンリー1」になれるように自分自身を大切にするというあたりが心を打つ。

それでも、成人力で、日本が世界のトップクラスだとの発表を聞くと嬉しい。ランキングといえばと上を目指したいというのも人間の性なのかもしれない。

2年前 (2023年) に公表された調査結果。ここで注目したのは、移民の影響。
すでに、1億人を超した難民。
難民の受け入れ状況が、調査結果に影響を与えている。そして未来への影響も。
日本は、島国、漢字文化圏儒教文化圏で異質性を排除する社会。

図録の作者 本川裕統計探偵「日本のように異質性の排除で高レベルを保ったとしても将来的な展望では、長期的に見れば必ずしも有利とは限らないとの印象を持たざると得ない」という意見に賛成だ。

 




 

 日本の結果を順位で見ると「読解力」と「数的思考力」は前回の世界1位が、いずれも、フィンランドに次ぐ第2位となった。「状況に変化に応じた問題解決力」はフィンランドと同順位1位だった。

 1回目 (2013年) のように「世界一頭がいい」とは言えなくなったが、世界トップクラスの知力を日本人が有するという結果だったことには変わりがない。

順位の全体的特徴を見ると、日本を除いて、北欧で高く、南欧や東欧で低いという一般傾向が認められる。

 読解力と数的思考力について前回との比較を順位の変化で見てみると、北欧諸国や英国、アイルランドで順位が上昇、フランス、スペイン、韓国、東欧などで順位が低下しているのが目立っている。

 

G7と韓国、8か国で比較

 

 

 

 「読解力」と「数的思考力」は、6段階(高い順に、レベル5からレベル1、レベル1未満)、 「状況の変化に応じた問題解決能力」は、5段階(高い順に、レベル4からレベル1、レベル1未満)で評価されている。

・( )内の数字は非移民の場合のレベル1以下の構成比
・ 右の数値はレベル5の数値


読解力


数的思考力


問題解決力

 

日本は、3分野いずれも、低い習熟度(レベル1以下)の割合は参加国中最少、高い習熟度(レベル4以上) の割合は参加国中第2位(第1位フィンランド)となっている。

 つまり、高い知的レベルも少なくないが、むしろ、低い知的レベルが少ないのが、世界の中で目立った日本の特徴と言えよう。

 最高のレベル5の構成比を確かめると、読解力では日本は2.5%とフィンランドの6.2%を大きく下回って2位である。数的思考力では日本は3.5%とフィンランドの5.3%、オランダの4.2%に次ぐ3位である。

 平均得点のランキングでは日本がフィンランドに次ぐ第2位(問題解決力では同順1位)であるが、フィンランドが日本を上回っているのは、最高レベルの知力保持者が多いからであることが分かる。

 レベル1以下の構成比について、移民の影響を取り除いた結果数値を調べてみると、日本が最少と言うイメージは大きく崩れる。非移民の同値は、読解力では日本は9.2%とスウェーデンの4.0%、ノルウェーの6.6%、フィンランドの6.8%、オランダの8.3%を下回る5位に過ぎない。

 数的思考力でも日本は非移民のレベル1以下の構成比は5位、問題解決力でも4位であるにすぎない。

 すなわち、日本の知力レベルが低い方が少なく、全体として底上げされているのは、ヨーロッパのように移民を多く受け入れていないからに過ぎないという側面が大きいのである。

 移民1世より移民2世の知力はかなり上昇し、非移民のレベルにかなり近づく傾向がある(カナダやイスラエルのように移民2世の方が非移民より知力が高い場合もある)。

 つまり、移民先の国で教育を受けることによって、知力レベルの同化が進んでいくのである。移民を受け入れると人口減少や少子化、高齢化を遅らせることになる。一方、こうした多様性を引き入れると確かに平均的な知力レベルは低下し、一時的には社会政策上の困難も拡大する。
 しかし、日本のように異質性の排除で高レベルを保ったとしても将来的な展望では、長期的に見れば必ずしも有利とは限らないとの印象を持たざると得ない。

 

知力のばらつき 

各国の成人間の知力のばらつき度合を変動係数(標準偏差÷平均得点)で見てみよう(下図参照)。
日本はスロバキアに次いで知力のばらつきが小さい国であることが分かる(数的思考力では最もばらつき小さい)。G7諸国の中では、2位のカナダを引き離してばらつきが小さいのが目立っている。G7諸国の中では米国の知力のばらつきが最も大きく、フランス、ドイツがこれに次いでいる。

 

知力のばらつきと知力の平均的な高さとの相関図

ばらつきの大きな国ほど平均的な高さが低く、逆にばらつきの小さな国ほど平均的な高さが高いという傾向が成り立っている(後者の代表が日本、前者の代表がチリ)。もっとも、フィンランドや米国、ニュージーランドのようにばらつきが大きい割には平均的な高さも確保できている場合もあれば、スロバキアリトアニアのように格差は小さいが平均的な高さは低い場合もある。

 

 

 

参照原資料

成人スキル調査 2023: 日本 | OECD

国際成人力調査(PIAAC:ピアック):文部科学省

 

 

 

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【9】 難民問題について考える 

 

 

 

 

 

総務省統計局の「世界の統計 2024 」から

2022年の総数 1億1300万人
   難民数     2900万人

  ★ 日本の受け入れ 総数 3万人
           難民数 1700人

 

https://www.stat.go.jp/data/sekai/pdf/2024al.pdf

総数:難民のほか、庇護(ひご)希望者(自国を離れ、他国で庇護申請を希望し、法的な難民としての認定を待つ人々)、帰還民(出身国へ帰還した人々)、国内避難民(他国へ逃れることができず国内で避難しているため、国際法に基づく保護や援助を受けることができない人々)、無国籍者などUNHCRの援助対象者が含まれる。

難民:人種、宗教、国籍、政治的意見又は特定の社会集団に属するという理由で、自国にいると迫害を受けるおそれがあるために他国へ逃れ、国際的保護を必要とする人々。難民と同様の保護を受けている者を含む。

 

 

 

出典:UNHCR Global Trends 2018を加工

日本のなかでの難民支援 | 認定NPO法人 難民支援協会 から 抜粋 

 

 

 

 

 

昨年6月のリコー経済社会研究所の記事
『「世界難民の日」を考える契機に 自分事としてとらえたい」』がわかりやすい

「世界難民の日」を考える契機に | リコー経済社会研究所 | リコーグループ 企業・IR | リコー

 

(抜粋)

 

 「世界難民の日」をご存じだろうか。国連が「6月20日」をこの日に定めたのは、四半世紀近く前の2000年12月4日のことである。現在も世界ではウクライナ戦争やパレスチナ自治区ガザの紛争などが続き、難民の「増加・長期化・複雑化」が国際社会で大きな問題となっている。とはいえ、難民問題を身近なことして捉えている日本人がどれほどいるだろうか。「世界難民の日」を契機に、難民を巡る諸問題について考えてみた。

「難民条約」の誕生
 第2次世界大戦後の1948年に「世界人権宣言」が採択され、全ての人々が差別されずに基本的人権を享受できることが確認された。国連加盟国の間で難民の基本的人権に対する意識が高まり、51年7月に「難民の地位に関する条約」が、67年1月には「難民の地位に関する議定書」が採択された。この二つをあわせて「難民条約」と称している。

 日本が難民条約に加盟したのは、1981年になってからだ。きっかけは70年代後半、社会主義体制に移行したインドシナ3国(ベトナムラオスカンボジア)から大勢の難民が粗末な木造船に乗って日本に押し寄せた、いわゆる「ボート・ピープル問題」だった。

どのような人々なのか
 難民は難民条約の第1条に定義されている。その規定が難解なことから、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR=文末に注)は、「人種、宗教、国籍、政治的意見または特定の社会集団に属するという理由で、自国にいると迫害をうけるおそれがあるために他国に逃れ、国際的保護を必要とする人々」と要約している。

 平時と戦時を区別していないが、戦争や内戦で他国に逃れた人々も、上記の定義に該当していれば「難民」となる。

増え続ける難民
 UNHCRによると、世界の難民は2022年末で1億840万人にのぼる。1990~2000年代は4000万人前後で推移していたが、国際テロ組織アルカイダによる2001年の米同時多発テロを契機として世界的に紛争が頻発。2010年ごろから難民の増加傾向が顕著になった。

 アメリカを中心とした「テロとの戦争」の影響に加え、超大国の力が相対的に低下したことを受けて世界各地で民族・宗教紛争が多発。戦禍やテロで迫害や人権侵害を受け、故郷を逃れた人々が相次いだためとみられる。


 増加を続ける世界の難民(出所)UNHCR「数字で見る難民情勢(2022年)」


 増加を続ける世界の難民(出所)UNHCR「数字で見る難民情勢(2022年)」

 


アメリカやドイツ、フランスなどで難民問題が大きな政治的な焦点になっている。
それぞれの国内での移民の数がまず違うということに改めて認識した。

生活苦の中で、移民問題の占める位置が質的に日本で想像するよりは切実で身近だということだ。

 

「社会実情データ図鑑」に新しい記事 (図鑑) がアップされた。

社会実情データ図録 Honkawa Data Tribune

 

図録▽世界の移民総数(出生地・居住地OD)

 

 

 

 移民は外国生まれの住民として定義されている。図には、大陸間の移民の移動状況を示した。毎年の移動数ではなく、現存の移民がどこからどこへ移動した結果を示している。

 原資料が図に付したタイトルは「大陸間の移動は大陸内の移動ほど多くない」である。たしかに大陸内の国際移動が多いことが一目瞭然である。

 ただし、最大の移民送り出し大陸であるアジアからヨーロッパ、あるいは北米への移民数はかなりの規模となっている点が目立っている。その次に多い大陸間移動は、アフリカからヨーロッパへの移民だろう。

 以下は、原資料によるこの図の解説である。

「左側では、人々がどこから移住してきたかがわかる。右側では、それらの人々がどこへ移住したのかがわかる。これが外国生まれで定義される移民の移動状況である。

 たとえば、4,100万人がアフリカの国から移住している。そして 2,300万人がアフリカの国に移住している。太い紫色の線からわかるように、アフリカからの移住者の約半数 (4,100万人のうち 2,100万人) が別のアフリカの国に移住している。

 アジアとアフリカも例外ではない。ヨーロッパと北米からの移民は、自国に留まる傾向がさらに強く、ヨーロッパからの移民の70%、北米からの移民の87%が、同一地域内の別の国に移住している 。南米では、その割合は49%と低いものの、他の大陸に移住する移民の数と比べると、依然としてはるかに多くなっている。

 なぜ移住者のほとんどが同じ大陸に留まるのだろうか? 移住の理由は非常に個人差があるため、明確な答えはない。しかし、いくつかの理由でこのパターンを説明できる。

 まず、国境を越えるのは、厳しい条件を満たさないと入国を認めない国もあるため難しい場合があり、また安全でない場合もある。国境を越える回数が少ないほど、多くの場合、より簡単で安全である。2つ目の障害はコストだ。移動には費用がかかるため、多くの移民は近隣諸国に移動するしかない。3つ目は、言語や文化を共有したり、家族が近くにいたり、安く早く帰国できる場所を好む人がいる点である。最後に、多くの大陸には、同じ地域の国々間の移動を政治的にもロジスティック的にも容易にする地域協定があります。この例としては、西アフリカのECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体) やヨーロッパのシェンゲン協定がある」。

 
西アフリカ諸国経済共同体は、1975年のラゴス条約に基づき設立された経済共同体。略称は英語でECOWAS、仏語ではCEDEAO。

シェンゲン協定は、ヨーロッパの国家間において国境検査なしで国境を越えることを許可する協定である。発効は1995年3月。

 

 

 

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【8】なぜ、出産する女性が大幅に減少しているのだろうか

 

 

 

 

 

「社会実情データ図鑑」に新しい記事 (図鑑) がアップされた。

社会実情データ図録 Honkawa Data Tribune

 

図録▽子どもを産まなかった女性の比率(国際比較)

 

 本川裕統計探偵はこう分析する。 

1970年に生まれ、2020年に50歳を迎えた女性の出産未経験比率をOECD各国について見てみると、最低はメキシコの6.3%、最高は日本の27.0%となっている。

 日本は2位のフィンランドの20.7%を大きく上回っており、子どもを産まなかった女性が先進国トップ、事の性格上、ほぼ確実に世界1多い国である。

 韓国のデータがないが、現在の合計特殊出生率OECD諸国の中でも韓国の方が日本より低い(図録1550)。すなわち現在では子どもを産む女性が韓国の方が少ない。とはいえ、2000年以降にそうなったのであるから50歳時の出産未経験率は韓国の方が低いと思われる。

 データのある主要先進国(G7諸国)の順位を高い方から掲げると以下である。

 1.日本 27.0%
 2.英国 20.5%
 3.カナダ 19.9%
 4.米国 11.9%

 

2005年 11.9% から 2020年 27% へ、この15年の間にどのような変化があったのだろうか。思いつくままに挙げると、
 ・出産できる環境が整備されていない
 ・女性の「生む・生まない権利」の前進
 ・女性の社会進出
 ・結婚観の変化
 ・将来への不安

 


関係するグラフを探すと

特殊出生率 

 



  (上記は、いずれも「社会実情データ図鑑」から)

  
※ 特殊出生率とは、出生力や人口動態の出生傾向をみる指標の1つで、15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの。1人の女性がその年次の年齢別出生率で一生の間に子供を生むとしたときの平均子ども数に相当し、「特殊」は限定した女性人口を用いることに由来している。
人口を維持するためには、合計特殊出生率が2.07程度を保つ必要があるとされている。

 

 

人口減少

 

敗戦時 7200万人、1950年 8390万人、2000年 11194万人。
2008年 12693万人をピーク に減少。


   (「社会実情データ図鑑」から)

 

     高齢化社会のイメージ  騎馬社会から肩車社会へ

   

 

  (総務省のホームページから)



 今は、「足腰が細い・腹が出ている・頭でっかち」(2020年)から「頭でっかち」(2040年) 、さらに「全体的にやせ細る」(2070年) 。これが今後のイメージか?!
 

  (厚労省のホームページから)
 

 

【7】 2050年 ひとり暮らしが半数に 未婚の高齢者急増

 

 

 

 

国立社会保障・人口問題研究所が、2024年推計の「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」公表した(4月11日)。

『日本の世帯数の将来推計(全国推計)』(令和6(2024)年推計)|国立社会保障・人口問題研究所


 

〇 プレスリリース(要旨)


       ※ 単独所帯とは、世帯員が一人だけの世帯をいう

  
〇 概要から 5つの図

  
世帯数 2030年がピーク 5773万世帯
  世帯人数 2人を切るのは2033年

 

 「単独世帯」は、2020年の2115万世帯から増加を続け、一般世帯総数が減少に転じた後とな2036年に2453万世帯でピークに。
 2050年には2020年より215万世帯多い2330万世帯となり、一般世帯総数に占める割合も 38.0%から44.3%へと 6.3 ポイント上昇する。 

 

 65歳以上の高齢単独世帯に占める未婚の割合をみると、2020年時点では男性 33.7%、女性1.9%であったが、過去の未婚率の上昇を反映して今後は男女ともに一貫して上昇を続け、2050年には男性 59.7%、女性 30.2%に達する。
 これを実数でみれば、男性の高齢未婚単独世帯は現在の 86 万世帯から 269 万世帯へ、そして女性の高齢未婚単独世帯は 57 万世帯から 191 万世帯へと大幅に増加する。




メディアの記事から


 

1人暮らし、2050年に44% 未婚の高齢者急増、厚労省推計|47NEWS(よんななニュース)

 

1人暮らし、2050年に44% 
未婚の高齢者急増、厚労省推計


2024年04月12日 14時39分共同通信


 厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は12日、日本の世帯数の将来推計を発表した。2050年に全5261万世帯の44.3%に当たる2330万世帯が1人暮らしとなり、うち65歳以上の高齢者が半数近くを占める。20年は全体の38.0%が単身世帯だった。50年には未婚率の高い世代が高齢期に入り、身寄りのない高齢者が急増する。世帯の平均人数も33年に初めて2人を割り込む。介護や見守りなどの支援を充実させ、地域で安心して生活できる環境整備が課題となる。

 50年の世帯総数は20年から310万減る一方で、1人暮らしは215万増える。65歳以上の1人暮らしは20年の738万世帯から50年には1084万世帯へ増加、1人暮らし世帯全体に占める割合は34.9%から46.5%に拡大する。

 1人暮らしの男性高齢者のうち未婚者は33.7%から59.7%へ大幅増。女性は11.9%から30.2%になる。

 世帯数の推計は5年ごとに実施。今回は20年の国勢調査を基に23年公表の将来推計人口も活用し50年までを算出した。

 

 

[社説]高齢者が単身化 「異次元」の孤立対策を | 社説 | 沖縄タイムス+プラス

 

[社説]高齢者が単身化 「異次元」の孤立対策を

2024年4月14日 5:01

 2050年には世帯の半数近くが1人暮らしとなり、高齢単身世帯は2割に達するとの将来推計が公表された。単身化は予想を上回るスピードで進む。


 同居する家族のいない高齢者を、誰が、どのように支えていくのか。地域社会からの孤立を防ぐ仕組みの構築が急務である。

 国立社会保障・人口問題研究所が5年ごとに実施する世帯数の推計によると、世帯総数は30年をピークに減少に転じ、50年には5261万世帯となる。

 そのうち44・3%に当たる2330万世帯が単身世帯。65歳以上の高齢者の1人暮らしは1084万世帯で全体の20・6%を占める。それぞれ20年と比較すると6・3、7・4ポイント上昇する見通しだ。

 核家族化と高齢化の進行で配偶者と死別し単身となるケースのほか、未婚率の上昇が影響しているとされる。

 人口規模が大きく、未婚率の高かった「団塊ジュニア」世代、バブル崩壊後の経済低迷で正社員になれず、未婚のまま年を重ねた人も多い「就職氷河期」世代が高齢期を迎えるからだ。

 1人暮らしの男性高齢者のうち未婚者の割合は20年の33・7%から50年には59・7%へ、女性は11・9%から30・2%へと大幅に増える。

 ライフスタイルが多様化する中、一生独身も生き方の選択肢の一つだ。

 一方で家族の手助けが期待できない単身高齢者の増加はこれまでにない社会の変化となる。

■    ■

 最も懸念されるのは孤立と生活困窮だ。

 単身男性の場合、仕事をやめると社会とのつながりが希薄になりがち。新型コロナウイルス禍も「孤独・孤立」に拍車をかけた。

 女性の場合は、男女の賃金格差や非正規が多いという雇用格差などが年金受給額に影響し生活困窮に陥りやすい。長期化する物価高も家計を圧迫している。

 生活の基盤となる住まいに関しても、高齢者は孤独死などのリスクから賃貸住宅への入居を断られるケースが少なくない。

 通院時の付き添いや入院、介護施設への入所などの身元保証も簡単にはいかない。

 国立社会保障・人口問題研究所の担当者は「医療や介護だけではなく、金銭管理や意思表示の支援など日常生活を支える仕組みを早急に考える必要がある」と指摘する。

 自らの問題として将来推計を直視したい。

■    ■

 時代の変化に合わせ、社会保障制度を世帯から個人単位にする議論や、男女の賃金格差の問題など根本部分に切り込む必要がある。 

 人手不足の課題を背負う介護保険制度は、その仕組みを持続可能なものとすることが重要だ。 

 今月施行された「孤独・孤立対策推進法」は、社会のあらゆる分野において孤独・孤立対策を推進するとうたう。

 示された未来を見据え、高齢単身者が地域とのつながりを保ちながら安心して生活できるよう、異次元の対策が求められる。


                                         は bunnbunnmomo

 

 

 

孤独・孤立対策推進法|内閣官房ホームページ

 

 

 

 

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【6】 日本人は貯蓄をしなくなった!!??

 

 

 

「なぜ、 男子は突然、草食化したのか」( 著者 本川裕 )の中から、興味あるところ。

 

 

 

貯蓄をしなくなった、言葉を選ぶと、貯蓄ができなくなったのはなぜだろうか。
私も認識が変わった。「日本人は貯蓄好きだ」と思っていたから。

本川裕 統計探偵はこう分析する。
・高齢化のためか
社会保障に期待するためか
・消費性向が高くなったためか
・景気が良くなっているためか
・成長力が下がっているためか

1975年、日本の貯蓄率は23.1%であった。

本川統計探偵は、一番の理由は、成長力が下がっているためではないかと分析する。
要は、給料が上がっていないので、貯蓄ができなくなっているということであろう。

 

 

 

 


厚生労働省 2022年 国民生活基礎調査の概況から


実質賃金の国際比較




 

日本海側が貯蓄率が高い。積雪地域であることと関係があるかも。
最も貯蓄好きな県は福井であり、岐阜、新潟がこれに続く。貯蓄せずに使ってしまう比率が高いのは沖縄、高知、福岡の順。
都市化との関連では、東京、関西、名古屋といった東西の大都市圏では貯蓄率が高い地域は見当たらないが、かといって特段低いという特徴もない。

 

 

 

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【5】 騎馬戦型社会の到来 未知の領域だ!! 「高齢死社会」

 

 

 

 

2020年10月1日時点のデータは
 総人口 1億2600万人  男 6100万人 女 6500万人
  現役人口 7500万人
  高齢人口 3600万人

高齢化率、28.8%。
21%を超えている社会を超高齢化社会というから、さしづめ日本は、「異次元の超高齢化社会」というのだろう。
現役世代2人が高齢者1人を支える「騎馬戦型社会」が到来している。いずれ、ひとりがひとりを支える「肩車型社会」に。

   


  

本川裕 統計探偵は 高齢化の現状などをどのようにみるのであろうか。

 

「なぜ、 男子は突然、草食化したのか」( 著者 本川裕 )の中から。

 


 

 

 

 

 

 


1945年敗戦の時の人口は、7200万人。ちなみに明治維新の時は、推定で、3300万人。
ピークが2008年の1億2808万人。そこから減少が続き、2020年1億2600万人。
明治維新の近代以降、人口は爆発的に増えた。

 

 

 

 高齢化率は日本が27.7%で世界一高く、日本に次いで高いヨーロッパのイタリア、ポルトガル、ドイツのそれぞれ23.0%、21.5%、21.5%を大きく上回っている。

 世界で最も高齢化率が低いのはアラブ首長国連邦であり、値は1.1%である。100人に1人しか65歳以上の国民がいないのである。

 

 


日本が直面している高齢化の状況は、誰も経験したことがない。

 

 

 

高度経済成長の時代を経て、栄養状態と衛生状態のさらなる改善、医療の制度的・技術的進歩、生活環境の安全化などが劇的に進み、平均寿命の伸びとともに、乳幼児の死亡が減少し、そして、若い年代で死ぬ者が激減した。

乳児死亡は1960年になって、やっと、高齢死亡のピークを下回った。

高齢層の死亡については、ピーク年齢自体が70代前半から80代後半へと高齢化するとともに、ピーク年齢前後にますます死亡が集中してきている。今や、80代後半前後に亡くなるのが当り前の世の中となった。

 

「身近の死」を感じる風景が変わったのは、1960年頃ということになろう。それまでは、赤ちゃんがなくなったり、若い人がなくなる風景をよく見たということだ。

 

2021年と1960年の
 「年令階層別の死因別死亡者数構成比」

      

 

 

2021年のデータ、少なくなった幼児期の死は小児がんや種々の小児疾患が多く、やはりかつてと比べて非常に少なくなった青年期の死亡の死因としては自殺が多くなっている。

中高年期に入ると年とともに、がん、心疾患、脳血管疾患という三大成人病によって死ぬものが増えていく。

ところが、65~69才の時期を境に、心疾患や脳血管疾患は相変わらず多いままであるのに対して、がんの割合は減少に転じる。その一方で、肺炎(誤嚥(ごえん)性肺炎を含む)や老衰が年齢とともに増加する。

一番死亡数が多い85~90才以降は、これらのいずれかで死ぬ確率がほぼ同等となる。また、これらほどではないが腎不全や転倒などの不慮の事故で死ぬ場合も一定程度ある。

1960年のデータ、幼児期から青年期にかけて、今ほど自殺の割合は高くなく、肺炎や結核といった感染症による死亡が戦後すぐほどではないがなお多く、また川遊びで溺れ死ぬといった不慮の事故、あるいは無茶な運転による交通事故死などが多かった。

中高年から高齢期には、今よりがんの割合は小さく、心疾患や特に脳血管疾患の割合が大きかった。

 

「高齢死社会」と「高齢死への集中の時代」。
街を歩けば、年配の方の姿が目立つ。周りに住んでいる人を見ると、高齢世帯が多い。しかも、元気な独り暮らしの人が多い。朝と夕は高齢福祉施設のワゴン車が走り回っている。


高齢者の元気が社会の元気につながる。数も多くなるので当然のことだろう。

 

 

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【4】 エンゼル係数について考える

 

 

 

 

最近の新聞記事で、家計の消費支出に占める食費の割合を示す「エンゲル係数」が2023年は27.8%に達し、1983年以来40年ぶりの高水準となったことを知った。
生活感が好転しない根拠の一つではないだろうか。

本川裕 統計探偵はどのようにみるのであろうか。
ゴローバルな視点が必要、国際情勢・社会情勢に通じることが大事と説明する。
「なるほど」と思った。

 

「なぜ、 男子は突然、草食化したのか」( 著者 本川裕 )の中から。

 


 

 

 

本川裕 統計探偵はこう分析する。 

2000年代の後半以降は、再度、エンゲル係数が上昇しており、2016年には25.8%と1987年のレベルにまで戻し、その後3年間は25.7%となお高い水準が続いている。
(そして、2023年 27.8% )

 こうした最近のエンゲル係数の上昇については、次のような要因を指摘している。

(短期的要因として)
・    収入の伸び悩み・減少
      (エンゲルの法則どおり収入が減っても食費は減らせない)
・    消費税アップによる実質的な生活水準の低下
・    円安効果(輸入が多い食料品の相対価格の上昇の影響)
(長期傾向だが最近強まった要因として)
・    共稼ぎ夫婦の増加(惣菜・弁当などの中食や外食の増加)
・    高齢者世帯の増加(教育費やマイカー費などの減。食費は減らせない)
・    1人世帯の増加(1人分の食料購入は割高)
・    安全志向・グルメ志向(高額につく安全な食品あるいは美食へのこだわり)

 


1993年 から 2004年 「世帯消費」が低下しているのに、なぜエンゲル係数が下がっているのか。

本川裕 統計探偵はこう分析する。 
家計に占める通信費割合が 1995年から2005年にかけて増えたから。通信の増加に対して食費を切りつめた。

 


 

 更に、本川裕 統計探偵はこう分析する。 
日本で情報通信革命が通信費を上昇させた1995~2005年の時期には、生活水準が上昇していなかったにもかかわらず、エンゲルの法則に反して、エンゲル係数が低下した。
同様に、世界的に情報通信革命が進展していた同時期に、米国と英国を含めて、すべての国でエンゲル係数が下がり続けていた状況が認められる。

もう一つ。近年、欧米主要国の動きを見る限り、米国を除いて、反転の時期は異なるが、日本と同様に、下がり続けていたエンゲル係数が最近になって上昇に転じている。明確に反転とは言えない米国も横ばいか微増には転じている。

その原因。

 第1に、高齢化である。先進国では高齢化に伴って、退職後の高齢世帯やひとり暮らし高齢世帯が増加している。食費以外の教育費などの負担が減る高齢世帯や食べ残しが多かったりするため食費が割高になりがちなひとり暮らし高齢世帯ではエンゲル係数が高くなるという特徴がある。従って、高齢世帯の割合が増えればエンゲル係数を押し上げる効果が働くのである。また、高齢化にともない生産年齢人口が減れば経済成長率が低下するのでエンゲル係数の下落を遅らせる効果もあろう。

 第2に、女性の社会進出や女性就業率の上昇にともなって、ますます共働き家庭が増え、各国で食費に占める調理食品や外食の割合が増えている。調理食品や外食は加工やサービスの費用が加わっているので、同じ栄養価を得るための費用は家庭内で調理する場合に比べると高くなるはずであり、食費を全体として拡大させる要因となっているのは間違いなかろう。

 第3に、食料価格の高騰が挙げられる。図を見ると、2009年には、日本、ドイツ以外の国でエンゲル係数が短期的に跳ね上がっているが、これは、2008年の穀物価格の急上昇の影響と見られよう。日本がその時期にエンゲル係数に大きな変化が見られなかったのは円高傾向が相殺要因として働いていたからである。



 

エンゲル係数が最近になって上昇に転じていることの説明、高齢化、女性の社会進出、食糧価格の世界的高騰、なるほどと思うが、bunnbunnmomo の直感は、もっと大きな理由、グローバルな新自由主義の拡大と戦争と紛争の激化にあるのではないか、と思う。