米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』を読了。主人公の独白から始まる短編集である。去年の12月にKindleで購入していたのだが、すっかり忘れていた。
物語は「バベルの会」という上流階級向けの読書倶楽部を背景にした5つの短編から構成される。ただし、それぞれの話の関連性は薄い。いずれの作品も大金持ちの屋敷を舞台に、狂気を孕んだ人物が登場する。
個人的に特に気に入ったのは、タイトルにもなっている「儚い羊たちの晩餐」。読む前はそれまでの4篇を踏まえた話を予想していたが、実際には違った。しかしその予想を遥かに上回る展開に、度肝を抜かれた。怖すぎる。
米澤穂信の小説は当たりが多いため、他の作品も読んでいきたいと思う。