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フリーターが語る渡り奉公人事情

ターミネイターにならないために--フリーターの本当の姿を知ってください!

日雇い派遣ワールドと一般社会

2007-03-31 14:08:41 | 現状
日雇い派遣ワールドというのは、一般社会から離れた世界である。

職場に書類がほとんどない。
たまに正社員の友人と会ったり、NPOなどの集まりにいくと、書類の山に驚くことになる。

そして、そこで働くうちに、少なくともわたしの場合は失語症とまではいかなくても、日本語の文法をスムーズに使えなくなってしまった。
「が」「は」「を」などの接続の意味・ニュアンスが分かりにくくなってしまう。意味は通じても、どこかおかしい風な言葉になってしまう。
また、まとまった分量の文章を以前のように読みこなせなくなる。たとえば一週間で読める本の数が、三分の一ほどに小さくなってしまった。

文章もとてもヘタになった。ブログをはじめてからは、別の展開があったようで、少しずつマシになってきている。しかし、以前のような「中産階級」風の「自然」でなめらかな文章はたぶんもう二度と再生産できないだろう。(この「自然」というものも、その意味がとりにくい。たぶん大学院くらいに行った年収の高めの人たちのあいだでだけ分かるニュアンスがあるのだろうか?)

正社員や総合職の友人からは、ロクでもないと言われる。
なかにはわたしのことをひきこもりだと言う人もいる。
だけど、専門学校に行こうにも先立つものがいる。
それに、お金がないので行動半径が狭くなったり、「一般」のオフィスや商店から排除されて辺鄙な郊外で、ホワイトカラーや消費文化から遠いところでもくもくと荷物を作ったり運んだりする作業をこなしていれば、自然と流行にうとくなったり、社会に無関心になる。
体もそうとう疲れているのだ。そして、食費を削り、高熱をいつとめられるかひやひやして、数ヵ月後には職があるかどうかひやひやしているのだ。
そんな余裕のない状態では、寮だけではなく、自宅や下宿であっても半分タコ部屋のようになってしまう。ものすごい閉塞感。
それを文化不適応だの、なんだのと言われても困る。
いつも誰かの指示に従うか、機械にあわせて動く。自分で考えたり、行動する人たちは、職場から追い出される。
そこで生きるために身に着けた技術を「幼稚」「退行」と言う。
違う、それは違うとわたしなら考える。
うつでぼうっとした意識のなかで、迷いながらも「やっぱりそれは違うんじゃないか」と考える。

一般社会の人たちは、日雇い派遣ワールドに理解がないと思う。それを棚に上げて、お前らは世間知らずだと言わないでほしい。
ある上の世代の女性は、フリーターは自由になる時間を求めているので正社員にはならない。それで、30代にもなると働くところがなくなって困ると言った。
全然分かっていない。20代であろうと30代であろうと、フリーターには、特に常勤バイトではない日雇い派遣のフリーターには、落ち着いて働ける職場など存在しない。
いつ仕事が消失するかわからない。人を減らして生産性を上げる方針を、人を増やして生産性をあげるように転換しないかぎり、これはどうしようもない。
また、困るのは職場の消失だけではない。給与の低さ、保障のなさ、社会的信用のなさ、社会的なバッシング……すべてが問題なのだ。
さらに、私自身も含めて、自由な時間がほしくてアルバイトをやっているのではない。正社員になりたいけれどなれなくて、仕方がなくやっているのだ。

ある管理職の上の世代の男性は、フリーターはもっと消費をしろと言った。それが国の経済のためになるというのだ。そして、そうすると、アダム・スミス流のトリクルダウン効果が起こると「予言」した。
これもめちゃくちゃな話だ。年収50万とか100万の層がどうして国のために滅私奉公しなきゃならないのだ。
消費者金融のまわしものなのか?(ちなみにこの人は独立行政法人勤務。)
だいたい、トリクルダウンによって貧乏人が豊かになれないなんて、スーザン・ジョージもステイグリッツも言っている。
むしろ、「ニッケル・アンド・ダイムド」ではその逆の効果が報告されている。つまりこうだ。たとえばウォルマートなどにつとめる薄給の従業員たちは、サーヴィスのために金持ちの近くに住まざるを得ない。そうすると、どうしても家賃の高い家に住まわざるを得なくなる、と。当然、物価についても同じことが言える。
金持ちが高いものを買い捲ると、環境面で問題であるだけではなく、こうした逆トリクルダウン効果も予測できる。なのに、どうしてそのとき失業していた年収重数万のわたしにむかって、年収1千万は稼いでいる彼はそんなことが言えたのだろう。
「研究会・職場の人権」に本田由紀さんが来られたときに配られた資料によると、統計的にも年収50万とか100万以下の人たちが、層というべき厚さをもって検出できている。
これは非常に残酷だ。そういう苦痛によって、わたしは半年も胃潰瘍が治まっていない。今は東洋医学と西洋医学の両方のクリニックに通っている。

ブログをたてて、日雇い派遣ワールドと一般社会との認識の溝が少しでもちぢまり、よき対策が建てるてられることを望むものである。(業界)もやっているのなら、うちでも」とよけい人を酷使する経営者もいるだろう。世の中どこでもそんなもの、とあきらめてしまう従業員もいるはずだ。
それでも、やはり事実は事実として広く知らせ、対策を練ることは大切だ。正社員かそうでないかを超えて、問題を解決したいと願っている人たちもいるのだから。
また、そうした情報によって、正社員と非正規雇用との間にある誤解による反目・嫌悪・侮蔑が少なくなれば、それほどうれしいことはない。
それは、自分の胃袋のためにもなるし、他の尊厳ある仕事を求める人たちのためにもなるのだから。












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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (よーだ)
2007-04-17 20:04:00
 まず、お気づきだと思いますが、一人で解決するのは無理なので、
 組合に相談するか、
 あるいはネットで同じような人たちを探して相談するか、
 どちらかですよね。
 組合は、見事就職してからでないと、相手にしてくれないですよね。就活サポートまでしてくれないですから。
 やはり、仲間を探して相談し合う、ぐらいですね。
 ネットでどんどん仲間を増やすのが、先決です。
 そして、自民党と公明党には決して票を入れない、と宣言するんです。
 そうしなければ、政府がフリーターに手を差し伸べるなどありえません。
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