とんこつＱ＆Ａ

Posted by ブクログ

初めて今村夏子さんの作品を読んだのですが、感想としてはとにかくゾッとしました。人間はこのような恐怖を自身に孕みながら、周囲に怯えているよなと思う。１つの物語として完全に俯瞰出来ない、自分にも登場人物と同じような感情や同じような行動が出来てしまうことへの「ゾッ」が作品の面白味ではないかと思います。

Posted by ブクログ

ふんわりとした空気感のヒトコワ。短編集。どの話も面白かった。
一番気に入ったのは『とんこつQ &A』
話すことが苦手な飲食店店員が、メモを見ながら毎回「いらっしゃいませ」と言う。シュール。
その後の展開に胸がざわついた。狂気が普通みたいになっていて、怖かった。

Posted by ブクログ

とにかく怖い怖い怖い
ホラーじゃなくて精神的に参ってしまう感じ
なんでこんなにも変な人達ばかりなんだろう

とんこつQ&Aはどんな物語か想像もつかなかったけど、読んでみてとんでもなく変な人達の変なお話だった

一番怖かったのは「嘘の道」
誰もああはならないけど、でもならないとも言い切れない
...続きを読む人が消えていく意味、、、分からなくもない

Posted by ブクログ

うわぁーん♪すごいですね、これ！
読み終わったあと、全部ぞわーーーっとする。
こわい、こわい、こわい、こわぁぁーい！
ホラーみたいに怖いです！そして心がモヤモヤして
ヤバめです！大好き❤︎
とんこつQ&Aなんて、最後の方カオスですよね⁈
やばぁ。

Ron P

一気に

その後が気になって一気に読めました。

＃笑える ＃ほのぼの ＃癒やされる

Posted by ブクログ

とんこつQ&A、嘘の道、良夫婦、冷たい大根の煮物の四つの短編が入った本作。特に印象に残ったのは題にもなっているとんこつQ&Aと嘘の道である。とんこつQ&Aは超絶コミュ障の主人公が接客の際にはメモを読まないと接客できないので、客からの声かけをQ、自分の返答をAとしてノートに記し...続きを読むて対応していたところ、新しい従業員を迎えた辺りの怒涛の展開から打って変わって登場人物全員がハッピーエンドみたいな終わり方をしていたが、気持ちの悪い読後感を楽しめた。嘘の道は嘘つきの同級生を持つ姉の話。ある日自分のやらかした事を嘘つきの同級生の仕業であるとしてしまい、発覚を恐れる話。短く書いても分かる通り胸クソな話だが、この話で真に気持ちの悪いのは主人公の姉や周りの人間の変わり身の速さである。これは短い話でしか味わえないような感覚である。

Posted by ブクログ

表題作の「とんこつQ&A」が特に凄かったです。
恐ろしい構成力による狂気と異常性。
そのくせ平穏で平和な表面世界。
主人公がおかしいと思ってたら
全員おかしいのかい。
中毒性があります。

Posted by ブクログ

今村さんの書くお話に登場する人たちは、一風変わったキャラの人も多いがみんな人間くさくて魅力的。一気に読み終わってスッキリする。

Posted by ブクログ

【とんこつQ&A/今村夏子】

とてもぞわっっぞわする四篇の短編集。
コミカルでシニカルで、ある意味怖い。
まるでかなり良質な世にも奇妙な物語。
とにかく面白かった！おすすめかも！
読んでる最中ぞわっっぞわするけど笑。

①とんこつQ&A
中華料理店で働き始めたが、接客で言葉が出て来...続きを読むず、
しかしある方法で円滑に仕事が出来るようになった。
ある日新人が入り、店の大将とぼっちゃんの要求を
主人公が叶えていき関係性は奇妙に変化していく…。

最初から奇妙なんだけど、まだ理解の範疇内だ、と
読み進めていくと、もうわけのわからんことに…笑
店の親子二人の優しさと、奇妙な言動のギャップ。
始終不穏な空気感ながらも、主人公の前向きさに
軽快に読み進められるけど、不気味な結末が怖ぁ。
◆世にも奇妙な物語では、コミカル部門


② 嘘の道
おばあさんに怪我をさせてしまった僕と姉は、
怪我をさせた犯人を、同級生のせいにしてしまう。
姉はバレることを怖れ、引き篭もってしまうが…。

嘘の道、というタイトルが、人の業の深さを感じる。
特定の誰かを糾弾することで自分を確立する人達の
集団心理の気味悪さと恐ろしさ、希薄さに失望する。
起こり得る結末と父親の言葉に皮肉な因果を感じた。
◆世にも奇妙な物語では、リアル部門


③良夫婦
とある少年を気に掛け、何かと懇意に接する友加里。
妻の行動を咎めながらも、協力する優しい夫、幹也。
ある事件が起こった時、事実と真実が見え隠れする。
介護関係の職場で出会い結婚した夫婦の歪んだ善意。

一番胸糞悪かったかもしれない。究極の偽善て怖い。
事件後の無邪気に描かれる妻の描写には唖然とした。
一番関わりたくない種類の人達。夫婦揃って吐き気。
でもお互いを最高のパートナーと感じているだろう。
自己満で自己中で無責任で愚鈍。話は抜群に面白い。
◆世にも奇妙な物語では、ヒトコワ部門


④冷たい大根の煮物
工場勤務19歳の木野は「金を借りたら返さない」と
職場内で悪評高き芝山さんから声を掛けられてから、
一緒にスーパーに行き、一人暮らしの木野宅に寄り、
料理をしては帰っていくという不思議な関係の物語。

結局主人公は被害者になってしまったのだろうか？
利用されていて、与えられてもいる、不思議な関係。
最後も借りパクの思惑があったのだとは思うけれど、
憎みきれないし、むしろ温かさと救いが残るような、
ほっと一息の最終話。もちろんピリッともするけど。
世にも奇妙な物語では、
◆ヘンテコデタラメほっこり部門(なんだそれ)

短編で読みやすくて奥深くて罪深くて業も深くて、
常識から逸脱したような登場人物達にざわついて、
とにかく面白かった。こういう作品、大好物です。
過剰が異常。踏み外したら、次は自分の番かも？

Posted by ブクログ

独特の世界観。
とはいえ、奇を衒ってたり尖ってるわけでもないから読後感は普通に良い。表題作、好き。実写化見たいくらい。