裁判では証拠収集が勝敗を決める鍵である。日本では十分な証拠収集をしてから訴訟を提起するかどうかを考えるが、米国の民事訴訟では「ディスカバリー」と呼ばれる非常に強力な証拠収集手段が設けられており、訴訟提起してから証拠収集を始める。原告、被告双方の主張立証に必要な証拠をできるだけ裁判所に提出して公平な裁判を行おうという、英米法的な衡平の理念が根底にある。 日本では、訴えの提起前における照会(民事訴訟法132条の2)や弁護士会照会(弁護士法23条)(相手方製品の納品先に製品の仕様書の提出を求めるもの)など、訴訟提起前に証拠収集が試みられるが、提出の義務はなく、提出しない場合の制裁もないので、これらの手段により裁判に必要な証拠が得られることはまずない。研究集会や最新技術の展覧会などで技術者や営業マンから情報を入手するなどが日頃の地道な情報活動に頼らざるを得ない。 日本の裁判では、訴訟提起後は、文書