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ディープな音楽ファンであり、漫画、お笑いなど、さまざまなカルチャーを大きな愛で深掘りしている澤部渡さんのカルチャーエッセイ連載第4回。今回は澤部さんが前から通っている、通好みのお笑いライヴ「グレイモヤ」になぜか出演することになったお話です。 恵比寿にあるクラブ「BATICA」の12周年イヴェントの一環として、東京のいま一番ヒップなお笑いライヴ「グレイモヤ」をBATICAにて開催する、という4月4日の「グレイモヤ」特別編への出演オファーが舞い込んで来た。2019年の2月に初めて行って以降、都合がつけば必ず行っていた大好きなライヴだったので、まさか自分がグレイモヤの名のもとに演奏をする日が来るなんて思いもしなかった。驚いた。嬉しい。名誉だ。そしてめちゃくちゃ怖い。 グレイモヤについて説明しておきたい。お笑いのライヴにはいくつかのフォーマットというのがある。一番多いのは【オープニングのトーク /
作家さんの手による、ぬくもりのあるうつわたち。生活に取り入れてみたいけれど、どんなものから加えていけばいいだろう――? 「うつわのある暮らし」を始めるヒントを探りに、うつわの専門家を訪ねました。 ◆Vol.1 お話を聞いた人 坂根さよみさん 1992年に東京・駒場東大前にギャラリー「うつわ party」をオープン。用の美をたたえた良質なうつわのセレクトに定評がある。店名はホームパーティが好きという坂根さんの思いから。「おひたしと煮物のうつわ展」「酒器展」「冷たい麺のうつわ展」など、折々で開催される食と暮らしに寄り添ったオリジナルの企画展も楽しい。 うつわを買い揃えるなら、私ならまず八寸皿から 「うつわを買い揃えていくなら、まず何から?」という問いですが、私ならまず「八寸皿」とお答えします。「寸」とは昔の単位で、今ですと八寸のお皿は直径が約24センチのもの。 八寸皿。 八寸のお皿は、食生活に
戦後、大量生産技術が開発されるにつれバゲットのクオリティが劣化し、それを危惧した国が1993年に定めたのが「バゲット・トラディション」の法律。トラディションは、小麦、水、塩、酵母だけで作られ、発酵時間も長時間であることなど、厳密に製法が決められています。もちろん添加物も冷凍も禁止です。 食文化の先生はとても教えるのに情熱的で、私はそのクラスが大好きだったのですが、先生が力説していたのが「トラディションはパンの中のパン。バゲットはすぐ固くなるとか、美味しくなくなるなんて言う人がいるけれど、それは大量生産のバゲットだから。正しいトラディションは数日置いても、きちんと霧吹きをしてオーブンで軽く温め直せば、また美味しく食べられるいいパンなのだ」ということ。 本当かしら? とトラディションを買ってみたら……確かにバゲットとは似て非なるものでした。トラディションは皮がサクサクで、中は気泡がいっぱい。そ
登録者数35万人超のYouTubeチャンネル『GOROGORO KITCHEN』で、パリを中心としたフランスでの暮らしの情報を発信するMamikoさん。初の著書『心満たされるパリの暮らし』から、くいしん坊のMamikoさんならではの食に関するエッセイをお届けします。 やっぱりフランスは美味しい。パリの美味なるパン ご存じの通りフランスはパンの国です。しかしフランスに来る前の私は、実はパンにほぼ興味がない人間でした。 中学生の頃からダイエットのためにパンは避けてお米を食べるようにしていたので、気づけば断然ごはん党の人間に成長。ロンドンに2年住んだ際もヨーロッパで手に入る、それなりに美味しいお米を見つけて主食にしていたため、パリにやって来てからもそのままお米ライフを続けていました。 そんな私のパン意識を変えたのは、入居時に大家さんから「ここはとても美味しいよ」と教えてもらった近所のパン屋さん、
今回は、ちんげん菜をテーマに選びました。 先日、青果店の方が「ちんげん菜って売れない」とSNSでつぶやかれていたんですね。驚きました。どこのスーパーでも見かけるように思うし、値段も手頃なことが多く、クセがなくて使いやすい青菜なのに……と。 私は大好物なもので、ちょっと応援したくなりました。ごく簡単な使い方をご紹介しますね。まずは炒めていきましょうか。切り方からじっくりご案内します。 ちんげん菜の塩にんにく炒め ■材料(1~2人分) ・ちんげん菜:1株(170g) (けっこう個体差あるので、できれば計量してください。小さいものだと塩からくなってしまうので) ・にんにく:1/2かけ(4~5g程度) ・塩:小さじ1/5 ・酒:大さじ1 ・米油:小さじ2 ■下準備 先にお酒と塩を計量しておくと、炒めものの場合は特にスムーズで、おいしく仕上がりやすいです。 塩小さじ1/5って、計りにくいですよね。ご
この映画に登場する人たちは、誰もがどうしようもない苦しみと恐怖心を抱えている。でも、その恐れを心の内に閉じ込めていたら、いつか自分が壊れてしまう。だから彼らはある方法を生み出す。それは、ぬいぐるみとしゃべること。 大前粟生の原作小説を映画化した『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』が描くのは、ぬいぐるみとしゃべるサークル、略して「ぬいサー」に属する大学生たち。世間が求めるジェンダー規範に居心地の悪さを感じる七森(細⽥佳央太)。ある日を境に、家から外に出られなくなった麦戸(駒井 蓮)。そんなふたりをどこか冷静に見つめている白城(新谷ゆづみ)。それぞれに悩みと恐れを抱える彼らの姿を通して、現代社会に巣食うさまざまな問題や、そのなかで苦しむ人々のありようが、繊細に、けれど力強く浮かび上がる。 監督は、『21世紀の女の子』(18)に参加後、初長編『眠る虫』(19)が大きな話題を呼んだ金子由里奈。音楽
日本を代表するプロレス界のスターでありながら、プロレスというリングの外でも国会議員などとして活躍をしたアントニオ猪木さんが2022年10月1日に亡くなっておよそ半年。 アントニオ猪木さんと倍賞美津子さんとの娘として生まれた猪木寛子さんが、初めてロングインタビューに応じてくれました。娘の寛子さんから見た、偉大なるアントニオ猪木、そして素顔の父・猪木寛至さんについて語ります。 》アントニオ猪木さんの秘蔵写真をすべて見る アントニオ猪木の技とかは全然わからない 寛子さんの長男である寛太くんとアントニオ猪木さん。 ――寛子さんは、レスラーとしてのお父さまの姿をどうご覧になっていましたか。 私、試合をほとんど見たことがないんです。格闘技に興味もなかったし、あまり見たいとも思わなかった。 ――では、アントニオ猪木の技で何が一番好きかと訊かれても……。 はい、わからないんです。 ――リング上は、ある意味
――昨年10月1日、元プロレスラーで国会議員も務めたアントニオ猪木さんが亡くなられました。寛子さんにとってどのような父親であったのか、まずは伺わせてください。 みんながイメージする普通のお父さんは、送り迎えをしてくれたり、公園に行って一緒に遊んでくれたり、学校で行事や劇があると来てくれたり。少し大人になって初めて好きになった男の子がいたら“お父さんは反対だ”とかいうやりとりがあるじゃないですか。 でも、一般的な親子らしい関係というのは一切ありませんでした。そもそも家にいないですし。そういうお家だったんです。 だから、ある意味では酷かったかもしれないです。でも人間としては素晴らしかった。いま振り返ると、“最低のお父さん”だったけど“最高のお父さん”でもあったなと思います。 パパは子どものために特別なことをするような人ではなかった 七五三の時の写真。 ――七五三のころの写真がありますね。猪木さ
“水野なくして今の少女マンガはない”と言われるマンガ家・水野英子さん(83)。当時はまだ男性作家が中心だった少女マンガ界で、『星のたてごと』『白いトロイカ』など数々のヒット作を発表してきました。 今ほど少女マンガが多様でなかった時代に、初めて男女の恋愛を真っ向から描き、「少女マンガ」の基礎を築いた立役者。手塚治虫に見いだされ、「トキワ荘の伝説の紅一点」として若き日を過ごした水野さんが、少女マンガの黎明期を語ります。(後篇を読む) ●自分の意思を持って行動するヒロインを描きたかった 水野英子は少女マンガの世界を拓いた立役者である。といっても現代マンガの多様性に慣れた読者にはピンとこないかもしれないが、かつて少女マンガの世界は、今のように多種多様なものではなかった。 1955年、水野英子が弱冠15歳でデビューしたのは、「少女マンガ」という言葉すらなかった時代である。 「当時は『少女もの』『少年
“水野なくして今の少女マンガはない”と言われるマンガ家・水野英子さん(83)。当時はまだ男性作家が中心だった少女マンガ界で、『星のたてごと』『白いトロイカ』など数々のヒット作を発表してきました。 今ほど少女マンガが多様でなかった時代に、初めて男女の恋愛を真っ向から描き、「少女マンガ」の基礎を築いた立役者。手塚治虫に見いだされ、「トキワ荘の伝説の紅一点」として若き日を過ごした水野さんが、少女マンガの黎明期を語ります。(前篇を読む) ●少年を主人公に据えた『ファイヤー!』が与えた衝撃 制約が多かった少女マンガの世界で、水野は様々な作品を生み出していく。『星のたてごと』はマンガ史上で初めて本格的な恋愛を描いたといわれる作品だ。また、歴史に材をとった『白いトロイカ』、社会問題をはらむ『ブロードウェイの星』など、エンターテインメントでありつつ骨太な作品をものしていく。『ハニー・ハニーのすてきな冒険』
お笑い芸人さんに一緒に暮らすペットを紹介してもらう連載「お笑い芸人の“うちの子”紹介」。第24回は二度目の登場となるマヂカルラブリー・野田クリスタルさん。 2021年3月に同連載にて話を伺ったのは、一緒に暮らしていたキンクマハムスターのはむはむちゃん(メス)について。ペットショップでの一目惚れから徹底した環境の管理をするなど、小さな命と向き合ってきた野田さん。多くのファンに愛されましたが、残念ながらはむはむは2022年6月に永眠しました。 そして、約半年が経った1月中旬。野田さんにはむはむとの暮らしについて、改めて伺う機会をいただきました。 最終的に俺より人気ありましたね、はむはむは。 ――この度はインタビューを受けてくださり、本当にありがとうございます。はむはむちゃんが永眠してから半年(取材当時)ほど経ちましたが。 正直、今もまだわかってないことのほうが多いですね。もういないんだっていう
ディープな音楽ファンであり、漫画、お笑いなど、さまざまなカルチャーを大きな愛で深掘りしている澤部渡さんのエッセイ連載第2回。今回は、年末年始のテレビ番組をきっかけに蘇った、お笑いにまつわる昔の記憶。お笑いと少し距離を取っていた時期の澤部さんに、大きな衝撃を与えた芸人とは? 年末年始、テレビをつけると好きな芸人がたくさん出ていて嬉しくなった。いい未来に私はいるのかもしれない、とさえ思えてしまう。私が多感な頃は、お笑いやヴァラエティ番組が好きだったはずなのだけど、苦手な笑いも数多くあった。みんなが笑っているもので笑えないことは誇らしくも感じていたはずだったが、多感だったゆえに世間とのズレを感じるのがつらくなり、次第にお笑いと距離を取るようになり、積極的には見ないようになってしまったような気がする。 (お笑いが好きなはずなのに)という気持ちを抱えながら、そうして隅に追いやられたのか、はたまた自ら
編集部が注目している書き手による単発エッセイ連載「DIARIES」の第3弾。今回は『愛がなんだ』『街の上で』『窓辺にて』など、うまくいかない恋愛を軸に展開する作品が熱烈な支持を集める、映画監督の今泉力哉さんです。 ほしいものがない人はたくさんいるはずなのに、ほしいものがないといけないみたいな空気がある。結婚もそう。恋人もそう。そもそも好きな人もそうだ。物欲も。食欲も。性欲もそうだ。あきらめとか妥協とかじゃなくて。特に何もいらない人たちがいる。その人たちがほしいものと言えば、ほしいものがないと言っても、そうなんだ、と言ってもらえる空間かもしれない。その空間、には場所や人を含む。でも空っぽでもよい。 人生には目的が必要だとか。 一生懸命生きるべきだとか。 うまくいかないとしても精一杯がんばろうとか。 やらずに後悔するよりもやって後悔しようとか。 正直まやかしだと思う。それはひとつの正解なだけで
2023年1発目のごあいさつ。今年もどうぞよろしくお願いします。 新年最初の回は、鶏と大根でスープを作りましょうか。なんともホッとする味わい、私の好物なんです。20分ちょいでできあがりますよ。 鶏大根スープの材料。 ■材料(作りやすい分量) ・鶏もも肉:100g ・大根:130g程度 ・干ししいたけ:5g ・塩こしょう:少々 ・水:500ml ・塩:小さじ1/3 ・醤油:小さじ1/2 ●ポイントその1 大根は皮をあつめにむいてください。よーく見ると皮から下2~3ミリぐらいで色が変わる部分があります。その手前をむき取りましょう。 ●ポイントその2 今回、干ししいたけを使います。とてもよい出汁が出て、鶏と大根との相性は最高。ひと晩水につけて戻さなくとも、手で砕くとすぐに使えますよ。1個を4~5分割するぐらいの感じで割ってください。 ■作り方 (1) 大根は皮をむき、暑さ1.5センチぐらいのいち
「体がいつもダルい」「肩がこって仕方がない」「冷えやむくみがひどい」。こんな不調をついつい放置していませんか? 実はこれらのちょっとした不調は「血液の汚れが進んでいるからなんとかして!」という体からのSOSの可能性があるのです。血液サラサラの提唱者の一人としても知られる医師の栗原毅先生によると、体の中では、古くなり汚れた血液と、きれいな新しい血液を入れ替える「おそうじ」が日々行われています。この定期的なおそうじを促し、さらに血液の汚れを未然に防ぐことができるのが、栗原先生が考案した「血液のおそうじスープ」です。 1日1杯、まずは最低2週間続けてみてください。いつの間にか心身の不調が改善されていくはずですよ。 » アレンジもいろいろ! 毎日続けられるスペシャルレシピはこちらから ●「血液のおそうじスープ」はどうやって作るの? 包丁いらずの簡単調理! 材料をもみ混ぜるだけで完成。 まずは「血液
最終回に向けて物語が加速する「エルピス —希望、あるいは災い—」。前篇に引き続き、エンディング映像の企画を担当するテレビプロデューサー・上出遼平さんと、脚本家・渡辺あやさんにお話を伺います。後篇はメディアが提供する「わかりやすさ」が人々に何をもたらすのかという話からスタート。さらにドラマのエンディング映像の意図についてなど、より深くドラマの視聴体験ができる内容満載でお届けします。(インタビュー【前篇】を読む) みんな「自分とは無関係」だと思いたい ――人々がわかりやすさを求めてしまうのには何か理由があるのでしょうか。「エルピス」の中では松本死刑囚に対してメディアが「ロリコン」だという嘘の犯人像をつくり、被害者のひとりに対して「下着を売っていた」とメディアが報じていた描写がありましたが、それも猟奇的な犯罪を起こすのはロリコンという変質者で、被害に合う人間にはそれ相当の何かがあったほうが、みん
放送開始とともに視聴者を釘付けにし続ける「エルピス —希望、あるいは災い—」。ドラマとともに話題になっているのが、恵那(長澤まさみ)が料理をつくるエンディング映像です。このエンディング制作企画で参加しているのが、元テレビ東京社員で現在フリーのテレビプロデューサーとなった上出遼平さん。どういう経緯で今回のオファーを受けることになったのか、そしてテレビや報道に対してどんな思いを抱いているか。脚本家の渡辺あやさんとともにお話を伺います。(インタビュー【後篇】を読む) 「僕たちテレビは自ら死んでいくのか」に込めた思い フリーのテレビプロデューサーとして活躍する、上出遼平。 ――「エルピス」のエンディング企画で上出遼平さんのお名前を発見したとき、いろいろと腑に落ちました。というのも、以前渡辺あやさんと佐野亜裕美さん(本作プロデューサー)がおっしゃっていた「テレビやマスコミ、報道の役割とは何か」という
シンガーソングライターであり、数々の楽曲提供やアニメ、映画などの劇伴にも携わっているポップバンド、スカートを主宰している澤部渡さん。ディープな音楽ファンであり、漫画、お笑いなど、さまざまなカルチャーを大きな愛で深掘りしている澤部さんのカルチャーエッセイが今回からスタートします。連載第1回は新譜『SONGS』にまつわる、現在と過去を行き来して「僕のセンチメンタル」を探すお話です。 詞を書く時、情けない話なのだが、部屋があまりに汚く、ノートを広げる場所すらないため、ここ最近はファミレスで書くことが多くなっている。コロナ前だったら深夜営業のファミレスに4冊ほど漫画や小説や詩集を持ち込み、夜明けをめがけてノートに向かっていた。繰り返しデモを聴き、浮かんだ言葉を整理していって、疲れたら休息と刺激の両方を兼ね備え漫画や文学を訪ね、またノートに向き合う。そうしていくうちに詞が書き上がる、というのが大まか
いよいよ12月18日はM-1グランプリ決勝。M-1好きは予選が本格化する秋頃から、観覧に行ったりYouTube公式チャンネルの動画を見たりしてこの日に備えるという。ここ数年、“3回戦”を最も楽しみにし、今年は3回戦の約300組の動画を全組チェックしたという能町みね子さんに、決勝だけじゃないM-1の楽しみ方についてお話を聞きました。 12月初旬、ティータイムにインタビュー。 M-1を語るのは危なっかしいな〜と思っちゃうんですよね。私は大相撲についてはいろいろ語ってますが、大相撲だとそんなことはないし、話題のサッカーもみんな気楽に語ってる感じですが、M-1だけは迂闊に語るとめちゃくちゃ叩かれる気がする(笑)。「なんでこんなのが決勝に行くんだ」とか「このネタのここがよくない」みたいなことを素人が言えば叩かれるのも当然かと思いますけど、そういうことですらなく、M-1の番組上のフォーマットとか予選の
中絶が違法だった1960年代のフランス。労働者階級に生まれたが、努力を重ねて大学に進学したアンヌは、大切な試験を前に予期せぬ妊娠をしてしまう。第78回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した映画『あのこと』は、中絶が認められていなかった時代の女性の12週間の苦しみを描いた。原作は、ノーベル文学賞を今年受賞した82歳のアニー・エルノーが、自身の経験を元に描いた『事件』だ。「それは堪え難いサスペンス」と語るオードレイ・ディヴァン監督に話を聞いた。 妊娠中絶を真っ向から扱った映画はとても少ない。「中絶」という言葉はいまだタブーの響きがあるし、世界にはまだ法的に中絶が認められていない国が複数ある。 オードレイ・ディヴァン監督による新作は、フランスで「あのこと(中絶)」が認められていなかった60年代、大切な学位試験を前に、予期せぬ妊娠で人生の選択を迫られるヒロインを描いた原作の映画化だ。自らの体験を
1987年に放送された「仮面ライダーBLACK」を、「孤狼の血 LEVEL2」や「死刑にいたる病」などのヒット作品を手掛けてきた白石和彌監督によってリブートした「仮面ライダーBLACK SUN」が、Prime Videoで200以上の国・地域で一挙世界独占配信中です。 物語の舞台は、国が人間と怪人の共存を掲げてから半世紀を経た2022年。予告編では、怪人が差別の対象として虐げられている様子が映し出され、重々しい雰囲気が感じられる。これまでの仮面ライダーシリーズにない社会派な本作でW主演を務めるのは、俳優の西島秀俊さんと中村倫也さん。 次期創世王の候補である、仮面ライダーBLACK SUN(=南光太郎)を演じた西島さんと、50年の間幽閉されていたもう一人の創世王候補・仮面ライダーSHADOWMOON(=秋月信彦)を演じた中村さんにお話を伺いました。 お二人の思い出の「仮面ライダー」は? ――
今回より、編集部が注目している書き手による単発エッセイ連載「DIARIES」がスタート。初回は第一歌集『老人ホームで死ぬほどモテたい』(書肆侃侃房)が話題となった歌人の上坂あゆ美さんです。 かつて、場末のメイド喫茶でアルバイトをしていた。その頃はもうアキバブームという言葉が死語になりつつあって、ブーム時に乱立したコンセプトカフェやバーなどがどんどん消えていった。私のバイト先はそんな時代でも細々と生き残り、それなりの固定客を得ている店だった。店のオーナーは、メイド喫茶というよりもキャバクラ経営が似合いそうな強面の人で、実際グレーなルールや方針も数多く存在していた。店内は換気が悪く、フロアにもスタッフルームにもタバコの臭いが染み付いている。パステルカラーに塗られた壁や床は黒ずみや傷がたくさんついていて、いくら拭いてももう綺麗にならない。当初はしっかりしていたであろう世界観の設定も、もはや綻びが
テレビ局を舞台に、スキャンダルによって落ち目となったアナウンサーとバラエティ番組の若手ディレクターらが冤罪事件の真相を追う社会派エンターテインメントドラマ「エルピス —希望、あるいは災い—」。前編では脚本家・渡辺あやさんとプロデューサー・佐野亜裕美さんの、出会いから波乱のドラマづくりの日々をお届けしました。紆余曲折あってやっとドラマ放送が決定した本作。後編はそれぞれの仕事に対する思いから、本作に込めたテーマや秘話までたっぷり語っていただきました。(インタビュー【前篇】を読む) マスメディアの裏側まで描きたかった ――脚本の依頼から放送まで、足掛け6年。ドラマ制作でこんなに長い時間がかかることはあるものなのでしょうか。 渡辺 私史上、初ですよ。まぁ民放の連ドラ自体がそもそも初めてですけど。 ――渡辺あや脚本のドラマが民放で観られる日がくるなんて思ってもみなかったので本当にうれしいです。しかも
10月24日(月)から放送されるドラマ「エルピス —希望、あるいは災い—」。長澤まさみさん4年半ぶりの連ドラ主演ということだけでなく、民放連続ドラマ初執筆となる渡辺あやさん(朝の連続テレビ小説「カーネーション」、映画『ジョゼと虎と魚たち』など)による脚本だというところも見逃せないポイントです。寡作で知られる渡辺あやさんを口説き落としたのは、数々のヒットドラマ(「カルテット」、「大豆田とわ子と三人の元夫」など)を手掛け、カンテレでも存在感を放つドラマプロデューサー・佐野亜裕美さん。今回は佐野さん立ち会いのもと、渡辺あやさんにお話を伺います。(インタビュー【後篇】を読む) どこか欠けている人の方が魅力的にみえる ――渡辺さん脚本のドラマがまさか民放で見られる日がくるなんて思ってもみませんでした。ドラマファンにとってのこの悲願は佐野さんのご尽力あってのことだと思うのですが、お二人の出会いからお伺
世田谷区奥沢にある小さなチョコレートショップ「世田谷トリュフ」。ショコラティエのウォーマック夕美子さん(65)が2019年夏に開いた、知る人ぞ知る和風トリュフの名店だ。 実はウォーマックさん、1980年代に宮下智の名前で田原俊彦の「ハッとして! Good」や、少年隊の「まいったネ 今夜」など、ジャニーズ・アイドルのヒット曲を数々生み出した作詞作曲家でもある。サンフランシスコ音楽院を首席で卒業し、昭和の華やかな芸能界で活躍した彼女は、1991年に結婚を機に渡米。そこからなぜ職人の道を選んだのか。波瀾万丈の半生を語っていただいた。(全3回の1回目。2回目、3回目を読む) ――はじめに、世田谷トリュフをオープンしたきっかけを教えてください。 本当に山あり、谷ありの人生を私は歩んできました(笑)。2017年10月までは、カリフォルニア・ワインの名産地ナパ・バレーに近いサンタローザという街に数年間住
ストーリーに“笑い”という共通点があるマンガ家・和山やまさんとつづ井さん。つづ井さんの熱い和山作品分析を皮切りに、アイディアの種や制作の裏舞台などを語り合います。 »「『和山やまさんの魅力100個言えます』つづ井さんがマンガ家視点で徹底解説」を読む 突如としてプレゼンが始まる 『女の園の星』『カラオケ行こ!』の和山やまさんと『裸一貫! つづ井さん』のつづ井さん。ふたりの作品が放つ幸福感はどこから来るのか、初対面で探り合いました。 つづ井 私、和山先生の古参ファンだと思ってるんです。pixiv(コミュニティサイト)で見た『うしろの二階堂』(『夢中さ、きみに。』収録)、だいぶ初期にリツイートしたけどね私、みたいなノリで応援させてもらっています。 和山 ありがとうございます。その前から商業誌で読み切りなどは描かせてもらっていたんですが、全く反響がなかったんです。そこで、編集者さんの目を完全に無視
連続テレビ小説「ちむどんどん」がまもなく最終回を迎えます。SNSでは作品をめぐっての批判がやまない本作。いったい何が視聴者をそうさせてしまったのでしょうか。 沖縄復帰50年の歩みは朝ドラで描くには難しすぎた ヒロイン・比嘉暢子を演じる黒島結菜。©文藝春秋 2021年3月3日(水)。この日の朝の生放送番組「あさイチ」内で、2022年度前半の朝ドラ「ちむどんどん」の制作と、ヒロインが黒島結菜であることが発表されました。沖縄が舞台で、ヒロイン・比嘉暢子が料理人を目指し、沖縄料理に夢をかける姿を描くストーリー。それを沖縄出身の黒島が演じる。これはナイスキャスティングすぎる! このときリアタイで「あさイチ」をみていて、本当にちむどんどん(=心がわくわくどきどき)しました。「アシガール」「いだてん」「スカーレット」とNHKドラマで数々の活躍をみてきて、黒島結菜がヒロインの朝ドラを個人的にずっと待ってい
中川家剛 愛猫は「孫のように可愛い」 ジムに通わなくなり、撮影に勤しみ… インスタフォロワーは7万人に! お笑い芸人さんに一緒に暮らすペットを紹介してもらう連載「お笑い芸人の“うちの子”紹介」。第19回は兄弟漫才師の中川家・剛さん。 現在、おもちちゃん(メス・1歳)とぽてとくん(オス・7カ月)、まるこちゃん(メス・7カ月)と暮らしています。15年前に愛猫を亡くしたことがショックで、ペットを飼えなくなっていたという剛さん。もう1回飼ってみようという気持ちの変化から、おもちちゃんと出会ったことで、猫への愛情はさらに深いものに。剛さんと猫3匹の日々が更新されるInstagramも話題となっています。 山形からそのまま……3匹との出会いを振り返る ――現在、3匹の猫と暮らしているんですよね。 そうなんです。以前にも猫を飼ってたことがあったんですよ。元々、動物が好きで、最初は犬を飼いたかったんですけ
“モテない男”が主人公の喜劇と悲劇が入り混じった恋愛喜劇『みんなのヴァカンス』 ©2020 – Geko Films – ARTE France 田舎町で過ごす夏のヴァカンス。川や海で泳ぎ、サイクリングや山登りをし、美味しい食事を楽しみ、ときには酒場でドキドキするような夜を過ごしたりもする。けれど、必ずしも楽しく幸せな時間ばかりとはかぎらない。うまくいかない恋や、友達や家族との喧嘩、思わぬ大失態。ヴァカンスには、気まずさに満ちた時間もつきものだ。 ヴァンサン・マケーニュが主演した『女っ気なし』(11)『やさしい人』(13)が日本でも人気を博した、フランスのギヨーム・ブラック監督の最新作『みんなのヴァカンス』が描くのは、そんな、ちょっと気まずい瞬間に溢れたヴァカンス模様。夏の陽光あふれるフランスの田舎町で、ロマンチックだがどこか滑稽な、若者たちの恋愛ゲームが繰り広げられる。 パリで介護士とし
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