JR京浜東北線蕨駅の西口を出て10分ほど歩くと、高層階の建物が並ぶマンモス団地にたどり着く。2024年12月のある午後、敷地内の広場では多くの人が思い思いの時間を過ごしていた。遊んでいる子供を見守る母親、買い物袋を抱えた2人の高齢女性、自転車を脇に置いて友人と話し込む男性――。どこにでもある風景だが、違いもある。彼らから聞こえてくる言葉はいずれも中国語なのだ。 日本に住む外国人が増え、日本人にとっても外国人住民にとっても暮らしやすい社会をどう作っていくのか――。川口を舞台に、3回にわたって現場に迫ります。(全3回の第1回、次回は1月8日午前5時アップ予定) <対立もないけど交流もない 芝園団地の奇妙な静けさ>につづく 関連記事・移民問題は「21世紀の革命」 岐路に立つ日本 ここは埼玉県川口市芝園町の芝園団地。多くの中国人が住んでいることから、近年は「チャイナ団地」とも呼ばれている。 川口市