新たな経済システムを考える野心こそ、世界史を動かす原動力となってきた。 交換と欲望をめぐる無限の試行錯誤としてのエコノミクスを探る交貨篇。 今日の資本主義はなぜ行き詰まりを見せているのか、 人類にとっての貨幣とは何を表徴しているのか、 グローバリズムが見落としているものとは何か、 われわれはリスクとオプションをどのように編集していくべきか。 文系の知と理系の知をまたぎ、 洋の東西の思想を超えたメタな視点から来るべき未来像を導く。 世界経済の制度化の歴史から、史的システムとしての資本主義の考察まで。 円の誕生、アングロサクソン的発想と基準、グローバリゼーションの起源と 拡張の過程、1985年の大転換などをめぐりつつ、物質文明の細部に入りながら、 マネーシステムの成立と資本主義の形成を振り返る。